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人質姫と忘れんぼ王子  作者: 雪野 結莉
8章 人質姫と忘れんぼ王子の邂逅

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再会翌日

 再開を喜んだ次の日、この日は宿泊所でゆっくりと休養し、翌日にランバラルド城に向けて出発することになっている。


 部屋割りは、私がギルバート様のただならぬ関係のご令嬢の部屋を使い、メイドふたりの部屋をマリーとジュディ親子で護衛役の部屋をアーサーが使った。

 私の部屋は豪華で、キングサイズのベッドがでーんと置いてあり、とてもゆったりと眠れた。

 前回の部屋も豪華だと思ったけど、王族ってほんとすごいのね。


 疲れも出て、ゆっくりした時間に起きた私は、ついうっかりとメイド服を着てマリーの前に出てしまったのだ。

 ノックをしてマリー達の部屋に入ると、すでに起きていたマリー、ジュディ、アーサーの3人が揃っていた。

「おはよう、みんな。昨日は良く眠れたかしら?すぐに朝食を用意してもらってくるわね」

 みんなの顔を見たら嬉しくて嬉しくて。

 元気にそう言うと、朝食をもらいに行こうとすると、マリーから待ったがかかった。


「姫様。そのお召し物はどういうことですか?」

「えっ、メイド服だけど…」

「ジュディ!姫様が何故メイド服を着ているのか、説明してちょうだい」

 私とジュディは顔を見合わせる。


 まずい…。なんでかわからないけど、怒られそうな気がする…。

「えーっと、とりあえず、朝食を取りに行ってきますね!」

「あっ、姫様ずるい!」

 パタンと、ジュディの声は聞かなかったことにしてドアを閉めた。

 急いで一階の受付まで行き、朝食を用意して欲しいと告げると、もうできていると言うので食堂まで取りに行き、ワゴンを押して部屋まで戻った。


 部屋ではまだジュディが小さくなってマリーのお小言を聞いている。

「あ、姫様。オレが並べますよ」

 アーサーが食卓の用意を手伝ってくれる。

 それに気がついたマリーとジュディは、お話を一旦終わらせて食卓の用意に入った。

 私も手伝いたかったのだけれど、座っているように言われ、3人が動くのをじっと見ていた。

 元気にしている姿を見て、自然と頬が緩む。


 クロワッサン、ベーコンエッグにポタージュとフルーツの朝食を並べてもらい、4人食卓について食事をする。

 ボナールにいた頃は、王女と侍女が同じ食卓につくことはなかったが、たまにこっそりと一緒に食事をすることがあった。

 一人で食べる食事は味気ないけれど、みんなで食べればどんなものでも美味しい。

 ましてや、ここの食事はとても美味しい。


 ニコニコと笑顔で食事を終えて、空の食器をワゴンに戻してもらい、それを私が食堂まで戻しに行った。

 マリーはジュディに持って行かせようとしたが、ジュディは顔を出せないと説得して、私に任せてもらった。


 ふんふーん♫とスキップでもしたい気持ちで部屋に戻ると、マリーとジュディのお説教タイムは復活していた。

 ジュディは一生懸命に、これまでのことを説明し、私シャーロットがメイド服を着ている事情を話すが、マリーは納得しない。

「なぜ、姫様をお止めできなかったのですか!?」

「母さんだってわかるでしょう?言うことをきく姫様だったら、わたしも苦労しません!」

「そこを説得するのが侍女の役目でしょうが」


 激しい言い争いに、私は口を挟めずにいた。

 こっそりとアーサーが近付いて私に言う。

「あそこに入ると姫様もとばっちり受けるぜ。どこかに逃げた方がいいんじゃないですか?」

「でも、悪いのはメイドをしたがった私だし、今回のここでのことは、メイドに扮していなければここに来られなかったわけで…」

「ジュディのやつ、城でもメイドしてること、母さんにゲロってますよ」

「げ」

「そこは姫様も怒られると思うけど?」

「…えーっと、逃げまーす。この建物の周りでも散歩してくる」

「オレもついて行きましょうか?」

「ここは王族御用達の施設だから危なくないと思う。お昼には帰ってくるから」

「了解。お気をつけて」


 静かにドアを閉めて、一度自分の部屋に戻った。

 メイド服のまま行こうか悩んだけれど、せっかくお天気もいいし、ギルバート様に買っていただいた若草色のワンピースを着て行くことにする。


 きっちりまとめた髪も下ろして、ハーフアップにした。

 一人ではハーフアップくらいしかできないので、これが私の精一杯のおしゃれなのだ。


 今日はいいお天気だから、一応小瓶に果実水を入れて、昨日馬車で食べたお弁当についていたクッキーも持って行こう。

 木影で食べたら楽しそう。


 この前ここに泊まった時は、お散歩なんて出来なかったので、私はウキウキとこの建物を後にした。

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