無愛想な執事
そんな事を考えていると、扉を叩く音が聞こえた。
「結翔様、お食事の準備が整いました。」
それは、代々この家の召し使いをしている石神家の次男で、俺と同い年、主に俺の執事として、働いている石神 久遠の声だった。
「分かった、直ぐに行く。」
返事をし、扉を開ける。
目の前には、勿論石神久遠の姿があった。
「おはよう、久遠。」
「おはようございます、結翔様。」
久遠は、小さい頃から無愛想で、滅多に笑わない。
基本的に、いつも真顔だ。
そんな久遠と、挨拶をしつつ、食堂へ向かう。
食堂には、既に両親と、兄の柚木がいた。
「父様、母様、兄様、おはようございます。」
「結翔、来たか。では、朝食にしよう。」
軽く挨拶を済ませ、席につく。
「「「「いただきます。」」」」
料理を口に運ぶ。
うん。美味い!
2年間、異世界の料理を食べていたからなのか、この家の料理が美味いのかは分からないが、とにかく美味い!
~数十分後~
ふう、美味かった。
朝食を食べ終わり、自室で学校へ行く準備をする。
学校は私立で、俺の執事のため、久遠も一緒に通っている。
久遠とは、クラスが一緒で席も近い。
知り合いに、話しかけやすいというのは、心強いな。
学校へ行く支度が終わり、久遠が呼びにきたあと、俺たちは学校へ行くために車へと乗り込んだ。