第14話 最終話・新たな火種1(キャラ名版)
軍服連中との戦いは終わった。しかし連中に加担していたのが地球人とあって、ギガンテス一族のヘッドたるミュセナは気が気じゃないようだ。最大の要因は軍服連中が使っていた、UFO型飛行物体とその技術力だ。
何処でギガンテス一族のテクノロジーの流出があったのか、それを探っているとの事だ。一歩間違えば地球上の軍事力が各段に上がり、逸脱した力を持つ軍団へと変貌しかねない。そうなれば、要らぬ火種が燻り発火するのは言うまでもない。
それを先読みし、伝説的な警護者たるスミエを召集したシルフィア。俺の遠縁の祖母だ。しかも彼女が言うには、40年以上前にも同じ流れがあったとの事だ。今のギガンテス一族やドラゴンハート一族の前の世代の面々と共闘をしたとも言っている。正に生き証人だわ。
記憶喪失事変から警護者として動き出した俺だったが、その頃から既に何らかの火種が燻り出していたのだ。むしろ後の抗争を考えると、それらに対してのキラー的要因とも言える。つまり俺は警護者に至るべくして至ったという事だな。全ては宿命的か・・・。
目の前の現状に呆れ気味になっている。というか既に現地に赴いているのだが。以前ミツキが打ち出した、自分達の戦闘スタイルの姿でコミケことコミックマーケットに赴くというものである。それを実行した形になった。
ミスターT「コスプレねぇ・・・。」
それぞれの警護者のコスチュームを身に纏い、それでコスプレイヤーとして参加している。マンガやアニメの出で立ちではなく、実際に使っている戦闘服の出来は凄まじい様子。他のレイヤーさんすら驚愕する姿を目の当たりにした。
シューム「私達の衣服は常に動き易いものを選んでいるからね。それらの淵源はゲームなどを模しているし。」
ナツミYU「警護者のコスチュームが娯楽でも通用するのには驚きましたけど。」
シュームとナツミYUの衣服は妖艶なものだ。彼女達にとってそれが当たり前のものであるからか、自然体にいる姿に参加者さんの多くから物凄い歓声も挙がっている。
ルビナ「真の力の平和利用とは、本来こういった事に回帰すべきだと思うのです。」
シルフィア「ちょっと違う感じがするけど、まあ天下泰平こそ本来あるべき姿だからねぇ。」
ミュティナ「そのための警護者の存在ですよ。」
身内のほぼ全員がコミケに参加している現状。それぞれの衣服以外に、ゲーム関連に詳しいナツミAやミツキが仕立てたコスチュームを身に纏う。女性陣の全員がスタイル抜群の女傑なだけに、どれを着用しても様になるのは見事なものだ。
というか今回は身内オールスターなのが何とも。本来ならこういった娯楽には参加しない所なのだが、今までの殺伐とした戦いの息抜きとして参じたみたいである。特にミツキからのオファーは断れなかったみたいだ。
その中で逸脱して輝いているのはスミエだろう。華麗な着物姿が素晴らしく、男女問わず見惚れてしまう程である。動き難い姿となる着物での行動をものともしない所は、流石は大正レディと言うべきだろうな。
スミエ「・・・Tちゃん、聞こえましたよ。」
ミスターT「え・・ええっ?!」
シルフィア「言ったじゃないのよ。マスタースミエの直感と洞察力は常人を通り越したレベルなの。特に邪な一念は直ぐに察知するわ。当然私も感じ取ったけど。」
シューム「ですねぇ~。」
ナツミYU「マスターは女心を甘く見過ぎです。」
どうやらスミエを見て思った胸中を、警護者界トップクラスの実力を持つ女傑には読まれてしまったようだ。というかこの現状、多分全員に察知された感じか・・・。
ルビナ「スミエ様のお話は祖父母や両親から伺っています。私達がまだ地球に馴染む前に、色々と根回しをして頂いたそうです。今の地球上で活躍できている同胞は皆、スミエ様のお陰で居られるようなものですから。」
ミュティナ「私達もそうです。母にスミエ様の事をお話したら、物凄く驚き喜んでいました。何でも幼少の頃に大変良くして頂いたそうで。」
スミエ「ミュセナ様ですね。幼い頃は末っ子のミュティヌ様と同じくヤンチャでした。それが今では貴方に近い淑女に至っていますし。」
一区切り付くと一服するクセは俺と同じようで、袖口からキセルセットを取り出して一服をしだした。その一服する姿に参加者さん側は演技だと思ったのか、より一層沸き立っている。それに微笑みながらポーズを取る所も凄いものだ。周りがあっての自分がある、この姿勢を如何なる場面でも全く崩そうとしない。
以前聞けたのだが、スミエ自身は第2次大戦の渦中を生き抜いた存在だ。当時の様相は壮絶なもののようで、語りはするが表情の暗さは胸を抉られる思いになる。それだけ戦争という絶対悪は、人を根底から悲惨に陥れる最悪の要因の1つと言える。
皮肉なものだ。警護者自体も言い換えれば傭兵そのものだ。依頼があればどんな事をしてでも遂行する。それが結果的に人を苦しめるのであれば、第2次大戦を引き起こした愚者にも帰結してしまうだろう。
ミツキ「それでも、この道は貫き通し続ける。ですよね?」
ミスターT「あ・・ああ、そうだな。」
彼女の声で我に帰る。ものの見事に心中を見透かされた感じだが、その言葉は俺の決意を代弁してくれていた。しかし彼女の出で立ちからして、その真面目さが直ぐに消え失せる。
ミスターT「お前・・・それ、確か熊本の・・・。」
ミツキ「そうわぅ! “クマのぬいぐるみ”わぅよ!」
ナツミA「レプリカだけどねぇ。」
九州は熊本県のご当地キャラの某キャラ。ゆるキャラになるが、その顔の部分をくり貫いて顔を覗かせるミツキ。完全に着ぐるみ状態である。
ミスターT「他に衣装なかったのか・・・。」
ナツミA「仕方がないですよ、ポチがこれにすると一点張りで。」
ウエスト「まあ俺達が以前大変お世話になった場所ですし。地域の活性化には打って付けですよ。」
ミツキ「暴れてやるわぅー!」
彼女の背丈も相まって、その様相は某モンスター捕獲ゲームの“電気ネズミ”さながらか。何であれ、その持ち前の明るさは人を惹き付けて止まない。それに心から応じる姿も、先程のスミエと全く同じである。
ビアリナ「警護者の理は太平の世を築く尖兵とも。一歩間違えば戦乱助長者になりかねませんが、それは“持ちつ持たれつ投げ飛ばす”の気概があれば防げますからね。」
ミスターT「警護者が平和な世の中を作る礎、か。烏滸がましい話だよな。」
盛り上がる面々を尻目に、近場の縁石に座り一服する。そこにビアリナが隣に腰を下ろす。オフィスレディの衣服を纏い、白銀の髪の毛をオールバックにする姿がワイルドウーマンを醸し出している。
ミスターT「悪いな、ビアリナにも苦労を掛けさせて。お前は本来デュシア達の補佐に回る身分だというのに。」
ビアリナ「とんでもない、逆に良い経験を積ませて頂いています。本来ならデュシアさんがここに来たがっていましたが、役割方アメリカから出る事ができませんし。それにエシェムさん達がいらっしゃるので、身辺警護は事足りていますから。」
ミスターT「すまんな。」
以前聞けた話だが、ビアリナの勉学力や知識力はデュシア達の中でピカイチらしい。頭脳派のセオリアという女性すらも超えるとの事だ。彼女でも十分ブレイン的な役割を担えるため、一番の戦闘力を持つビアリナを派遣してくれたと言える。
ビアリナ「色々と労って頂いて嬉しいです。今まで努力してきた集大成が役立っていますし。」
ミスターT「ハリアーⅡの操縦やレプリカ伊400の司令官だしな。エリシェも頭に相応しい女傑だが、お前の場合は更に絶大な行動力が備わっている。何れ彼女達から参謀のオファーが掛かりそうだわ。」
ビアリナ「いえ・・・私は貴方の傍で補佐ができればそれで・・・。」
か細い声で胸の内を語る彼女。以前から俺に好意を抱いてくれている事は分かっていたが、改めて2人だけの時に聞かされるとドキリとする。
ミスターT「・・・分かった。お前がそう言ってくれるなら、俺がお前を守り続けよう。」
ビアリナ「・・・ありがとうございます・・・。」
ビアリナの胸の内は痛いほど分かる。ナツミYUやシュームと同じものだ。それに心から応じねば野郎として失礼極まりない。俺の決意を述べると涙ながらに礼を述べてきた。
シューム「この場合はヤキモチよりも、ビアリナちゃんを応援したくなるわね。」
ナツミYU「そうですね。その思いは私達が過去に抱いていた時と全く同じ。」
どんな状況でも女の心を察知すると、直ぐさまフォローを入れてくるシュームとナツミYU。かつて自分達も同じ境遇だったからだと語ってくる。
ミスターT「ごめんな。お前達の答えもまだロクに出せていないのに。」
シューム「んー、いいんじゃないかな。ビアリナちゃんもナツミYUもそうだけど、君を思う心は常に同じ。今は望む結果よりも、その瞬間を満喫したいのが本音よ。」
ナツミYU「ですね。それに警護者という役柄、何時倒れるかも分かりません。儚い夢物語に感じるかも知れませんが、それが自分の活力と希望になっているのは確かですから。」
ミスターT「活力と希望か・・・。」
彼女が語る通り、警護者という存在は何時何処で倒れるか分からない。致死力が強い得物を使うのだから当たり前だろう。それに今後は相手の火力も高まってくると推測できる。
第14話・2へ続く。
第1部の最終話です。これで終わりではないので、ご了承の程><;




