第14話 最終話・新たな火種5(キャラ名版)
ビアリナ(そして・・・周りには戒めてくれる存在がいるから大丈夫、ですね。)
ミスターT(ビアリナにまで心中を見透かされるとはの・・・。)
エリシェ(あら、ビアリナ様と同じく私も感じましたけど?)
次の流れで思おうとした事を先読みされた。しかも先読みのプロフェッショナルと言えるシュームやナツミYUではなく、純粋淑女的なビアリナにだ。これには驚くしかない。
エリシェ(へぇ・・・淑女ですか・・・。)
ミスターT(はぁ・・・筒抜けなのね・・・。)
ミツキ(むふっ♪ Tちゃんもまだまだ甘いわぅね。)
仕舞いにはエリシェに殺気に満ちた雰囲気で睨まれた。一言一句というか、俺の心情は全て筒抜けになっている感じだろう。そしてシメのミツキの発言に、不甲斐ないながらも笑ってしまうのは言うまでもない。
しかしそれでも、その瞬間思った事は事実だ。嘘偽りではない。それに何度も言うが、今の世界は女性が台頭してこそ真価を発揮する。破壊と混沌をもたらし続けていた野郎の時代は終わったのだ。案外、身内の女性陣はその中の先駆者的存在なのかもな。
その彼女達を支えられる事を、俺は心から感謝したい。そしてこの命を賭してでも、全て守り通して行く決意だ。
シューム(・・・T君さ、それ・・・態と思ってない?)
ミスターT(はぁ・・・包み隠さず、素直に吐露したんですが・・・。)
ナツミYU(後で・・・それ相応の報いを受けて頂きますから・・・。)
ミスターT(何とも。)
先程の心からの思いが周りに伝わったのと同じ様に、今も心からの思いが伝わったようである。この意思の疎通・念話は、お互いの心と心をリンクさせる強烈なコミュニケーションであろう。まあ実際に述べた通り、嘘偽りない心情を思った事には変わりないが。
シルフィア(はぁ・・・君も女性キラーよね。)
スミエ(フフッ、良いではありませんか。男女問わず惚れさせる生き様は、ミツキ様を起源とした敬い・労い・慈しみの精神そのものですよ。)
ミツキ(うむぬ。人としての有るべき姿わぅね。そして、それが開花できるかどうかに至ると。)
スミエ(そうですね。まあ先程も同じ事を述べましたけど。それでもこの概念は非常に重要なので、何度も回帰する事は大切です。)
ナツミA(端から見れば見苦しい感じに見えなくもないですけど。)
スミエ(それもまた人生の醍醐味ですよ。楽して生きる事などできません。苦しんでこその中に、生命の有難みを実感できますから。)
ミスターT(生きる・生き様、本当に難しいものだの。)
人口腕部の反応迎撃に委ね、試合の最中に一服する。今も目の前で大乱闘の仲間達。相手が人型機械兵器故に容赦なく叩き壊せるのが幸いしている感じだ。これが人間だと大問題だが。
しかし、何処からともなく出現する人型機械兵器群。ミュセナやルビナの一族が地球の全球サーチを試みているようだが、今の所目立った親玉が見つからないようだ。
軍服連中は既に捕縛したが、それ以外にも火種と思える要因がありそうだ。シルフィアがスミエを召喚して対処しようとした部分はここだろう。
やはり、最後は地球人同士の対決になってしまうのか・・・。まあだからと言って進軍を止める事などしない。己の生き様は徹底的に貫き通してやるわ。
この世に無限がない限り、万物全て必ず枯渇しだしていく。今まで目の前に現れ続けていた人型機械兵器は、何時の間にか姿を消していた。しかしコミックマーケットの表会場は、半端じゃないまでの残骸で埋め尽くされている。
表会場の片付けが終わるまで、避難していた来場者の方々には待って頂いた。些細な出来事で怪我でもされては話にならない。まあ娯楽の場まで手を出してくるのには驚いたが・・・。
ただ、周りへの被害は全く以て皆無だった。ミュティナ達やルビナによるバリアや空間の閉鎖的概念による恩恵だ。本当に助かったわ。
それでも何処からともなく現れた人型機械兵器群。その出所が分からない以上、今後の行動には細心の注意が必要になる。レプリカ大和やレプリカ伊400での生活が余儀なくされる可能性もあるかもな・・・。
全てが終わったのは夕方近くにまでなった。ただ、その後の流れは凄まじいものだ。ただのコスプレ軍団ではなく、実際の警護者軍団であった事に周りは大喝采している。特に身内の大多数が女性陣とあってか、物凄い事になってもいる。
それでも、普段からの外交で培ったノウハウを活かした対応をする部分は見事なものだ。エルシェナ率いるトラガン部隊も、こうした流れで知名度を上げるのも1つの戦略だろう。
やはり思う、時代は女性の時代だわ。破壊と混沌をもたらす野郎の時代は終わったのだ。その罪深い野郎の1人たる俺ではあるが、彼女達を守りながら戦える事を誇らしく思う。
ミスターT「騒がしい・・・。」
エリミナ「まあそう仰らずに。」
コミケの会場で大乱闘が終わった後、喫茶店に戻って打ち上げを開始する面々。今回は身内総出となっているからか、店内が凄まじい事になっている。顕著なのがトラガン部隊の女性陣だろう。学園の1学年丸々入っている感じだ・・・。
ミスターT「そう言えばエリミナは、飛行機関連なら何でも操縦できるのか?」
エリミナ「ほぼ全て操縦できますよ。スペースシャトルなどの特殊な機体は無理ですが。」
ミスターT「となると、骨董品のTa152Hも可能な訳か。」
ブラジャー作戦時に目の当たりにした、フォッケウルフ・Ta152H。あれを操縦できるとなると、さぞかし爽快なのだろうな。まあ次世代戦闘機から比べれば、第2次大戦時の戦闘機群はセスナに近い様相だろう。
エリミナ「ですがハリアーⅡなどに慣れてしまうと、機動性の部分では見劣りしてしまいます。」
ミスターT「パワーが桁違いだしなぁ・・・。」
エリミナ「兵装も機銃群やロケット群が、超連射可能回転銃に自動誘導ミサイルですよ。仕舞いには電磁加速装置と・・・。」
ミスターT「レールガンはなぁ・・・。」
以前ビアリナの愛機に搭載したレールガン。それで無人イージス艦を一撃で破壊した流れがあった。アサルトライフル程度の規模のレールガンが、人間より遥かに巨大で強大な兵器を一撃で破壊するのだ。ぶっ飛んでいるとしか思えない。
エリミナ「ただ、今後の流れではレールガンが台頭してくると思います。先程のコミケ会場での様相を踏まえると、無人イージス艦以外に無人航空機群も投入してくるでしょう。」
ミスターT「レプリカ大和やレプリカ伊400では厳しくなるか・・・。」
一服しながら思う。先の軍服連中事変は、ほぼ小規模的で終わった形だ。しかし今後は規模が更に拡大していく怖れも十分ある。警護者の範疇を超えた戦いになるかも知れない。
エリミナ「それでも、降り掛かる火の粉は・・・。」
ミスターT「払い除ける、だな。」
エリミナ「スミエさんが仰っていたように、その都度対処していきましょう。幸いにも俺達には凄い協力者がいらっしゃいますし。」
ミスターT「だな。」
エラい騒いでいるミュティ・シスターズ。普段は大人しいルビナも、酒が入ると酒豪と化している。これは実に意外である・・・。他の女性陣も飲めや歌えのドンチャン騒ぎそのものだ。これを見ると青褪めるしかない。
ミスターT「はぁ・・・。」
エリミナ「ハハッ・・・。流れに身を任せる、ですよ。」
酒は苦手な俺とエリミナは、カウンターの端で紅茶片手に細々と雑談するしかない。それにこの様相だと巻き込まれたら最後、とんでもない事になりそうだわ・・・。
今後の流れ次第、か。確かに先が見えない現状を踏まえると、スミエが生き様としていたのが効果的だろう。迫り来る愚物はその都度叩き潰すのが良い。
それでもスミエの時代とは今とでは雲泥の差、兵力や火力の部分でも天と地との差である。一歩間違えば死者が出るのは言うまでもない。
だからこその、ギガンテス一族・ドラゴンハート一族のテクノロジーなのだろうな。先程のコミケの会場でも死者は無論、誰1人として怪我人を出ていない。従来の流れでは不可能な様相である。
まあだからと言って弱音など吐かんわ。相手がほぼ極悪に近いのなら、徹底的に叩き潰す。それが世上の安寧をもたらす一歩になるのだから。
本当に烏滸がましい限りだが、誰かがやらねばならない。それが俺達であったという事だ。ならば恐れる事はない。後は突き進むのみだ。
第1部、完。
第1部が終了ですm(_ _)m 引き続き、第2部に進みます。お付き合い頂ければ幸いですU≧∞≦U




