第4話 束の間の休息4(キャラ名版)
ミツキ(ぬぅーん! ワンコを学べ、我が弟子達よ。)
ナツミA(毎度ながらだけど、ワンコを学んでどうするのよ?)
ミツキ(モッフモフのモフモフで、ノホホン気分にしてやんよ!)
ナツミA(あー・・・まあねぇ。)
恒例のミツキのボケで周りは堪え切れずに笑っている。ただ、彼女が言わんとする部分は十分分かる。常々に精進あるのみ、という事だ。それを欠いてしまったら、そこで成長は停止してしまうしな。
ミスターT(ワンコの姿勢、常に己が生き様を貫くも、受けた恩を忠実に返していく、か。)
ミツキ(ワンコの姿勢というより、人間の最低限の生き様だと思いますよ。それを忘恩で返すのは、人間でしかありませんし。)
デュヴィジェ(失礼ながらも、ほぼ人間だけですよ、忘恩の一念が出るのは。極め付けが、先刻の偽者が言い放った、あの言葉・・・。)
念話を通しても伝わってくる、デュヴィジェの心中の怒り。大切な存在を失った者にしか、その痛烈なまでの怒りは理解できない。彼女の場合は、パートナーとの別れであろうか。
デュヴィジェ(そうですね・・・あの人は5人が生まれる前に亡くなっています。それこそ、貴方が偽者に願った通り、どれだけ死者の復活を願ったか・・・。)
シューム(横槍失礼だけど、実際には叶わない願いなのよね。ならば、パートナーの分まで生き抜き続けるしかない。T君が何度も言う通り、忘れなければ永遠に生き続けられるし。)
デュヴィジェ(本当に心からそう思います。シューム小母様やナツミYU小母様、デュリシラ小母様にカラセア小母様・ナセリス小母様も。大切な存在を失って、今の自身があると。ただ、小父様が思われた事があるようですが、失って初めて痛みを知るとなると、失っていない方には失いを強要している感じにも取れますけど。)
ナツミYU(確かにそう受け取れますね。でも、この痛みは他の方々にはさせたくない、その思いが強いのも確かです。だから、警護者の道に進んだ、それが今の私ですから。)
ナツミYUの言葉に、シューム・デュリシラ・カラセア・ナセリス・デュヴィジェが、心から頷いている一念が感じられた。この6人はパートナーを失った痛みを抱えつつ、今の自分の生き様を貫いている。言い方は悪いが、彼女達を奮起させる起爆剤である。それでも・・・。
ヘシュナ(それでも、亡き方々は今を生きる方々の幸せを願っている、ですね。)
ミスターT(はぁ・・・また心中読みか・・・。)
ヘシュナ(前にも言いましたが、胸中の思いがダダ洩れ状態ですし。)
デュリシラ(本当ですよね。)
俺のボヤきに周りが小さく笑っている。傍らにいるエリシェとラフィナもしかり。今も桟橋でノホホンとしているように見えるが、実際には時間と空間を超越した念話での会話中だ。既存の通信装置では考えられない仕様である。
ミスターT(まあでも、全てはこの時のためにあったようなものか。全ては生命総意を守るための戦い。地域であれ、地球であれ、宇宙であれ、場所など一切問わない。己が使命を全うし続けるのみだ。)
ミツキ(そうわぅ! そうわぅ! 迫り来る黒いケルベロスなんざ、モッフモフのモフモフで全部懐かせてやるわぅ!)
ナツミYU(喫茶店の事務所の名前が、ケルベロス警護団なのですけど。)
ミツキ(なぬっ?! わた達の姿勢が、正にケルベロスそのものわぅか?!)
ナツミA(黒いケルベロスねぇ・・・。)
確かに喫茶店でナツミYUと再会した時の言い回しは、ケルベロス警護団というものだった。今でもそれだが、何時の間にか語られる事はなくなってしまっている。
エリシェ(そう言えば、この宇宙戦艦群の名前が定まっていませんよね。)
ミスターT(間違っても、元ネタのは問題があるから止めとけよ。)
ラフィナ(えー・・・それをベースに考えるべきですけど。)
デュリシラ(悩ましい感じですよね。)
名称からの連想か、これら6隻の宇宙戦艦の名前がまだ付けられていない事に気が付いた。ただ漠然と宇宙戦艦の1号などと言っているだけである。
ミスターT(・・・彗星・流星・太陽・月光・大地・天地、とか。)
ミツキ(おー! それで良い感じわぅ?)
ナツミA(カタカタで大和や、銀河は問題がありますし・・・。)
ミスターT(・・・ライオン・タイガー・チーター・パンサー・ジャガー・ケルベロス、とか。)
ミツキ(おおぅ?! 5大宇宙種族をニャンコの極め種族に定め、地球艦をワンコにするわぅ?)
ナツミA(世も末よねぇ・・・。)
即興で思い付いた名前だが、周りの面々が苦笑する一念が感じられる。これを踏まえると、世界大戦時に日本が各軍艦に命名した名前は、物凄く意義深いものだった事が窺える。
ミスターT(烏滸がましいが、5大宇宙種族と地球人を6つの種族とし、それを6つの属性に捉えるならば・・・。)
最近はエリシェの影響で、手帳を持ち歩いている。それを取り出して、思い付いた内容を記載していった。
そもそも、5大宇宙種族を属性に例えるなら、何になるのだろうか。エレメントの標語は、火・水・土・風・光・闇になる。時間と空間もあるが、こちらは万物に備わる感じだ。まあ、6大エレメントも万物には備わるが。
火は間違いなくギガンテス一族だろう。炎の如き闘争心と、その絶大な戦闘力は、太陽などの恒星と比較しても依存はない。それに、気質的に怒り易いとも言っていたしな。
水はドラゴンハート一族だろうか。全てにおいて冷静沈着であり、5大宇宙種族の中での落ち着き度は計り知れない。また、ヘシュナが応用を示したが、癒しの力も持っている。
カルダオス一族は風だろうな。各属性に力を放つという部分では、風は適任とも言える。それに、ヘシュナ自身が風来坊的な気質を持っている。風という譬喩は的を得ているわ。
ガードラント一族は土だろうか。ナセリス自身が努力家で、基礎を徹底的に構築するという部分を踏まえると、それは土台にも言い換えられる。カラセアとの連携も磐石だしな。
となると、デュネセア一族は光か。そもそも、過大評価に聞こえなくはないが、5姉妹と母親はミツキに近い明るさを持っている。それに4大宇宙種族との連携も完璧だ。
地球一族はまあ、闇だろうな。彼ら5大宇宙種族を、裏でいいように操り続けてたしな。一番闇深さが強いし、可能性は限りなく高い。今後は、我欲を抑えてこその発展だろう。
ミスターT(ギガンテス艦はエウフェナス、ドラゴンハート艦はカルティルス、カルダオス艦はヴェニッグス、ガードラント艦はドゥルヴァナス、デュネセア艦はディルヴァールム、地球艦はディルヴォーヴル、か。何時ぞやの、4姉妹を命名した際の流れね。)
ミツキ(おおぅ! 前に見せて貰った、小説カキカキ時のネタわぅね♪)
ラフィナ(はぁ・・・その力があれば、小説家としての生き方もあったでしょうに。)
ミスターT(何を今更と言った感じだがの。)
6大宇宙戦艦の命名に、誰もが納得している感が伝わってくる。6大宇宙種族の気質などを踏まえれば、属性の割り当ては申し分ない。それに、この手のカタカナ表記は実に冴え渡る。
デュリシラ(では、この呼び名で通していきますね。今は呉に5大宇宙戦艦が出揃っていますが、後に東京湾の1艦も出揃った時に、皆様方にお伝えしていきます。)
デュヴィジェ(これ・・・私達の宇宙船群にも、使わせて頂いてよろしいでしょうか?)
ミスターT(お前さんが望むなら、お安いご用よ。むしろ、俺の拙い命名が役に立つなら万々歳。)
ヘシュナ(何をご冗談を。ここまで、私達の気質を把握されての割り当ては、見事としか言い様がありません。先の4姉妹の覚醒も、十分肯けますし。)
シルフィア(名前で覚醒ねぇ・・・。)
ミツキ(リネームカードを入手してやるわぅ!)
身内の中の地球人側だと、こうしたネタのやり取りは日常茶飯事的だ。特に日本はマンガやアニメの分野では、堂々たる世界一に君臨している。エリシェもラフィナもデュリシラも、それらの中で培ってきた知識だしな。ボケを言ってきたミツキと、呆れ雰囲気のナツミAもしかり。
ナツミA(そう言えば、例のシミュレーションRPG作成のソフトはどうです?)
ミスターT(暇があれば入力の繰り返しよ。これら設定群も、そこに見事に冴え渡っているし。)
ミツキ(SRPGを作るスタジオわぅ♪)
デュリシラ(ほむ・・・。)
ナツミツキ姉妹のネタの宝庫には感嘆している。先日も息抜きにと紹介してくれたのが、この“SRPGを作るスタジオ”という作品だ。SRPG自体を作成できるとあり、設定次第では各種オリジナル作品を具現化できる。ただ、相当なやり込みが必要になってくるが。
ミスターT(全部片付いたら、腰を据えてトライしたいものだわ。当然、他にもやる事は多いが。)
デュリシラ(お手伝いしますよ。プログラミングなら、それなりの腕がありますし。)
ラフィナ(私も参加したいのですが、総帥などの役目もありますからね。)
ミスターT(お前さんさ・・・もうヲタク街道を突き進んだ方が良いんじゃないか・・・。)
俺の小さな未来展望を語ると、周りの面々が参加したいと述べてくれた。その中で異彩を放つのがラフィナだろう。エリシェと共に、大企業連合の総帥を担っているのに、このヲタク気質である。本当なら、女性としての生き様を刻みたいのだろうがな・・・。
ヘシュナ(お望みであれば、カルダオス一族は秘技、模写による代理代行が可能ですよ。貴方様方がマスターを補佐されるとあれば、喜んでご助力致します。)
デュヴィジェ(小母様と同じく、それなりに近い模写の力はあるので、皆様方の代理代行は十分可能です。小母様がここまで言われているのです、娘の私も続かねば失礼極まりない。)
ミスターT(ならさ、俺の役割を変わってくれ・・・。)
ミツキ(そりゃあ~無理な相談でっせ~。)
ミスターT(はぁ・・・。)
ラフィナの自由な生き様に、力を貸したいと申し出るヘシュナとデュヴィジェ。2人とも相手の力を模写し、自らの力に変える能力を持っている。そんな2人に、俺自身を代わってくれと言ったら、ミツキに見事に茶化された。それに周りは爆笑している。
ナツミA(Tさんの生き様は、もう誰も真似ができないレベルに至っていますからね。近い事なら演じれますが、殺気と闘気の心当てなどは絶対に無理でしょうし。仮に具現化して放ったとしたら、私達の心が折れますよ。)
ミツキ(心折れた戦士わぅ?)
シルフィア(廃人クラスになるかもねぇ。T君のそれは、常人じゃとてもじゃないけど、耐えられるものじゃないレベルだし。)
ミスターT(はぁ・・・そうですか・・・。)
エラい誇らしそうに語ってくるシルフィア。と言うか、この生き様に至ったのは、彼女が多大な影響を与えてくれたのだが・・・。それだけ、師匠という存在が、どれだけ偉大で大切かを痛感させられる。
第4話・5へ続く。
今回も会話中心と@@; 詳細描写がないため、とにかく会話が多い事(-∞-) しかし、各キャラに語らせている部分が把握できれば幸いですm(_ _)m 詳細描写では語れない部分が、キャラの会話には存在しますので。ただこれを横行すると、キャラ名を除いた場合、誰が会話しているか分からなくなるのがネックですが><; 悩ましいです(-∞-)




