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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第1部・生き様の理
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第6話 ダンシングレディ3(キャラ名版)

ミツキ=DJ1(その時の失敗で大変な事になったわぅよ。)

ナツミA=DJ2(命があっただけ儲け物だけどね。)


 ウアイラを運転中、FMラジオを付けてみた。指定チャンネルでは、今もミツキとナツミAがラジオDJを続けている。というか2人とも、何時まで続けているのか・・・。まあ今では喫茶店が収録スタジオになっているため、運営と同時にやってのけているのが見事なものだ。


ミスターT「化け物姉妹か・・・。」

ナツミYU「それが本気モードじゃないから、尚更怖いわよね。」


 シュームもこちらに来たがっていたが、彼女はハイパーカーの運転が得意ではない。彼女のウリはバイクであり、ウアイラは不得意の何ものでもないのだ。ここはナツミYUが適任になるだろう。


ナツミYU「やはり君の潜在能力は計り知れないわね。」

ミスターT「何を今更な感じに聞こえるがね。」

ナツミYU「まあ確かに。」

ミスターT「警護者の実力は、間違いなくメンタル面での力で左右される。いくら体力が強くとも、精神面が脆弱じゃ長続きしない。まだ流されながら普通の生活をした方が安全だ。」


 自ら危険な戦場に足を踏み入れるのが警護者とも言える。しかも警護する側の絶対安全も維持しなければならない。これほど体力面と精神面を酷使する生き様は滅多にないわな。


ナツミYU「それでも、この道を進むのは・・・。」

ミスターT「愚問、そこにテメェの生き様があるからだ。」

ナツミYU「フフッ、流石よね。」


 最終的に己自身との対決が人生そのものだ。それ即ち生き様を刻む事にも通じる。自分自身を刻むのは自分自身でしかない。最終的なライバルは己自身だからな。


ナツミYU「君と同じ時間を過ごす事ができて光栄よ。」

ミスターT「なーに、これからも続くさ。」


 一服しながら彼女の右肩を軽く叩いた。同じく一服しながら頷いている。ミツキの言い方とすれば、“持ちつ持たれつ投げ飛ばす”だろう。全てが終わったら、ナツミYUとシュームの望む道に進んであげたいものだ。まあ国内は厳しいだろうが・・・。



 雑談をしながらも警護の時間は過ぎていく。しかし邸宅に到着しても、何事もなく進んだ。そろそろ何らかの出来事があってもおかしくはない。


 しかしまあ、この警護する8人。何処にでもいる家族そのものだ。そんな彼らを見つめていると、その中の1人の娘と目が合う。恥ずかしそうに視線を反らすが、その気迫は一般人が出せるものとは違かった。


 この依頼の目的は何なのだろうか。それだけこの8人は何か特別な力を持つという事かね。こういったミステリアスな部分は、警護者としてタブーながらも興味が引かれるわ。




ミスターT「身辺警護ねぇ・・・。」

ナツミYU「ボヤかないの。」


 邸宅に入った護衛対象の面々。既に数時間が経過しているのだが、一体中で何が行われているかは一切聞かされていない。ちなみに近接警護はエリシェとラフィナが担当している。俺達は邸宅の表で態と太々しい態度を取り続けた。これも一種のカモフラージュである。


シューム「私の直感だけどね、あの8人は何か得体の知れない力を宿しているわね。」

ミスターT「外見からして、普通の人にしか見えなかったが・・・。」

シューム「そこが大問題なのよ。普通すぎるぐらいの普通の人、としか見えないのよ。気持ちの悪い程に人間を演じている感じがね・・・。」

ナツミYU「先輩もそれを感じましたか・・・。」


 一服しながら不安を煽るシュームとナツミYU。直感と洞察力は警護者内で最強クラスと謳われる2人なだけに、その語りは信憑性が強過ぎた。


ミスターT「・・・いや、まさか・・・。」

シューム「そう、多分君が思った事が正論かもね・・・。」

ミスターT「ファンタジー世界じゃあるまいし・・・在り得ないだろ・・・。」

ナツミYU「在り得ない、で済まされればいいけど・・・。」


 この推測がどこまで正しいかは分からない。しかしあの人間を超越するかのような存在感、それが全てを物語っていると言えた。理路整然と語れないものである。




 突然だった。サイレンが鳴り響き、慌ただしく動き出す警備員の方々。俺達は奥の手として存在しているため、後手に回れと言う指令である。


エリシェ(マスター、お2人方。大至急邸宅内へ来て下さい。地下より指定場所まで向かいます。)

ミスターT(了解した、直ぐに向かう。)


 小型ヘッドセットからエリシェの音声が流れる。表は警備員の方々に任せ、俺達は邸宅内へ入っていく。本題は8人の護衛対象を守る事だからな。


 邸宅内に入って驚いた。日本国内では考えられない程の様相だ。まるでアメリカはNASAの研究施設の様な様相である。となると・・・俺達が推測した事は当たっている可能性も。


 エリシェとラフィナ、そして8人の家族と共に移動を開始する。この邸宅は地下通路で遠方の緊急避難場所に繋がっているという。


警備員1(隊長、大変です! 未確認物体が邸宅に進入、そちらに向かったと思われます!)

エリシェ(分かりました。そちらは引き続き迎撃を続けて下さい。)


 手に持つ拳銃の安全装置を解除するエリシェ。その姿は完全にエージェントそのものだ。ラフィナの方も背中に担ぐアサルトライフルを構え、素早く安全装置を解除している。もっと驚いたのが8人の護衛対象だ。全く動じていないのが逆に緊張感を拡大させている。



 道なりに進むと、背後から物々しい音が近付いてくる。そちらを向くと、妙な機械式の飛行物体が数個いた。というかこの類、無人飛行機械に近いのか。ならば話は早い。


 俺達は問答無用で無人飛行機械に攻撃を開始。それぞれの武器で応戦し、即座に破壊していく。今回は武装が貧弱とあって、弾丸を何時ものより強化版にした。炸裂弾式のものだ。対象物に着弾後、爆発するというものである。当然この弾丸は人体には射撃できない。相手に着弾したら最後、とんでもない事になってしまうわな。


ミスターT「・・・黙りを続けようと思ったが、やはり気になるから問うわ。この機械兵器は8人を狙うものと捉えていいのか?」

エリシェ「はい。むしろ生け捕りにするのが目的だと思います。」


 俺の問いに簡単に答えるエリシェ。むしろ隠そうとはしていない。それだけこの依頼が困難を極めるという事になるのだろう。内情を知っておけば、以後は動き易くなると踏んだからだと推測できる。


ミスターT「それに何故、態々日本に連れて来たんだ? この施設の様相からして、アメリカにいた方が安全だったんじゃないのか?」

ラフィナ「種子島の宇宙センターが目的です。アメリカのヒューストン宇宙センターでは目立ち過ぎますので。」

ミスターT「・・・なるほどな、宇宙が目的か。」


 エリシェとラフィナの話で大体掴めた。これはもう8人が地球外から来訪した、知的生命体としか取れない。理路整然と解釈できる物事じゃないが、実際にこの推測は合っているわな。



 その後も無人飛行機械が来襲し、その都度銃撃戦に発展していく。向こうは生け捕りが目的としているようで、一切危害を加えようとしない。それだけ無傷で確保したいのだろう。


 仮にこの8人が宇宙人だとして、それでも人体実験に用いられるのは我慢がならん。これは警護者としてのものではなく、人としてのモラルの問題だ。


 先手をシュームとナツミYUに任せ切りなため、直ぐに弾薬が枯渇してしまう。俺が持参してきたマガジンと予備の拳銃、そしてメインのマグナムを全て彼女達に託した。俺は背中に持参していた携帯式方天画戟を取り出し、それで無人飛行機械を叩き壊す事にする。


少女2「・・・三国志は呂布奉先様の武器ですね。」

ミスターT「へぇ・・・知っているとは。」


 かなりの数の無人飛行機械を叩き壊していると、静かに口を開く女の子。先程俺を見て顔を背けたあの娘だ。他の娘達もウンウン頷いている。俺達が暴れている姿のにウズウズしてきたのか、何と破壊した無人飛行機械の一部を強引に曲げて簡易武器を作り出していた。


ミスターT「・・・鋼鉄を飴玉のように・・・。」

エリシェ「私達も最初は驚愕しました。地球上にある物質を簡単に持ち上げたり曲げたりと。更には重力制御もできるのだとか。」

ミスターT「夢でも見てるようだな・・・。」


 ついには割って入り出し、無人飛行機械を簡単に破壊しだしたではないか。しかも仕舞いには殴り付けて破壊している・・・。彼女達はどんな腕力をしているのやら・・・。


ナツミYU「話には聞いていましたよ。アメリカのNASAが極秘にコンタクトを取り、知的生命体たる存在と交流を開始したと。それがこちらの方々だとは思いもしませんでしたが。」

ミスターT「・・・無人機は彼らを捕縛し、生体実験するつもりか。」

シューム「人外な力を持つ故に、となるわね。」

ミスターT「・・・カスどもめ・・・。」


 これで怒りが沸かないのは人としてどうかしている。警護者は依頼には干渉するな、これが暗黙の掟だ。しかしそれを超越する出来事が起きている以上、警護者側も超越した考えを出すべきだな。つまり逆説的に依頼に干渉せよ、という事だ。


ミスターT「・・・分かった。俺達が貴方達を無傷で宇宙に送り出そう。これは地球人としての誠意ある対応と取ってくれ。地球人全員が全部悪い奴じゃない事だけは理解して欲しい。」

少女2「当たり前です。お兄様は命懸けで私達を守ってくれている。それに感謝できないなど、私達ギガンテス一族の恥で・・・。」


 言い掛けて、しまったと言った雰囲気を出す彼女。だが既に俺達は在り得ない状況に巻き込まれているのも事実。何を今更な感じでもあるが。萎縮する少女の頭を、気にするなと思い優しく撫でた。それに笑顔で見つめてくる。


少女2「・・・お父様・お母様、妹達を連れて先に帰って下さい。私はこの方々と一緒に戦います。守ってくれるだけでは忍びありません。」

少女1「そうだね、私達にできる事をだね。」

少女3「いっちょ暴れますかぁ!」


 先に語り出した娘を見て把握した。この親子は3姉妹の2ペアで、6姉妹という事になる。そのうちの先の3姉妹が参戦を名乗ってくる所を見ると、どうやら依頼者は両親かその親しき人物となりそうだ。


シューム「何か、リュリアが3人いるみたい・・・。」

ナツミYU「フフッ、本当ですね。」

ミスターT「年代的に同じだろうし、会えば意気投合しそうな感じがするわ。」


 有言実行を信条としているようで、一度決めたら突っ走る様子。追撃してくる無人飛行機械を素手で破壊していく様は、もはや暴走機関車の如くである。


 しかし本当に理路整然と解釈できる事ではない。今し方から宇宙人の護衛を受け持つ事になろうとは。まあ俺達地球人も同じ生命体の1つ。変な解釈は必要ないのだろうな。


    第6話・4へ続く。

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