第1話 高々度襲撃1(キャラ名版)
軍服連中との長い戦いが終わるも、息抜きで赴いたコミックマーケットの会場で謎の襲撃を受けた俺達。
ギガンテス一族のヘッドたるミュセナでさえ、十八番の技術力で地球全体をサーチしても相手を発見する事ができなかった。ほぼ同属のドラゴンハート一族のルビナもしかり。
そこで導き出された結論が、俺達と同じ地球人が絡んでいるというものだ。軍服連中以外にも敵対勢力がいるという事になる。しかもギガンテス一族やドラゴンハート一族の十八番たるテクノロジーを持った連中だ。
こうなると、スミエが語る通りの戦術を取るしかない。迫り来る愚物をその都度叩き潰していくという単純なものだ。端的かつ確実に行えるものだが、俺達がいるその場が戦場になるのは気が引ける。一歩間違えば一般人側に死者も出る可能性も十分有り得るからだ。
ただ1つだけ分かるのが、誰を狙って来ているかという事だ。今まではギガンテス一族のテクノロジー欲しさに襲撃や奇襲を繰り返してきたが、今度は俺達全体を狙ってきているというものだ。特にその中で俺をターゲットにする回数が多い。
再びレプリカ大和・レプリカ伊400を用いた洋上生活に戻るしかなくなるか。一般人が住む場所に要らぬ火種は放ちたくないわ。
先日、その結論を一同に述べた。すると、とんでもない答えが返って来た。俺1人に押し付ける訳にはいかないと、この場に残り共戦を展開しろと豪語している。諸々の被害が拡大する怖れがあるから、洋上生活に戻ると思ったのだが・・・。
となると、ここはギガンテス一族とドラゴンハート一族のテクノロジーを駆使した逸品を作成するしかない。ルビナも得意とする、閉鎖的に空間を固定させる手法だ。既にバリアの能力があるペンダントはあるが、それを広範囲に拡大したものになる。言わばシールドだ。
ただそうすると、敵対側もバリアに守られる怖れが出てきそうだ。その懸念を語ると、何と生命体の善悪の判断に働き掛けるとか。俺も含め凡人には理解し難いものだが、地球外生命体からすれば朝飯前なのだろうな。
以前、ルビナが語っていた。地球外生命体の自分達からすれば、地球人の心情を読む事は容易いものだと。それはミュティ・シスターズ側もそうだろう。となれば、今の世上の愚者の心情も簡単に読めていると思う。
さぞかし心境は複雑だろうな。守るべき地球と地球人の一部が、その様な間違った道に進むのだから。それでも俺達を信じて歩んでくれている。本当に感謝に堪えない。
ともあれ、如何なる環境であろうが問題はない。要は己自身がどの様な生き様を貫くかに帰結するのだから。恩師シルフィアが十八番の名言が何度も去来する。
誰彼がどうこうじゃない、自分自身がどうあるべきか。それが重要だ、と。
それに周りには戒めてくれる存在が数多くいてくれる。だから誤った道に進まないのだ。愚者側も戒めてくれる存在がいてくれれば、誤った道に進まないのだがな・・・。
まあ何であれ、敵対するのなら容赦なく叩き潰すまでだ。でなければ、こちらが潰される。相手が極悪と分かるなら、冷酷無慈悲な程の鉄槌を下すまで。
ミスターT「はぁ・・・。」
目の前にある依頼内容に愕然としている。どこからともなく現れる兵器群は健在で、それに対しての行動がこれだ。高々度からの監視を強化するというものである。つまり空だ・・・。
ミスターT「どうにかならんかね・・・。」
エリシェ「こればかりは流石に。」
ビアリナ「ただし、不意の襲撃に対しての対策には上出来でしょうけど。」
今は喫茶店のカウンターにいる。先程エリシェが来訪し、この依頼内容を提示してきた。厨房をビアリナに任せ、新たに購入した新型PCで現状の把握を開始する。
空は嫌だと思いつつも、そのプランから先に至る部分が脳裏を過ぎった。これ、今も不明な敵側に利用されないかが気になる・・・。確かに対抗策として考案したのだろうが、それは敵味方問わず有利に運びかねない。
特に空に上がれば、それだけ宇宙空間が近くなる。ギガンテス一族やドラゴンハート一族の宇宙船にまで悪影響を及ぼさないか心配だ。それらを考えての作戦としたら、この作戦は受諾するのは非常に危険である。
ミスターT「・・・貶す訳じゃないんだが、どうも下賤わ・・・。」
エリシェ「・・・その技術力が敵側に使われたら、ですか?」
ミスターT「あら、既に読んでたか。」
こちらの心の内をエリシェに語ると、ものの見事に読まれてしまった。と言うかこの場合、彼女も内心懸念していたものだろう。
エリシェ「高々度は成層圏に近いものなので、そこから宇宙空間に進出も可能です。となれば、今は到達不可能な宇宙母船にアクセスも可能になりますし。」
ミスターT「この依頼の出所が気になるわ・・・。」
俺が調べる内容を、肩越しに見つめる彼女。この依頼が後の大きな火種になるなら、請け負うのは止めた方がいい。しかし、そこに依頼を望む声があるなら挑まねば警護者ではない。
ミスターT「・・・受けてみるか。」
エリシェ「もし今後、不安要素が出現するならお任せを。大企業連合の力で何とかします。」
ミスターT「むしろアレだ、高々度を飛べるレプリカ大和でも必要になりそうだな・・・。」
高々度を長時間飛行できる乗り物、しかも飛行機郡ではない代物が今後の要因か。それこそ某ゲーム“空の目標”で出てくる飛行戦艦“ヴァルキュリア”などが該当するが、実際に実現するのは非常に難しい。ただ、重力制御の理があればあるいは・・・。
ビアリナ「決行日は何時になさるので?」
エリシェ「明後日ですね。それまでに色々と準備をしませんと。」
ミスターT「受けるのはいいが、空がな・・・。」
空や水という条件じゃければ、何処でも赴くのだが・・・。ただこの依頼は実際に見ない事には分からない。下手をすれば敵側に有利に働くかも知れないしな。
ミスターT「まあ何だ、乗ったからには最後まで突き進むわ。」
エリシェ「了解です。早速準備に取り掛かりますね。」
紅茶を飲み干してから、店内を後にするエリシェ。表で待っていた護衛の人物と共に去って行く。この護衛なのだが、トラガンの精鋭中の精鋭が担当しているという。実戦経験を得るために展開しているらしい。
ミスターT「ビアリナはどうする、ハリアーⅡで暴れるか?」
ビアリナ「そうですねぇ・・・その方が有事は有利かも知れませんね。」
ミスターT「と言うか、高々度だろ・・・。表にはどうやって出るんだか・・・。」
ビアリナ「まあ何とかなりますよ。」
アッケラカンと答えるビアリナに呆れるしかない。出逢った頃の彼女は淑女風だったが、今はエリシェにソックリになってきている。それでいてシルフィアに近いライセンスを持つため、恐ろしいまでの戦闘力を持つに至っているのが何とも。
とにかく、今はこの依頼が今後どの様に影響を及ぼすのかを見定める必要がある。もし2大宇宙民族たるギガンテス一族とドラゴンハート一族に悪影響を及ぼすなら、それ相応の行動をするつもりだがな。これに至らない事を願うしかない。
第1話・2へ続く。
第2部へ。ちなみに、飛行戦艦ヴァルキュリアの元ネタは、スカイターゲットのステージ3、装甲戦闘飛行艦フランベルジュです@@; 名前はマズいと思うので変えました><; パニッシャーをマデュースシールドといった感じで><; 何とも(-∞-)




