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覆面の警護者 ~大切な存在を護る者~  作者: バガボンド
第2部・激闘と死闘
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第3話 ガンシップ対宇宙船2(通常版)

「最深度に到達しました。」

「正に無の世界だな・・・。」


 ケルマディック海溝は最深度に静かに、本当に静かに到着したレプリカ伊400。船体のエンジン音や各種機器の稼動音しか聞こえない。本当に音も無き世界である。


「サーチライトを点灯、周辺の探索をお願いします。」

「了解!」


 船体各所に搭載されたサーチライトが点灯。深海の底面を照らし出す。しかし光をも吸収するかのような暗闇があるだけだ。本当に何もない無の世界なのだ。


「はぁ・・・水が嫌いな俺が言うのもなんだが、神秘的としか言い様が・・・。」

「フフッ、本当ですよね。人間が単体では到達できない領域ですから。」

「ですが、広範囲高密度生体センサーに反応もあります。」

「深海生物が住む世界、と言う事ですね。」


 正に未踏の地、である。しかしそこに住む生命体も凄いものだわ。地球にはこうした生命体が数多く住んでいる証拠だろう。人間だけが好き勝手して良い惑星ではない。


「では例の未確認物体の方角に向かって下さい。それと、第一次戦闘配備を。」

「了解です。」


 無音の深海を進むレプリカ伊400。しかし艦内は第一次戦闘配備から、慌ただしく動く。相手の素性が分からない以上、万全の状態で進むしかない。


「もし・・・こちらよりも遥かに巨大な代物の場合、対処できるのかどうか不安だが。」

「艦首搭載のスーパーレールガンなら、地球クラスの岩石惑星すら破壊できるとの事です。それが有機物だろうが無機物だろうが関係ないそうで。」

「となると、射撃する場面か・・・。」


 超巨大豪華客船以上の船体の場合、海底での大爆発はそこに吸い込まれる怖れもある。ここは態と海上に出させて破壊するのが無難か。それか殆ど全物質が摩擦熱で消滅する大気圏か。問題はそこでどうやって破壊するかになるが・・・。


「・・・挑発しつつ、海上へ引き上げて破壊が無難か。」

「懸念される部分から踏まえると、それが妥当案でしょうかね。」

「そう言えば・・・海底まではゆっくりと進みましたが、海上へ向かう際の減圧時間などは大丈夫なので?」

「大丈夫だと思われます。ミュティナ様やルビナ様が仰るには、バリアやシールドは外部の全ての要因を通常の状態・・・まあ詳しくは分かりませんけど。」

「レプリカTa152Hでも、酸素マスクなしで高々度戦闘ができたしな・・・。」


 う~む、バリアやシールドの恩恵は本当に素晴らしいとしか言い様がないわ。


 人間が減圧せずに急浮上した場合、潜水病になるとの事だ。ただそれは潜水艦内で守られている場合どうなるかは不明である。実際に先程の潜航の際は、トンネルなどに入る時の耳への負担が全くなかった。


 レプリカTa152Hでの空中戦時もそうだ。高々度という低酸素でも、地上と同じ空気を吸えていた。しかも酸素マスク無しで、である。更に当時は寒くもなかった。今も同じだ。


 このバリアとシールドの性質は、地球上での熱気や冷気と言った概念を無視するようだ。通常の状態を維持するという・・・まあ詳しい事は分からないが。とにかく凄まじい力の1つなのは痛感できた。


「・・・この様相、レプリカ大和やレプリカ伊400では対処し辛くなりそうだな。」

「・・・規模の問題ですか。」

「ああ、サイズ問題でね。」


 ふと脳裏に過ぎった事を呟くと、直ぐに意図を読むエリシェ。レプリカ大和は263mの巨体だが、レプリカ伊400は122mと小柄である。今の原子力潜水艦は300mを超えるものがあるから、いくら総合的に強くても押される可能性は十分有り得る。


「先刻のネタで挙げた赤い円盤の設定サイズは12.2kmだそうだ。対して某映画の円盤は約20kmと破格のサイズと。続編なんか4800kmの超破格サイズだ。ミュティ・シスターズやルビナの母船はそれ以上の規格になる。」

「揶揄ですが、アリがライオンに勝つ事もできますよ。」

「そりゃあまぁ、耳から侵入して脳を潰せばねぇ。」

「ですが、その仰りたい意味合いは重々承知しました。その不安要素は何れ出るであろうと踏んでいたので、何とかしていきます。」

「・・・どういった事をするかは、問わないでおくわ。」


 不気味に微笑むエリシェに呆れつつも期待した。規模の問題なら、単純に巨大化すれば済む。となれば・・・まあ大体は読めてくるわ・・・。



「未確認物体の様相が判明しました! レーダーから推測するに、13kmの超巨大物体です!」


 慎重に進むレプリカ伊400。すると躯屡聖堕メンバーが興奮気味に叫び出した。その様相は推測した通りのものだったからだ。


「はぁ・・・、赤い円盤・クラスの宇宙船という事か。」

「と言うか、何だってここに・・・。」

「ウヘヘウヘな本を隠すのに、見つかり易い場所に仕舞うか?」

「「あー・・・。」」


 先程のビアリナの揶揄をもじって、今度は俺が揶揄ってみた。それにエリシェも含めて非常に気に食わなさそうな表情を浮かべだす。しかし的を得た内容だと納得はしてくれたようだ。それだけこの宇宙船は人類には見つけて欲しくなかったという事になる。


「まあその揶揄はさておき、この物体が一体誰の仕業なのかが気になるが。」

「ミュティナ様やルビナ様も分からないとなると、これは第3勢力の宇宙船と取るのが無難ですかね・・・。」

「十中八九そうなるわな。そして確実に言えるのは、これが今の俺達には脅威になるという事だ。」


 俺や躯屡聖堕メンバーが気付いた。レプリカ伊400の接近を感知した未確認物体は、突如として起動を開始したのだ。静かに鎮座していたそれは、正に宇宙船と言うべき代物である。


「一同に伝える。相手の出方が全く読めない。また深海なだけに未知の展開になるかも知れない。十分覚悟してくれ。」


 内部通信で一同に伝えると、恒例の如く雄叫びで返してくる面々。宇宙船から放たれる光で周りが明るくなり、ここが深海とはとても思えない。それだけ相手の規模がデカく、こちらが地球なら向こうは太陽という差だろう。


「未確認物体が浮上を開始!」

「俺達も追走しよう。戦闘配備は維持し続けてくれ。」

「了解!」


 ゆっくり浮上を開始する宇宙船を追走するレプリカ伊400。今後を考えると、規模の問題で太刀打ちできるかどうか不安だが。ただ相手が宇宙船なら、ギガンテス一族とドラゴンハート一族のテクノロジーは十分通用する。バリアやシールド、そしてスーパーレールガンが特効薬になるのは言うまでもない。


 この今の様相は、某アニメで宇宙に向かう赤い円盤を追走する万能宇宙戦艦なさがらだ。しかしまだ地球上での話であれば、活路は見えてくる。


 相手が人類や2大宇宙種族に敵対するなら、俺も徹底抗戦を貫いてやるわ。それが今の俺にできる最大限の使命だ。


    第3話・3へ続く。

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