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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第3部・帰結の旅路
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第2話 戦艦と戦闘艦5(通常版)

 とりあえず、ガンシップ連合艦隊の様相は確認できた。これらを日本全土に配置する事になるという。レプリカアレンジ大和を3隻ずつ、レプリカアレンジ伊400を7隻ずつと。これを1グループとして20グループを構成。つまり各艦船の合計は2000隻になるか。それでも日本全土をカバーするには足りないぐらいだと言っていた。


 超レプリカ大和と超レプリカ伊400なら、各10隻以上の戦闘力を持つため200隻で済むだろう。しかし規模がデカ過ぎて港に寄港できないのが最大の欠点でもある。ここは数で勝負をするしかない。


 それに全て片付いたらレプリカオリジナル以外は全て解体する流れとの事だ。要らぬ軍備は持たないに限る。今は必要だから用いているだけだ。ここも忘れてはならない。



 これ、第2次大戦時の完全オリジナルの戦艦大和と伊400。その存在にどれだけの期待が掛けられていたのかが痛感できる。しかも大和の方はたった1隻、伊400は実際には3隻しか稼動していなかったという。


 特に大和は時代の流れが航空戦力に変わっていく最中に誕生。最早戦艦の時代は終わっていた時に生まれたのだ。時代錯誤とも言えるが、それだけ期待が掛けられていたのも事実になる。逆に伊400は数が揃えば相当な戦闘力になっていただろうな。



 ちなみに燃料や弾薬の部分もあるが、燃料は3大宇宙種族のテクノロジーにより超最小限で済んでいるとの事。弾薬も実弾とレールガンを踏まえたものになり、こちらも超最小構成で済ませているという。ただ敵側に拿捕された場合が怖いが、そこは大丈夫との事だ。


 まあこれらが善悪判断レーダーたる概念により使い手を選ぶ。拿捕して運用しようにも、実際には使えないのは目に見えているだろうな。この部分は3大宇宙種族の凄みであろう。



 ガンシップ艦隊を拝見した後、再び東京へと戻った。現地はガンシップ艦隊の帰港地という事になる。また長崎や他の造船所にも準備が出来次第、随時グループを組ませて向かわせるという。


 東京はレプリカオリジナル大和とレプリカオリジナル伊400のみになるが、遠方は小笠原諸島近海にあの宇宙戦艦を配置してある。超射程の各武装が東京はおろか日本全土全てに届くため、守備の方は問題ないとの事だ。


 超レプリカ大和は沖縄は那覇に、超レプリカ伊400は北海道は函館に待機中との事だ。既に1グループを各方面に配置してあり、一応守備は万全だろう。レプリカヴァルキュリアは遊撃担当となり、日本中を駆け回るという。同艦は鈍足の飛行速度だが、超レプリカ大和と超レプリカ伊400に搭載されている超射程武装が日本全土をカバーできるとの事。


 何だか数撃ちゃ当たるの概念になっている感じだが、無人兵器群の数を考えるとこれでも足りない。ヤッカミや横槍を考慮し、最低限の編成で済ませたという。


 まあ極め付けは衛星軌道上の宇宙船群だろう。ピンポイントでのスーパーレールガンの射撃で十分守れるという。下手したら大変な事になりかねないが・・・。




 恐れていた事が現実に至った。まあ半分は起こるだろうと推測していたものだが。ティエラとエシェムLの父親が行動に出だした。威力は微々たるものだが、3大宇宙種族の技術力を具現化させたのだ。そしてそれを実戦投入すると決めたのである。


 更には資金提供という提示と引き換えに、技術力の提携を世界各国と行いだしたのだ。完全に目に見える愚行である。特にガードラント王は己が宇宙種族だという事を忘れたようだ。他惑星に軍事力を持ち込まないという暗黙の了解を破った形になる。


「・・・目に見える愚行だな。」


 大々的に各国の軍部と提携を結ぶガードラント王と防衛庁長官。しかもそれをマスコミに公表し、世界各国にも流している。この後に出る流れは大体把握ができた。


「・・・提携を拒んでいる大企業連合・躯屡聖堕フリーランス・3大宇宙種族への、言論による攻撃が目に浮かぶ。その最もたる最初の矛先は警護者群だろうな。」

「かつて私も悪役を行い、愚かな事をしてきました。しかし・・・この様相は一線を超えた愚行としか言えません。実にバカげてます。」


 ヘシュアと姉妹喧嘩を演じた時の様な激昂度のヘシュナ。ただ今はその怒りは当時のと全く比べ様がない。完全悪への絶対的な怒りそのものである。


「・・・エリシェ、臨時だが大企業連合の総帥になれるか?」

「まあなれなくはないですが・・・。恐らく・・・行いたい事は分かります。」

「いっその事さ、エリシェちゃんとラフィナちゃんを拉致って独裁政権風の流れに仕立て上げるのも良いかもね。2人が了承を出したとしたら、余計要らぬヤッカミや横槍が出るのは間違いないし。」

「あくまでマスターを汚れ役として位置付ける、ですか。あまり使いたくない手法ですが、皮肉にもそれが現状打開になり得ますね。」


 どの面々も今の様相に相当頭に来ている様子だ。まあガンシップ艦隊の編成という軍備拡張が後押しした形になるだろうが、そもそも根底の一念が間違っている。


「エリシェとラフィナを拉致したミスターTが、仲間のドクターTに裏切られて監禁。そして全権を掌握し愚行に走る、良い筋書きじゃないか。」

「はぁ・・・マスターは小説家になれそうですね。」


 半年間の不在中、俺の事を恐怖の暴君に仕立て上げたデュリシラ。その彼女が俺が提示した仮説の戦略に呆れ返っている。それだけ敵側には強烈な特効となるだろう。


「全部を恐怖の暴君に集中させる流れと。まあ私達総意は貴方の意図を理解しているので問題ありません。ですが外部からは相当なヤッカミと横槍が来ると思いますよ。」

「それこそ望む所だ。連中が愚行に走るなら、今は同じ愚行で連中にぶつける。幸いにも恐怖の暴君・ドクターTという汚れ役がいるしな。力は使ってこそ真価を発揮する、正にこれだわ。」

「一歩間違えばダークサイドに落ちかねませんね。」

「ドクターT自体がダークサイドの象徴だろうに。それに先のヘシュナが担ってくれた悪役のそれとも通じる。上手くすれば連中側からコンタクトがあり、俺と提携をしろと言ってくるだろう。連中の内部に入りさえすれば、後は親玉を叩くだけだ。」


 これはかなりキワドい作戦になるだろう。ヘシュナが時間を掛けて敵の中に馴染んでいった手法を、今度は俺がドクターTに扮して潜入する感じになる。しかも今度は地球上で最も強大な力を持つ、大企業連合と躯屡聖堕フリーランスを掌握した存在での接近だ。敵側はその財源や戦闘力をノドから手が出るほど欲しいに決まっている。


「実行されるなら、私も共闘致します。あの時、貴方は陰ながら私を支えて下さった。今度は私が支える時です。」

「悪役の第一人者だからねぇ~。」


 ヘシュナの決意に太鼓判を押すシューム。ホログラムの姿からも彼女の内情を知ったのだ。今のヘシュナ自身の並々ならぬ決意を察知するのは容易だわな。


「分かった、君のそれを汲みましょう。ヘシュナちゃんは例の黒ローブに別途仮面を装着しての役割にしなさいな。相手に素顔を探られると、余計な掴み所を握られる怖れがあるからね。」

「お任せ下さい。お母様が仰られる様に、最大限の力で担い切ります。」

「フフッ、リュリア以上の娘よね。悪い気はしないわ。」


 ヘシュナが地元に来てから、一際親身になって相談に乗ったのがシュームである。その流れが影響してか、今では彼女を母親そのものと言い切っていた。まあ実年齢はシュームよりも遥かに高齢なのだが、一念の部分では本当に母娘の様な間柄である。


「Tちゃんは再び仮面を被って恐怖の暴君を演じて。それに携帯イルカルラだっけ、それで常に相手を威圧する事を忘れないように。マデュースシールドだとミスターTと思われるけど、逆に彼から奪って使っていると言うのも1つの手よ。」

「お・・仰る通りに致します。」


 類い希なる実力を発揮しだしたシュームに、周りの面々は驚愕している。何時もは喫茶店の女マスターの様な出で立ちで、ノホホンと過ごしていると見せていた。しかし実際にはいざという時の行動力が半端じゃない。この言動を見れば一目瞭然である。


「で、エリシェちゃんとラフィナちゃんをどうやって拉致るかよね。更にその演出も大々的に見せた方が良さそうだし。」

「あ、それならガードラント王と防衛庁長官にアクセスする形を演出はどうでしょう? このプランは遠方のミツキ様とナツミA様より、サンプルのシナリオを頂いています。マスターが再び悪役を担われる事を予測していたみたいですよ。」

「何から何まで逸脱した姉妹だわ・・・。」


 俺の言葉に周りはウンウン頷いている。いや、頷くしかない。この展開を既に予測していたというのは、先見性ある目がなければ不可能である。むしろ彼女達が悪役になった時、どの様な行動を取るのかをシミュレーションしたのだろうな。


「まあそこはデュリシラが追加でプランを練ってくれ。半年間で俺を見事なまでの悪役にしてくれたんだ、やってやれない事などないわ。」

「フフッ、お任せを。相手をアッと言わせてやりますよ。」


 シナリオ作成なら任せろといった雰囲気のデュリシラ。俺の言葉にニヤリと頬笑み、サーバーブースに向かって行った。この美丈夫だからデュシアEとデュシアLが誕生したのだろうな。


「・・・そうだな、ここはミュティナも拉致るか。エリシェとラフィナとトリオなら、不測の事態の戦闘は問題ない。」

「ほほ、大役が来ましたね。お任せ下さいませ。」

「貴方は潜伏役とか担えるからねぇ。ここは思う存分暴れなさいな。」

「お任せあれー!」


 最近はギガンテス一族の女王ミュセナが最前線で指揮を取っている手前、ミュティナは他方面で遊撃を担当している。ミュティラとミュティヌは相変わらず四天王と一緒に獲物製造だ。そのミュセナからお墨付きを貰うと、まるでミツキの様な言動で返すミュティナだ。それに不甲斐無く笑ってしまうのは、彼女にミツキの気質が流れている証拠だろう。


(恩師、このプランで大丈夫ですかね?)

(全て一同に任せるわ。私はマスタースミエと一緒に言わば暗躍し続けるから。)

(素直じゃないですねぇ。今もTちゃんの作戦に心配で仕方がない感じなのに。)

(か・・勘弁して下さい・・・。)


 念話で遠方のシルフィアに訊ねてみた。それに問題ないと切り出すも、スミエから心配していると告げられる。直ぐさま反論するシルフィアだが、見た事がない恩師のその言動は実に新鮮である。


(委細承知。恩師やばあさま、そして一同総意の顔に泥を塗る真似を絶対にしません。万事全てお任せを。)

(大丈夫ですよ。事は全て見守ってくれています。良い行いをすれば良い方に傾きますから。当然、悪い方に傾けば倍以上の竹箆返しが帰ってきますけど。)

(大丈夫、問題ありません。)


 最後の最後で念を押された。スミエが言うそれは、因果応報の理そのものだ。ただしそれが働くのは悪い方に進む事によるが、良い方に進めば良い結果が得られる。これもまた絶対不動の自然の摂理である。


 現状打開と相手に痛烈な一撃を放つため、再びミスターTからドクターTへと変身した。とは言うものの、性転換ペンダントを使ったものではない。むしろこちらの方が自分自身と言えるかも知れない。悪の権化とも言われる恐怖の暴君なら、この汚れ役を担い切れるわ。


 むしろ恐怖の暴君が俺だという事は、大企業連合・躯屡聖堕フリーランス・警護者世界は承知済みである。3大宇宙種族すら承知済みとなっている。知らないのは悪に属する面々になる。逆を言えば俺を知らない面々はモグリという事になるか。まあ過大評価になるが。


 それでも現状打開にはこれが最有力だろう。そこまでして連中は力を欲している。そこに逆に付け込もうというのは、実に理に適った戦略になるわな。ここは何処まで掻き回せるか、試してみようかね。


    第3話へ続く。

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