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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第3部・帰結の旅路
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第9話 諸悪の根源と絶対悪5(通常版)

 2月13日の23時8分に起きた地震、該当する場所にお住いの方々は大丈夫でしたか?(当方は東京) 今後も予震が懸念されるので、十分注意して下さいm(_ _)m

「漸く訪れたな・・・。代表は誰だ・・・。」

「烏滸がましい限りだが、俺が総意のヘッドを担わせて頂いている。と言うか、そんな格好で寒くないのか?」

「余計なお世話だ・・・。」

「はぁ・・・せめてもう少し暖かい場所を選べば良いのに。」


 幾ら相手が極悪でも、地球という偉大な生命体の猛威に為す術がない。特に南極と北極はマイナスの力が根強い。北海道やロシアなど話にならない極寒の地であり、そこで薄着でいる連中に哀れみを抱いてしまう。まあ本来ならそれすらも無用なのだが、連中も生命体の1つとあれば手を差し伸べねばならない。


「そちらの代表はお2方ですか?」

「私が総裁だ。」


 語りつつ現れる男の姿は、まるでローマ法王氏を模しているかのような出で立ちだ。自分が神にでもなったつもりなのか。言い方としては法服男だろうが、見苦しいにも程がある。


「了解ですマスター、それを使います。では法服総裁、何を行いたいのか率直に全て述べて下さい。要らぬ引き延ばしは一切不要、明確に提示を。私達を追い込めるぐらいの決意の表明を。」

「ぐっ・・・。」

「おいおい、大見得切って現れた途端それか? ロシアが世界最強核兵器ツァーリ・ボンバを複数強奪、残存勢力を掻き集めて南極に集ったのは意味があるのだろうに。」

「代弁しましょうか? これら絶対悪を使われたくなければ、我々の要求を呑むのだと。4大宇宙種族のテクノロジーを共に共有し、新たな世界を切り開こうと。」


 カラセアのドストレート発言に連中は黙り込んでしまった。これは見事な流れである。それにこの流れは過去に偽者事変でもあった流れだ。ドストレート発言をすれば、明確な生き様を持たない連中には回答できる筈がない。


「先刻の激昂軍服男や各黒服軍服男達の方が明確に動いていましたけど。それを全て束ねていたのは貴殿でしょうに。返答できないというのは一体どういう事ですか。」


 かなり怒り気味のミュセナがツァーリ・ボンバ群に右手をかざした。驚く事にその行動で核爆弾群を一気に消滅させてしまったのだ。確かに彼女にもルビナの様な超能力ペンダントを持っていたと思われる。そこに自身の力を併せた形だろう。


「要らぬ駒は消し去りますよ。貴方達人間共には放射線を兵器には使わせません。それに真の恐怖はガンマ線、核弾頭など話にならない恐怖度です。」

「何なら披露しましょうか?」


 今度はミュティナが両手を広げ、目の前に1つの物質を創生させた。これは転送装置の一種によるものだろう。そして出現させたものが何なのか、今の話から伺えば十分理解できる。


「数週間ほど宇宙にいましてね。その際に貴方達に特効的なものを創生しました。本来は絶対に作るべきではないのですが、そちらが使い続けるなら具現化させるしかなかったので。」

「今のツァーリ・ボンバが地球上最大の核兵器と言われていますが、あの大きさでその程度の火力でしたね。この物体は地球用語で言えば核兵器ですが、放射線を発するものではありません。超新星爆発を人為的に起こせる威力を持つ、ガンマ線バースト発生装置になりますね。つまり現段階での宇宙最強の核兵器と言いましょうか。」


 ミュティナとミュセナの発言に見る見る顔を青褪めていく連中。ツァーリ・ボンバなど話にならない核兵器が目の前にあるのだ。ミュティナが数週間ほど宇宙にいたのは、これを創生するためだったようだ。


「お望みとあらば、この場で爆発させてもよろしいですけど?」

「まあ爆発させようとしても、私達がいる限り爆発しませんけどね。超広大な大宇宙の旅路をして来た手前、核物質群の怖ろしさは身に染みる思いでしたから。赤外線・紫外線・放射線、そしてガンマ線。例外を除き、万物全てに破滅をもたらす最悪の要因。それらを無力化させねば、私達はこうして生きていられません。」


 手に持つガンマ線バースト発生装置を地面に落とすミュティナ。彼女の特質的な重力制御の理から軽量に見えていた。しかし落ちた瞬間、物凄い音と共に地面に亀裂が入るほどの超重量な物質だった。その瞬間、相手側は恐怖に震えだす。どうやら爆発したと思ったようである。



「何故対話という路線に進まなかったのですか。どんな人物でも胸襟を開いて語り合えば解り合えると思いますが。こちらの盟友方はそれを地道ながらに貫いてきましたよ。だから今の私達があり、強いては貴方達も存在できたのです。」


 ミュティナが会話をする前から、俺が持つペンダント効果をフル活用した。それを俺の身体を媒体として、地球全体に伝わる念話にしたのだ。その瞬間に周りは驚いた様子だが、俺の成したい事に同調してくれたようである。


「それが自分達の望む野望や欲望を得られないと思えば、各軍団や兵装を展開して武力行使に走り出した。極め付けがこの核兵器の持ち出しと。今だに地球上には数万発の核兵器があるというではありませんか。」

「実に馬鹿げています。そんな絶対悪を持たずとも、解り合える知恵があるではないですか。それが地球種族というものだと私達は認知していますよ。」

「もう少し賢く進んで下さい。私達が恩師は生き様推奨派でして、貴方達の生き様自体は認めています。ただし、それが誤ったものなら断固として反論すると。間違った方への道を止め、周りを支えられる生き様を貫いて下さい。」

「少なくとも私達は今後も対話路線を貫き続けますよ。貴方達が武力行使をするのなら、それらも全て完全駆逐して対話の道に引き摺り出します。私達も同じ生命体、平和安穏的に物事を進められますし。やってやれない事などないでしょう?」


 4大宇宙種族の代表が渾身の一念を語った。言わばそれは魂の叫びであろう。それは俺を媒体として念話とし、地球全体に伝わるようにし続けた。相当な力を消費するのには驚いたが、今はこれを貫くしかない。


 この応用と言っては失礼だろうが、このネタ元は2つのマンガが題材となっている。1つは“風を操る乙女の冒険”、もう1つは“双子の兄弟喧嘩”である。前者は主人公嬢の会話を念話の達人の少年氏が念話で一同に放ったもの。後者は主人公氏の一念がプラントから出た羽根を通して一同に伝わったものだ。


 実際に具現化させるのは無理な話だが、念話を駆使すれば可能だとも思っていた。それを地球規模にまで拡げるには、先刻の殺気と闘気の心当ての応用しかない。この後の俺自身がどうなるかは分からないが、今は盟友達の一念を総意に伝えるべきである。


「どうされますか、対話路線に進まれますか? それとも、この足元にある絶対悪を使って修羅の道に進みますか? 当然貴方達がしてきた事の報いは受けて頂きますが、全否定とは参りません。貴方達がその道に進まなければならなかった事を、私達も改めて考える必要があります。この問題はもはや地球人自体・・・いえ、宇宙種族をも含めた生命の次元での課題です。」

「生命は無限大でも、私達個々人は有限です。今を生きられる幸せに感謝し、本当に何を成すべきかを考える事が重要だと思います。この考えは間違っていますか?」

「白黒ハッキリ着けたいのなら、この場で徹底的に暴れましょう。ただし、その場合は武器群を除いた肉弾戦闘ですが。」

「おおぅ、雌雄を決するわぅ? ここはワンコとニャンコがレフェリーを務めるわぅ!」


 ・・・このタイミングで出るのかと思う一念が出た。他の面々が神妙な面持ちで真面目会話をしている所に、ミツキの見事なボケが炸裂したのだ。それに俺達は笑ってしまった。仕舞いには重い面持ちだった連中も笑っている。更には念話が伝わる世界中の方々が笑う姿が脳裏に浮かんできた。


「そう、それですよ。笑顔でいれば幸せになるのです。幸せだから笑顔になるのではないと思います。まあそれもあると思いますが、後者だと物質や環境に左右される事が多いかと。つまり本当の心からの笑顔ではありません。対して前者はどの様な環境であっても、笑顔であれば幸せに至っていくのだと確信しています。その幸せを分かち合っていけば、少しずつでも良くなって行きますよ。」

「本当よね。ポチが生き様の集大成はここにあり、と。全ての人へ手を差し伸べ、共に歩み続けて行く。それが私達の明確な生き様です。そしてそれは全ての人に内在する力でもあると。貴方達やこの声を聞かれる全ての方々がそうです。それが生命の理ですし。」

「言うは簡単・行うは難しだけどね。それでも諦めなければ0%には絶対にならない。それを実現する力の淵源が、正に笑顔だと思うけど。」

「皆様方にも大切な方々が必ずいらっしゃいます。その方々の幸せを得るためにも、間違った方向に進んではなりません。そこまでの行動力があるのですから、良い方に進めば多大な力が発揮されますよ。それだけ私達に内在する生命の力は絶大的なのですから。」


 4大宇宙種族に負けじと、ナツミツキ姉妹にシルフィアとスミエも熱弁を振るう。まあ何時もながらの会話の内容なのだが、今の連中には痛烈に響くものがあるだろう。連中も腐っても人の子なのだ。そこは絶対に変えられない。


 と言うか、何時の間にか傍らにいたシルフィアとスミエ。自然と現れたのは、行動するその瞬間が今だったからだろう。見事な直感と洞察力である。




 会話後はシンと静まり返るが、手に持つ武器を地面に置き出す面々。中には身内の魂の叫びに涙しているものもいた。連中が致死力がある武器を交渉の材料にしてきたのに対して、俺達は対話力という武器で交渉した。まあ最低限の武装は持ち合わせたが、どれも最終手段としてでしか使わない。それが警護者である。


「・・・そこまでして相手の事を思い遣られるとは・・・。」

「ん? 何時も通りの流れなんだけどね。お互いに切磋琢磨を繰り返し、何度も対話を繰り返し続けてきた。お前さん達の進んで来た道自体は悪道だったが、そこまでの揺ぎ無い生き様には敬意を表している。ただ、それでも最終的には世上の安穏そのものだ。それを破壊し揺さ振ろうとして来た代償は重い。」


 一服しながら色々な事を脳裏に浮かべる。それは意思の疎通ペンダントを通して、一同全てに伝わる感じになった。


「俺は身内の意志を汲み続ける。結局最後は己自身にしか帰結しない。だからこそ、自分で決めた事を最後まで貫き通し続ける。その過程で色々と善悪判断の部分があるが、周りに戒めてくれる存在がいるなら申し分ない。お前さん達も俺達と同じ生命体故に、やってやれない事などないと確信している。」

「・・・武装解除する。ここまでこちらを思ってくれている事を無碍にはできない。我々も最初はその流れだったが、戒めてくれる存在の欠落で今に至ったようだ・・・。」

「そこまで定めているなら、行った罪の償いをすれば直ぐに立ち直れるさ。それが俺達人間全体に備わる無限大の力なのだから。」

「ワンコでサンバ・ニャンコでルンバ・ワンニャンでジルバを展開するわぅぜぇ!」

「・・・まあそんな感じだわ。」


 再びボケの一撃が炸裂する。神妙な面持ちの面々に対しての、痛烈な癒しの一撃であろう。それに不甲斐無いばかりに笑ってしまうのは、ミツキの手の内で踊っているに過ぎないとも。まあそれが笑顔でいれば幸せになれるという概念に帰結している。彼女の手腕には何度も脱帽させられるわ。



 完全に戦意喪失した連中だが、そこに突然現れるは複数の面々。何と激昂軍服男に根源黒服男と根源軍服男である。ミュセナが全員捕縛し、記憶操作で更生したと思っていたが・・・。これはもしかして・・・。


「何くだらねぇ事してやがる! 人の宿命は争いに他ならない。テメェ等もそれを承知で各武装と核兵器を持ち出したんだろうが!」

「所詮人類など駒に過ぎん。宇宙種族すらそうだ。我々が楽に過ごせればそれでいい。」

「人の不幸の上に我々の幸福がある。それが人間の定めだ。それを何故分からんか。」


 愚者3人の発言に、流石の法服総裁や他の軍服黒服の面々は呆れ顔になっている。そして徐々に怒りの表情になっているのが目に見えて分かった。悪道に走ってはいたが、根底は俺達と何ら変わらなかったという事だ。


「・・・貴殿方が抗戦していたのは、この手の愚者だった訳か。私達の目は盲目も甚だしかったという事だな。」

「知った事か! テメェ等がしてきた事も全て悪道なんだよ。それを今更被害者面して見苦しいわ!」

「・・・なるほどねぇ。」


 身内の怒りが痛烈に伝わってくるが、同時にミュセナ達宇宙種族の真意が直感できた。これは態と連中の記憶を消さず、今まで抑留し続けていたのだ。極悪を知るには極悪を残す、何という大胆な戦略だろう。法服総裁や他の面々も、本当に対峙すべき存在とその思想・概念を痛感したようだ。


「被害者面だろうが構わない。我々の最初の目的は安穏だった。それが貴様等の様な愚物に呼応され、悪道に走ったのは間違いない。取り返しの付かない事に至ってからでは、全て遅いという事も知った。貴様等の存在で漸く進むべき道が見えたのが皮肉な話だ。」

「悪道を進んできた貴様の下らない説法など聞きたくないわ。」

「既に手が汚れている貴様等が何を語ろうが、何も変わらないのだよ。」

「ふむ・・・そうか。」


 もうそろそろ良いだろう。周りの怒りも地球全体の怒りも怒髪天を向かえそうだ。ここは先刻のフールキラーを演じるしかない。


 意識を集中し、全ペンダントの効果を解放。そして両手に力を集め、殺気と闘気の心当てを繰り出す。黒いモヤが出現しだし、それを布のように愚者3人に振るった。吸い付くように巻き付いていく。当然その効果に顔を青褪めだす3人だった。


「彼らが説法できないのなら、烏滸がましいが俺が総意の代弁をしよう。カス共に明確なNOを突き付ける。あの偽者2人はオリジナルがしっかりしていたため、貴様等の様な極悪には至らなかった。しかし、貴様等はどうしようもないカス共だ。」


 上辺での悪態を貫こうが、内面が据わっていない連中は脆弱だ。殺気と闘気の心当ての様相に為す術がない。反論しようにもできないのが実状だ。一念が据わっている人物がどれだけ強いかを、これで総意が知ってくれれば良いが・・・。


「ただし、殺しはしない。警護者の理から殺しはご法度なのでな。が・・・死ぬ程の恐怖を与える事はできる。意識を失った後も、生命の次元で己が成してきた極悪への罪を再確認するんだな。レスト・イン・ピース、永遠に。」


 愚者3人に巻き付いている力を爆発させた。今回は事前に地球全体それ以上まで拡散させる必要がある。自分が保て得る最大の力を各ペンダントへ込めた。


 自分でも驚くぐらいの殺気と闘気だ。各ペンダントが俺の生命に呼応してくれて、最大限共闘してくれている。彼らの力を経て、全ての力を爆発拡大させた。俺の全身全霊である。この後に俺自身がどうなるかは、今は一切考えない。今必要な行動をするまでだ。




 静寂が辺りを包む。南極の気候は穏やかで、厳寒の様相はあれど太陽光が暖かい。それだけシンと静まり返っている。


 愚者3人は白目を向いて気絶している。逆に法服総裁やその仲間達は気絶していなかった。当然身内も然り。念話を通して世界中の人々の一念も肌で感じるぐらいである。前回の波動が免疫力となったのか、今回の波動では怯むも気絶はしなかったようだ。


「・・・結果は歴然か。お前さん達は極悪じゃなかったの。」


 急に目の前が暗くなりだしてくる。それに気付いた近場のミツキとナツミAが支えてくれてきた。それでも意識が失われていくのを感じる。


「・・・すまない、後を頼むわ・・・。」

「委細承知を。」

「本当に色々とすみません。」


 以前よりも増して言葉にキレがある姉妹。しかし今は意識が失われていく事で、詳しく伺う事はできなかった。


 後を全て一同に任せて、俺はその場で気を失った。今回は長くなりそうな気がするわ。


    第10話へ続く。

 極悪を、封殺せしめる、絶対悪(核兵器ではなくラスボスの意)。


 ちなみに、敵側の名前は考えていませんでした@@; 固定の名前にしてしまうと、それが印象深くなって厄介になりそうだったので。何卒、ご了承下さいm(_ _)m

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