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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第3部・帰結の旅路
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第10話 遠い道筋1(キャラ名版)

 何時もありがとうございますm(_ _)m 3作品の更新のタイミングを、今日から今後1日ずつずらしてアップしていきます。「探索者→警護者→風来坊」の流れで、3日毎の更新にさせて下さい><; 今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m

 色々な事が脳裏を過ぎっては去っていく。今までの流れが走馬灯の様に巡って来る。しかしそれが死へ向かうものでもないのも確信できていたが、今はその流れから抜け出せなかった。言い換えるなら、金縛りを振り解く感じであろうか。


 ただ精神力の強さと気合い次第では、その金縛りを振り解く事ができる。一度力を抜き、一点集中で身体を動かそうとするのだ。過去に何度も金縛りに遭っては振り解いてきた事で、今現在の状態から抜け出そうと自然に動いてしまう。


 金縛り状態を振り解き、強引に身体を起こし上げる。目を開けると、そこは喫茶店の4階だった。前回と同じく、地元に運ばれてきたようだ。ただ身体がかなり痛く、長い間動いていない証拠だった様子。つまり再び長い間眠りに付いていた感じだ。




ミツキ「おー! 目が覚めたわぅか!」

ナツミA「お帰りなさい、ご無事で何よりです。」

ミスターT「・・・何時にも増して大人になった感じなんだが。」


 1階に降りると、厨房でナツミAが奮闘している。ミツキはウェイトレス役でテンヤワンヤ状態だ。近場のサーバーブースでは相変わらずデュリシラが作業に明け暮れていた。しかも彼女、以前よりも増して髪の毛が長くなっている。


デュリシラ「あー、これですか。それはまあ、約半年も切らなければこうなります。」

ミスターT「・・・あれから約半年も経過したのか。」


 サラッと言い出した内容に驚愕するしかない。前回は1ヶ月の冬眠だったが、今回は約半年も眠っていたようだ。だから身体が思うように動かないのだ。


 重い身体でカウンターに向かい、手前の椅子に座り込む。ナツミAが厨房からサッと差し出してくれるのは、紅茶ではなく焙じ茶である。空きっ腹に紅茶は良くないだろう。


ナツミA「本当は白湯の方が良いんですがね。焙じ茶も空きっ腹には特効ですし。」

ミスターT「先読みか、何とも。」

デュリシラ「先読み以前に、貴方の渾身の一撃たる念波を受ければこうなりますよ。私達の全員がこんな感じに覚醒しましたし。」


 言うか否か、俺を超能力で浮かせてくるデュリシラ。椅子から少し浮く程度だったが、多分それ以上の力は出せるだろう。各種ペンダント効果を最大限発揮できる程の精神力と生命力が据わった感じだわ。


デュリシラ「世上の様相ですが、実質全て解決した感じです。ただまだ各地での紛争などは続いている感じですが、こればかりは流石に手が回らない感じですし。」

ミスターT「まあ超大国や大国が正常に至るなら、後は少しずつ解決して行くしかない。ミツキ流の笑顔でいれば幸せになる、だわ。」

ミツキ「懐かしいですね。それをお話したのは約半年前ですよ。まあマスターはあの時から目覚めるまでに一瞬だったと思いますけど。」

ミスターT「そうだねぇ・・・。」


 一服しようとしたが、今は我慢しろと周りに戒められた。確かに病的ではないが、病み上がりなのは事実である。今は我慢するしかない。


ミスターT「ミュセナの手腕には恐れ入ったわ。あの愚者3人を残しておいたとはね。」

ナツミA「世上の安穏を得るためには、卑怯事以外なら何でも用いる。ミュセナさんや皆さんの当時からの生き様ですよ。まあ今は完全に記憶を消去されて服役中ですが。」

ミスターT「悪人の概念自体は思想や一念であり、人自体じゃないからな。そこだけは肝に銘じておかねばの。」


 この概念は前々から一同に語っていたものだ。特にエリシェとラフィナが一際肝に銘じていたものである。いや、俺から彼女達に口煩く伝えていた事かも知れない。


ミスターT「ところで、約半年となると・・・俺は31になった訳か。」

ミツキ「うむぬ。わたは22わぅよ。」

ナツミA「早いものよね。と言うか、Tさんは再南極事変で気絶してから目覚めるまで一瞬だった感じですけど。私達はその間に約半年ほど経過していますし。」

ミスターT「何ともまあ・・・。」


 本当に驚くしかない。前回も今回も長期間の昏睡状態に陥った。特に今回は約半年と長期間である。本来なら身体が思うように動かないだろうが、時間が経てば問題なく動き出すのには驚きである。


デュリシラ「眠っている間に何度も床擦れとか予防していましたよ。それに身体を起こし上げてのストレッチなども。」

ミスターT「色々とありがとな。」

ミツキ「デュリシラちゃんやシュームちゃん・ナツミYUちゃんが断固として譲らなかったわぅよ。カラセアちゃんとナセリスちゃんもしかり。」

ミスターT「何とも。まあ実際に子供達がいる主婦そのものだからの。いざという時の行動力は強いわな。」

ナツミA「本当にそう思います。」


 主婦の概念になると、流石のナツミAとミツキも敵わない感じである。今では5大マザーとなるシューム・ナツミYU・デュリシラ・カラセア・ナセリス。その実力は歳を重ねる毎に計り知れないものになっているようだ。


 そう言えば、ナツミYUの依頼を受けてから3年が経過した感じか。あれは俺が28歳の時だったしな。本当に早いとしか言い様がない。しかしそのうち半年間は昏睡状態だったため、実際には2年しか経過していない感じではあるが・・・。



ミツキ「世上の行く末はまだまだ不安定で、今後何が起きるかも分かりません。一応の愚者共は駆逐した感じですが、人である以上必ず出て来ますよ。」

ミスターT「永遠のイタチごっこだわな。」


 極悪中の極悪は駆逐したが、それでもまだまだ争いや紛争は根絶できていない。悲惨や不幸という概念が消え失せるのは、まだまだ先の話だろう。それか永遠に訪れないかも知れない。


ミスターT「しかし、俺は俺の生き様を通して支え抜く。周りと世上をな。」

ナツミA「ですね。それが警護者としての使命ですから。ここに至ったからには、最後まで貫き通したいものです。」

ミツキ「後は私達次第という事ですよ。」


 決意新たに胸中を述べると、不思議な出来事が起こった。それは同じ回帰に至ったナツミAとミツキと自分とで、胸中がリンクするような感じに至ったのだ。これは各種ペンダント効果が俺達の決意に呼応してくれたからだろうか。


ミツキ「おー、出たわぅ。名付けて、ソウルリンクわぅね!」

ミスターT「・・・これ、今に始まった事じゃないのか。」

ナツミA「ポチと私とでは結構な頻度で出ていますよ。四天王も然り。シルフィアさんやスミエさんもそうですね。」

ミツキ「魂の繋がりと題するそれも、言わば超常的なものじゃないと思いますよ。相手の胸中の一念に同期する、言わば同苦を共にするとも言いましょうか。」

ミスターT「同苦の理か。そこに回帰できるようになれば、世上から悲惨や不幸など消え失せるのだがね。」


 本当にそう思う。お互いにこの様な一念に回帰できるのなら、悲惨や不幸の概念に至る要因は絶対になくなる。ただ、些細な口論から大きな火種に至るのもまた事実。それが人間が持ち合わせた宿業とも言えるのだろうな。


ミスターT「無明の概念を可能な限り抑えつつ、笑顔で周りを鼓舞して行く。言うは簡単・行うは難し、だが。」

ミツキ「やってやれない事などありませんよ。それもまた私達が人である利点ですからね。」

ナツミA「フフッ、それにはポチ縁のワンコパワーが必要よね。」

ミツキ「おういえい! やったるわぅー!」


 ミツキの再奮起に呼応したのか、店内で静かに鎮座していたメカドッグ嬢達が動き出した。ただ動くと言っても尻尾を振る動作に過ぎないが。それでもミツキの胸中の力に呼応し、同期して動く自体凄まじいものである。


ミスターT「・・・類は友を呼ぶ、か。」

ミツキ「んにゃ、類はワンコを呼ぶわぅ!」

ナツミA「何とも。」


 どれだけ経過しても、この美丈夫達の気質は全く変わらない。この強さは何処から来るのか、本当に感嘆するしかないわ。まあその淵源は生命力であるのは百も承知。つまりこの力は自分自身にも内在している事になる。


 前にも述べた感じだが、結局は己自身が最大の壁となる。戦闘用語なら最大の敵だわな。人は看取って貰える事もあるが、生まれ出る時も死に往く時も1人のみだ。ここは全く変わらないのだ。


 だが俺の目が黒いうちは、その概念を徹底的に崩し続けてやる。誰1人として不幸になんかさせない。手の届く範囲内では、可能な限り手を差し伸べる。それが俺の生き様だ。今後もこの姿勢は絶対に崩さない。


    第10話・2へ続く。

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