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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第4部・大切なものへ
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第7話 企業間抗争3 生命力の強さ(通常版)

(・・・それ、“まだない”と言われるのは、何れそうなるとお思いで?)

(そりゃそうだろうに。男は愛嬌、女は度胸、意味合いはズレるだろうが、ミツキさん達は女性面以外に男性面も持ち合わせている。だからこそ成し得るものだろうしな。)

(・・・物凄く癪に障るけど、見事に言い当てているから黙認するわね。)

(元ネタは、某天空の城の空中海賊頭様の名言ですよね。)

(あー、あの流れですか。)

(ウッシッシッ♪)


 俺が挙げた譬喩は、某アニメは空中海賊の長嬢の名言だ。本来なら“女は度胸だ”のフレーズだが、何らかの雑紙で“男は愛嬌、女は度胸”というのを見た事がある。それが周りの女性陣に見事に当てはまるのだから不思議だわ。


(Tさんがマンガやアニメに造詣が深くなって嬉しいですよ。生前の私が色々なネタを披露するも、全く以て無関心染みた雰囲気を貫いていましたし。)

(そうだったのか・・・悪い事をしちまったの。)

(記憶の理を失うも、和気藹々の理を得る、わぅ。)

(本当よねぇ。記憶を失う前の君と今の君とでは、本当に雲泥の差に近いし。)

(記憶喪失自体は辛いものですが、Tちゃんにとっては完全にプラスに転じましたよ。)

(プラスに転じる、か・・・。)


 胸の中のシュームの頭を撫でつつ、当時の事を思い遣ろうにも思い出せないのが実状である。しかし、航空機事変からの記憶が今の俺を構成しているのは確かで、後のウインドとダークHとの共闘や、ナツミA達を助ける戦いで開花したとも言えるだろう。


 ミツキが何度も挙げていたが、人は本当の力を開花していない。しかし、既に持っている力であるのも確かで、開花するだけで真の実力を発揮できる。まあ、そこに至るには、周りの協力が必要不可欠だが。中には自らその境地に至り、開花に至った存在もいるらしい。


 俺の場合は間違いなく前者だが、記憶を失う前の自身が既に開花していたとしたら、それは原点回帰に過ぎない。だが、ミツキTが言う様に、昔の俺は相当己自身を押し殺していたとも思える。


(・・・生きる事とは、死ぬ事よりも難しい、だったな。)

(逝去前の私の言葉でしたね。その概念には、本当に痛感させられましたよ。今はこうして精神体に至っていますが、当時の苦痛は今も鮮明に覚えていますし。)

(ミツキT様の覇気は非常に静かで清流の如くですが、そこに至るまでの道程は壮絶的なものだったのが窺えます。ましてや、今は私達宇宙種族に等しい存在に至りましたし。)

(一地球人の私からすれば、非常に烏滸がましい感じですけど。)


 自身を過小評価するミツキTだが、その覇気は5大宇宙種族の誰よりも力強い。生命力の輝き自体が桁違いの領域に至っている。これで各種の宇宙種族の肉体があれば、全ての力を難なく扱えるだろう。超絶的な宇宙種族そのものだ。


(ぬぅーん! ミツキTちゃんもワンコ種族の仲間入りわぅね!)

(アハハッ、ある意味そちらの方がしっくりきますね。)

(ワンコ種族ねぇ・・・。)

(十分その資格があるからねぇ、見事なものよね。)


 ミツキの揶揄に周りが笑っている。ワンコ種族はミツキ自身を指し示す、言わば生命力の強さでもある。ミツキTの力を以てすれば、ワンコ種族以上のものになるが、言い当てるとすれば理想的なものだろう。


(生前で受けた恩の恩返しが、こうした形で返せるのは幸せですよね。)

(逆だろうに。俺達の方が貴方から超絶的な理を享受している。こうした形で再来はしたが、あの黒いモヤの撃滅を以て完全決着とさせたいものだわ。)

(ですね。当然、やるからには全力投球でお願いします。無論、危ない場合は私も最大限加勢しますので。)

(加勢をするのは火星で行うわぅ!)

(はぁ・・・。)


 何度も回帰する概念を、ミツキTから見事なお墨付きを貰うに至った。これなら、全力投球をしても問題ない。そして、ミツキからはボケが繰り出され、ナツミAの溜め息と周りの爆笑の様相である。本当に見事な女性陣だわ・・・。



(・・・それで、何時まで先輩をそうされているのですか。)

(だから・・・突然の声掛けはやめれ・・・。)


 念話を続けていると、突然ナツミYUの声が脳裏に響く。と同時に、背後から痛烈なまでの殺気に曝されだした。後ろを振り返ると、エラい顔を引きつらせている彼女がいる。更にはデュリシラとカラセアもいた。ナセリスの生命力は、ここには感じられないため、宇宙での作業に赴いているのだろう。


(それ・・・念話で生命力を感じるまでに至ったと。)

(ん? 今のアレか。お前さん達は地球人以上の生命力を持っているしな。ミツキTさんに託した各ペンダントを持っていた時は、薄っすらとしか感じ取る事ができなかった。今の新ペンダント群だと、それら能力は薄らいだと思ったが、それ以上の力を感じるよ。)

(となると、今の小父様は各ペンダント効果ではなく、ご自身の生命力で力を操るに至っているという事になりますよね。)

(普通なら有り得ないと思いますが、今のマスターなら何でもござれ状態ですし。)

(こうして、周りの生命体の根幹たる女性陣に修行させて貰っているしな。)


 シュームを胸に抱きつつ、仁王立ちの3人を近くに呼び寄せる。その彼女達も同じく、胸に抱き寄せた。普段は超絶的な力を発揮する女傑達だが、こうして胸の中の姿を見ると幼子の様に見えてしまう。


(・・・力とは、使ってこそ真価を発揮する。お前さん達が危惧する、俺が死ぬのではないかという部分は、実力で覆してみせるわ。)

(全く以て問題ないですよ。シュームお母様方から通して伝わる、貴方のその生命力なら確実に生き残れます。それに、増幅装置たる私達もいますからね。)

(魔法力たる部分は、一切合切お任せを。それに、これは貴方だけの戦いではありません。地球上・太陽系・天の川銀河全てに存在する、生命体が直面する激闘と死闘そのもの。)

(ですね。その代表を務めるのが貴方ですし。)

(ますます以て奮起せねばな。)


 黒いモヤを察知した頃の俺の生命力では、間違いなく連中を抑えるのは無理だったと思う。しかし、今はこうして周りから生命力を練磨させる手解きを受け続けている。シュームを筆頭に繰り広げられる女性の力は、ある意味俺自身の生命力を強化してくれていると言える。


(念話を経て、私達の生命力が貴方に呼応していると思いましたが、まさか私達の生命力が貴方を鼓舞激励させているのには驚きましたよ。)

(ミツキ流は生き様、持ちつ持たれつ投げ飛ばす、これに限るわ。)

(フフッ、本当にそうですね。)

(更に掘り下げれば、スミエちゃんやミツキTちゃんがいなければ、今のTちゃんには至らなかったわぅし。)

(ああ、その通りだわな。)


 生誕の部分を除けば、俺を覚醒させてくれたのは間違いなくミツキTであろう。その彼女と巡り逢う切っ掛けを作ってくれたのは、スミエであるとも伺っている。恩師との出逢いは、その後の流れだとも伺った。


    第7話・4へ続く。

 今回も会話中心で詳細描写は微量です><; 詳細描写の場合は通常版を、会話中心描写の場合はキャラ名版を、となりますか@@; 今回はキャラ名版を推奨致しますm(_ _)m 誰が喋っているか分からなくなりますので><;


 しかし、警護者は苦労人の後の話。苦労人側では、まだ生命力の何たるかを把握し切れていません(未完成なのもありますが)。また、警護者の後の話の探索者でも、生命力の部分は永遠の命題になっていますし。これはリアルでもファンタジーでも、本当に永遠の課題なのでしょうね。


 何はともあれ、今後も頑張っていかねば(>∞<)

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