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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第2部・激闘と死闘
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第8話 飛行戦艦対無人兵器4(キャラ名版)

ミツキ(こちらはワンコラー総統。レプリカ大和の諸君、久し振りだな。)

ナツミA(また何で某宇宙戦艦のネタなのよ。)

ミツキ(建造中の宇宙戦艦で“宇宙の彼方”へ向かうわぅ!)

ナツミA(はぁ・・・。)


 己の身を振り返っていると、突如としてミツキがネタを披露しだす。ワンコラー総統は言い換えで、実際は某総統になる。マンガやアニメで有名な某宇宙戦艦のネタだ。建造中の宇宙戦艦を捩ったようである。“宇宙の彼方”ねぇ・・・。


ミュティナ(アハハッ。ちなみに実際には“宇宙の彼方”という場所はありません。それらの名前は言わば物語の言い得てですので。)

ヘシュア(月とか太陽とか、実際には人間が名付けた感じですよね。他の銀河系などもしかり。)

ルビナ(私達が生まれた直後は名前がないように、誰かが名付けない限りは無名のままですし。)

ミツキ(・・・ぬぅーん! ではこれら惑星や星団をザ・ワンコと命名するわぅ!)

ミスT(ザ・ワンコ・・・。)


 真面目会話のシメに強烈なネタを繰り出してくるミツキ。それを聞いた周りの面々は爆笑してしまう。かく言う俺もそうだが、彼女の術中にハマった感じと言っていいだろう。本当に見事としか言い様がない女傑だわ・・・。


ミスT(・・・全ての生命が安寧できる状態、か。一生涯掛けても達成できるか微妙だが。)

ミツキ(諦めなければ0%にはならないわぅよ。それにわた達の寿命は100年ちょいだけど、その理は3大宇宙種族に引き継がれると確信しているわぅ。)

ミュティナ(ですね。ますます以て使命感に燃えますよ。)


 俺が語った内容を、ミツキが見事なシメをしてくれた。俺達の寿命は100年程度でしかない。それ以上の高寿命は3大宇宙種族の面々が適任だろう。今となっては一蓮托生に近く、こうなれば彼らに俺達の警護者の理を託すしかなくなる。


スミエ(本当に申し訳ありません。本来は私達の寿命の中で担い続けなければならない誓願。これを貴方達宇宙種族の総意に委ねてしまって。)

ミュセナ(とんでもない、むしろ望む所ですよ。私達の高寿命とテクノロジーを駆使すれば、その誓願に少しでも近付く事ができると確信しています。スミエ様が草創期から私達を守って頂いたように、今度は私達がそれを受け継ぐべきです。)

ルビナ(調停者に裁定者の概念はあまり好ましくありません。ですがそれで全ての生命が安寧としていけるのに一役買えるのなら、何が何でも担うべきでしょうね。ミュセナ様が仰る通り、望む所と豪語致しますよ。)

ヘシュア(・・・何だか本当に恥ずかしいです。バカ姉があの様な失態を繰り広げている様相に、同族として合わせる顔がありません。)

ミツキ(全ての物事には意味がある、わぅよ。ヘシュナちゃんが身を挺して悪役を担ってくれているからこそ、わた達はこうして戦えるわぅね。むしろ本当の悪党を燻り出すには、ヘシュナちゃんが適任になるわぅ。)

ミスT(あー、そういう手法もあるか・・・。彼女を利用する事はしたくなかったが、全ては全生命の安寧を目指すなら悪くはない。彼女を騙す罪なら俺が全部被ろう。)


 一服しながら思う。ミツキの言い方は考えもしなかったものだった。ヘシュナ自身を阻止するべき存在、言わばラスボスな感じだと思っていた。だがミツキの言い回しは、ヘシュナ自身が真のラスボスを引き摺り出すためのキーパーソンという事だ。ヘシュナを利用する事はしたくないが、それが全ての解決策に続くなら行うべきだろうな。


シューム(はぁ・・・全部君が罪を被るつもりでいるのね。)

ナツミYU(ヘシュナさんと対峙してから、何やらずっと思い悩んでいた理由が分かりましたよ。)

ミスT(結局はヘシュナすらも被害者になるわな。確かに彼女の言動には問題があるが、そもそも根底には今だに見ない悪党連中こそが淵源だ。ヘシュナを騙して利用する事になるが、全て片付いたら彼女に謝罪する。)


 漸く道らしい道が定まってきたわ。今までは暗中模索で進んでいた感じだったが、これで俺が進むべき道は定まったと言っていい。全ての解決に繋がるために、俺は全身全霊で鬼や悪魔を演じ切る必要があるわな。


スミエ(何と言うか、ヘシュナ様と変わらない感じがしますが。まあでも、誰かが突破口を開いてこその戦術や戦略ですからね。ここはTちゃんに甘えるとしましょう。もちろん、私もただ黙って見ている訳にはいきませんから。)

シルフィア(ですね。T君が矢面立って行動してくれるなら、その彼をバックアップしてこその盟友というもの。私も最大限の力を出し切っていきますよ。)

ミツキ(ぶっ飛びワンコでヒャッハーわぅー!)


 決意新たに意気込みを語るも、シメはやはり彼女だった。レプリカTa152Hで縦横無尽に暴れつつ、その様相を“ぶっ飛びワンコ”と言う様に爆笑してしまった。釣られて周りも爆笑している。その純然たる生き様の前には、笑うまいと思っていても無理なのだろうな。


エリシェ(アハハッ。ミツキ様の生き様があれば鬼に金棒・・・いえ、ワンコに骨付き肉ですね。)

ミツキ(おんどぅらー! 茶菓子を寄越せごるぅあー!)

ナツミA(はぁ・・・。)


 エリシェの例えも見事なものだわ。鬼に金棒をワンコに骨付き肉とは。しかし当のミツキは茶菓子を所望しているのが何とも。呆れながらも笑ってしまうのは、ミツキ・スタイルに身も心も魅入られたと言っていい。本当に心から敬愛する女傑である。




デュリシラ(さて・・・雑談はそこそこにして、真打ちが登場したみたいですよ。)

ミツキ(ぬっ?! ラスボスの登場わぅか?)

デュリシラ(いえ、今以上の様相の兵団が出現し出しています。)


 雑談の余韻に浸っていると、デュリシラから新たな敵の出現を告げられた。指し示す先を伺うと、今まで以上の夥しい飛行兵器群が現れた。しかも忽然と出現したのだ。先日の小笠原沖でのあの艦隊決戦の時と同じだ。


ミスT(日本への影響は大丈夫か?)

デュリシラ(今現在は問題ありません。全ての目はこちらに向いているようです。)

ミツキ(熱い視線を送られて、ヘイホウヘイホウヘイホウホウわぅ。)

ミスT(本当だわな。)


 全世界の目が日本に向けられている点に、ミツキが見事な揶揄を示す。しかしそれがネタであるのに笑えないのが皮肉な話だ。現状を見れば一国を焼土と化す戦力である。それでも現状の国内事情を踏まえると、アーダコーダで先送りになりそうだ。


エリシェ(ええ、正にその通りですよ。国内では色々な私利私欲から、本来行うべき事を後回しにしているのが現状。実際に矢面立って動くべきは国家そのものなのに、今は私達が代理人として動いていますし。)

ヘシュア(私が言うのも何ですが、何処の世界でも同じ様な流れですよ。力を持つものはそれ以上の力を追い求めだす。それを踏まえると姉の言動はまだまだ優しい方です。)

ミツキ(前にも言いましたが、全てに対して怖いんですよね。己の地位を崩される事、周りからの目線などが怖くて仕方がない。だから超絶的な力を持ち威圧を掛ける。)

ナツミA(その最もたるものが核兵器だからね。)


 俺の心境を察知した周りが意見を述べだした。これは前にも挙げた事例だが、結局は無知から始まるのだ。相手を知らない・理解できないから恐怖が生まれる。その恐怖を払拭するために力を持ち出す。そして究極の一手は絶対悪の持ち出しだ。昔も今も全く変わらない。


ミスT(一応念を押すが、もし連中が絶対悪を使ってきたら即座に無力化はできるのか?)

ミュセナ(全く以て問題ありませんよ。私達が流浪の旅路をしてきた大宇宙では、至る所に核物質がゴロゴロとしていますので。それらを無力化していかねば、今の私達は存在すらしてないと思います。)

エリシェ(その技術力だけは本当に素晴らしいとしか言い様がありません。地球人の最も恐怖の存在だと、核兵器以外にありません。細菌兵器に生物兵器もありますが、やはり核兵器には到底敵いませんし。)

ミスT(地球人よ・・・万策尽きた感じだな、か。まあでもそれが皮肉にも、自然的に地球自体への恒久な存続に繋がる。結果が全て万事解決するなら、俺はどんな手段でも用いるわ。)


 明らかに目の前に迫ってくる無人兵器群。バリアやシールドは健在だが、戦闘機群や本艦以外では厳しい展開になりつつある。高度の恐怖はあるが、こちらも動き出すしかない。



 既に人工腕部を起動し、3つの手に紫色のパニッシャーを装備。それらを構え、甲板の端の方へ向かって行った。とてつもない恐怖度に襲われるが、押し殺して突き進む。目の前に迫る飛行兵器群に機関砲を射撃し撃墜していった。


 すると、俺の傍らに歩み寄るエリシェ。背中を支えてくれていた。しかし彼女の両手にはマデュースが握られている。そうなのだ、彼女も人工腕部を装着していた。その人工腕部側で俺の事を支えてくれている。


    第8話・5へ続く。

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