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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第3部・帰結の旅路
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第9話 諸悪の根源と絶対悪2(キャラ名版)

ミュティナ「それと気になった事があるのですが。」

ミスターT「ん? どした?」


 カウンターで物思いに耽っていると、傍らに座り語り出すミュティナ。やはりシュームと大差ない背丈にまで成長しているのが頼もしく見えてくる。


ミュティナ「睡眠力を封殺して無尽蔵の行動力を得るペンダント。これ以外にも全てのペンダントに副作用がある感じなのが分かりまして。」

ミスターT「はぁ? 何を今更と言った感じなんだが。」


 本当である。性転換ペンダント効果で女性化をした俺は、野郎よりも女性の力の方が芽生えて来だした。それはオカマとかの類ではなく、男性にもある女性心とも言うべきか。それが明確に現れたとも言い切っていい。実際に周りからは俺が女性に見えるとも言われているしな。


ミュティナ「ただそれは普通に用いれば問題はありません。大問題なのはお兄様の精神力の強さで。各効果を使えば使うほど、精神力が如実に強化されていくのを目の当たりにしました。極め付けは偽者2人を瞬殺した、殺気と闘気の心当てによる暴走です。」

ミツキ「あー、アレは暴走だったのですか。てっきりTさんが本気を出したかと思ったのですが。」

ミュティナ「いえ、アレはお兄様の本気ではありません。恐らく各ペンダント同士がお互いに呼応してしてしまい、相乗効果で拡散したものだと思います。」

シューム「あの殺気と闘気はゾクゾクしたわねぇ~。」

ミュティナ「ま・・まあそれも確かにですが。」


 シュームの言葉に周りの女性陣がウンウン頷いている。本来なら恐怖心に駆られるのだが、今の彼女達はそれすらも己の糧として力にしだしている。だから今まで以上の女性力と戦闘力を発揮できるのだから。


ミュティナ「結論から述べさせて頂くと、あまり多用しない方が良いと思います。アレがお兄様の本気じゃないとなれば、ホンの少しの力の増加だけで凄まじい力に発展しかねません。まあ周りにはプラスとマイナスの副作用が現れますが。」

ミュセナ「悪党共には致死に至る様な恐怖心による気絶、良識者には自身の長所を開花させる力と。ただ今の所、これで覚醒したのは私達だけのようですね。」

ナセリス「いきなり波動を浴びても、即座に覚醒するとは限らないですし。」

ミスターT「あれでも極限状態にまで爆発させた感じだったんだが・・・。」


 実に怖ろしいものだわ。俺の殺気と闘気の心当ては、各種ペンダントにより相乗効果で拡散したというのが結論らしい。薄々は気付いていたが、どうやらミュティナやミュセナが色々と検証をしたようである。極限状態で放ったと思っていたのは、どうやら各種ペンダント効果によるもののようだ。つまりアレ以上の力が出せるという事だわ・・・。


ヘシュナ「でも恐らく、フルパワーに関しては一定の要素が絡まない限り出せないと思います。」

ミスターT「・・・大切な者への悪態、か。」

ヘシュナ「ええ、それです。私と対峙して下さった時の貴方は、間違いなく心の底からの怒りが出ていたと思います。あの状態で殺気と闘気の心当てに各種ペンダント効果があったなら、私は間違いなく完全に黙ったと思いますよ。」

ミスターT「タラレバ論理だろうに。アレはお前さんがそこまでして悪役を演じねばならなかった。当時の俺は気付かなかったが、気付かせない位に本気だったからだと言い切れる。」

ヘシュナ「まあそうですけど・・・。」


 傍らに座り熱弁するヘシュナ。今もあの時の事を気にしている様子だ。その彼女の手を掴み、両手で優しく包み込んだ。何時の間にか母親らしい手になっている。これは言わば生命力で包み込むかのような感じであろう。


ミスターT「悪役を担わせたら、恐らくお前さんに敵う存在は絶対にいない。相手はおろか、味方をも騙すぐらいの役の入れ様だ。ミツキやナツミAとは異なる力の出し加減の触りとも言える。姉妹が物理なら、お前さんは魔法とも言えるわな。」

ミツキ「わたのワンコ力は劇的にパワーアップしたわぅ!」

ナツミA「元からじゃないのよ。」


 真面目に語っている所に見事なボケとツッコミを入れる姉妹。それに周りは爆笑しだした。相変わらず要所要所での適切なフォローは見事なものだわ。


シューム「力の出し加減の触り、ねぇ・・・。ミツキちゃんやナツミAちゃんのが目に見える力を操るものなら、ヘシュナちゃんのは場の流れを操るものと言えるわね。」

ルビナ「物凄い力の1つですよ。」

ミスターT「女性は本当に偉大だわ。」


 誰もが絶賛する力の出し加減の触り。それが発展型になるのには驚くしかない。


 先も挙げたが、姉妹のは物理的な力を操る感じで繰り出す流れになる。力の作用点の限界を見極められるため、僅かな力だけで簡単に返す事が出来るのだ。特にナツミAのは究極とも言えるほどに研ぎ澄まされている。ミツキでさえ凄まじいのに、それすら及ばないのだ。


 何度も言うが、姉妹に腕相撲で勝つのは絶対に無理な話である。特にナツミAには絶対に敵わない。こちらの力自体を簡単に支配し、僅かな力だけで操るのだから。本当に見事としか言い様がない。


 対してヘシュナの力の出し加減の触りも見事である。長年悪役を貫いてきたからこそ、自然と得た力とも言える。それは姉妹の様な物理的に力を支配し利用するのではなく、場の流れ自体を支配し利用するのだ。黒服連中や軍服連中はヘシュナを利用しようとしていたが、逆に連中を操っていたとも言い切れる。


 以前ミツキがそれに関して端的に述べていた。自分達姉妹は局地戦的な流れでの返しだが、ヘシュナは大局的な流れでの返しであると。先読みという概念ではなく、その場の流れを自分の望む方に修正していく力と言える。エリシェやラフィナとトリオを組めば無双そのものだ。


 力の出し加減の触り。それはナツミツキ姉妹の力の作用点の限界を見極めるものもあれば、ヘシュナの場の作用点の限界を見極めるものもあるのだ。



ミツキ「と言うか、Tちゃんは女性の心を掴む力の作用点の限界を知ってるわぅね!」

ナツミA「あー、その手の握りよね。」

ミスターT「あら・・・申し訳ない。掴んでから別の方に意識が行ってたわ。」

ヘシュナ「フフッ、お気になさらずに。」


 ヘシュナの手を両手で包み込んでから今に至る。顔を赤くしている彼女だが、そこに純粋無垢の一念を感じてくれたのだろう。これは全ての女性陣にも当てはめられる。


シューム「ここまで無意識になると、もうヤキモチすら焼けなくなるわね。」

ナツミYU「本当ですよ。しかも同期心と言いますか、それが私達にも伝わってきます。以前先輩が仰られた通り、そこに私がいるような錯覚に陥りますし。」

デュリシラ「はぁ・・・その胸中が羨ましいですよ。私はどうしても嫉妬心が顕になりますから。」

ミツキ「それだけ独占欲が強い現れわぅね、ウッシッシッ♪」


 今では俺の言動にヤキモチを焼く面々は少なくなった感じである。そこに私利私欲が絡んでいるのではなく、純粋無垢の一念があるからだろうな。俺自身も無意識にそこに至るため、気付いたら至っていたという事もザラだ。逆に嫉妬心を顕にしてくれていた方が楽な場合もあるにはあるが・・・。


シューム「何よ、嫉妬心を出させて欲しいならそうするけど?」

ミスターT「勘弁してくれ・・・。」

ナツミYU「フフッ、女性を甘く見てはいけませんね。」

ミツキ「Tちゃんなんか一捻りわぅ♪」


 う~む、最後の最後でやらかした感じだわ。でもそこに深い愛情を感じるのも確かである。本当に感謝に堪えないわ。彼女達あっての俺自身、本当にそう思わざろう得ない。


 しかし、世界最強の核兵器ツァーリ・ボンバの紛失か。その1発で現段階の最大の核兵器の100発以上の威力を誇る。それが複数紛失したというのには呆れるしかない。それだけ相手が追い込まれている証拠である。


 惑星事変ではそれら全核兵器を使用したとしても、惑星自体の軌道をずらす事すらできないものだった。逆に惑星を傷付け破壊し、破片が地球に降り注いだに違いない。放った分だけの核兵器の放射性物質と共に。


 まああの一件はネデュラ達が惑星自体を乗り物とし、転送装置で地球の反対側に移動させた事でアッサリ解決した。彼らがいなかったら同日に地球は終焉を迎えていただろう。それらの流れを逆利用し、地球人の権力者を戒める行動も展開した。まあ無駄骨に終わったが。


 その後は言うまでもない、偽者2人も含めた愚者共を徹底的に駆逐して回った。それでも諸悪の根源は見つからなかった。極め付けがブロークンアローズである。その1発で地球を簡単に破滅へと追いやるほどの超火力だ。再び4大宇宙種族群にはご足労して頂くしかない。


    第9話・3へ続く。

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