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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

改造幼女プリムラちゃん!

作者: 無法地帯

この作品は、私の別の小説から、キャラクターを借りて書いている、いわゆるスターシステムを使ってます。

ので、設定的におかしなところが少々あるのを、御了承下さい。

 暗闇の中、中央にある手術台だけが、スポットに照らされていた。

 そこに横たえられている一人の幼女。


「やめろ〜。ようじょっかー(ヨウジョッカー)。」

「ふふふ。もう おそい。じんのういん ぷりむら。おまえは もう くびのした まで、かいぞうようじょ(改造幼女)に なっているのだ。」

「なんだと なの〜。」


 ヨウジョッカーとは、世界を征服して、この地球を、幼女だけの住む惑星にしてしまおうと企む、恐るべき悪の秘密組織なのだ。

 その背景には、日本政府の国民総背番号制計画が、絡んでいるとか、いないとか。


 そして、神王院符璃叢(じんのういんプリムラ)に流される一万ボルトの電流。彼女の目の前は、真っ白になっていった。




「うわあああっ! なの。」


 プリムラちゃん(三歳)は、悪夢にうなされて、目を覚ました。


『むうう。また、かいぞうしゅじゅつの ときの ゆめを みちゃたの。』


 此処は絵島レーシングクラブの事務所であった。プリムラちゃんは、ソファーでうたた寝をしていたのだ。


 脳改造寸前に、大学の恩師、青山ブルーマウン……、青山教授に救われたプリムラちゃんは、その後、ヨウジョッカーと戦う、正義の改造幼女として活躍していた。


 どうして幼女が大学に通っていたのかというと、I.Qが六百あるからとしか言い様がない。


「プリ様あああああ!!!」


 その時、事務所のドアが勢い良く開いて「FBIの犬」光極天昴(こうぎょくてんすばる)(十歳)が入って来た。


「何か、うなされていませんでした? お可哀想に……。プリ様、プリ様、プリ様〜!!」


「FBIの犬」昴は、プリムラちゃんに抱き付き、頬擦りをし……、とにかく過剰なスキンシップをし始めた。


「やめるの。『えふびーあいのいぬ』すばる。ぷりは これから いそがしいの。」


 忙しい、と言いつつ、特にやる事も無いプリムラちゃんは、レーシングクラブのオフィスの方に向かった。「FBIの犬」昴も、後ろからプリムラちゃんに抱き付いたまま、一緒について行った。


「おう、うなされていたな、神王院。」

「ゆめみが わるかったの、おやっさん。」


 プリムラちゃんに話し掛けたのは、レーシングクラブの代表、絵島紅葉(十五歳)だ。オジさんみたいな口調で「おやっさん」とも呼ばれているが、これでも、花も恥じらう女子高生なのだ。


「これ、見てみろ。」


 おやっさんは、読んでいた新聞を、プリムラちゃんに差し出した。


「配達された牛乳、消失。」


 一面の見出しには、そう書かれていた。

 都内各所で、配達された牛乳が、その家の人が回収する前に、失くなってしまうという事件が頻発していたのだ。


「おやっさん……。こいつは……。」

「恐らくヨウジョッカーの仕業だろうな。おう「FBIの犬」昴。何か情報はないのか?」

「乳牛研究所から、乳牛のDNAに関する研究データが盗まれる事件が、一週間前にあったと聞いてますぅ。」


「FBIの犬」昴は、おやっさんの方は向かずに、プリムラちゃんに抱き付いて、愛撫をしたり、ホッペにキスをしたりしながら答えた。物凄い溺愛ぶりであった。


「いんぼうの においが するの……。おやっさん、ちょっと いってくるぜ なの。」


 プリムラちゃんは、バイクのヘルメットを掴むと、外に出て行ってしまった。


「あ〜ん。待って下さいぃ。プリ様ぁ。」


「FBIの犬」昴も、慌てて、プリムラちゃんを追い掛けて行った。




 此処は練馬区、大泉学園の近くにあるヨウジョッカーの地下アジト……。

 オープンリールをカタカタ鳴らす、スーパーコンピューターが備え付けられた部屋の中央に、真っ白な髪に、真っ白なスーツ、更にマントまで真っ白な物を着用した幼女が、威張って座っていた。


 其処に、黒い全身タイツを着た幼女が、三人ほど報告に現れた。


だいかんぶ(大幹部) ふる(フル)。けいかくは じゅんちょう です。」


 三人は口の周りを白くしていた。


「じゅんちょう すぎて……、ちょっと きもちが わるい くらいです……。おええ〜。」


 明らかに、牛乳の飲み過ぎであった!


「これくらいで よわねを はくな。あしたからも まいにち ぎゅうにゅうを うばって、のみほすのだ。」


 大幹部フルの「東京牛乳枯渇作戦」。それは、都内の牛乳の全てを、戦闘員幼女達に盗み飲みさせ、都民が牛乳に対して飢餓感を覚えた時、遺伝子操作を施した乳牛で作った「牛乳の様な何か」を配り、飲ませるという、恐るべき作戦であった。


「ちなみに、これが『ぎゅうにゅうの ような なにか』だ。」


 フルはコップに入った白い液体を取り出した。


「じっけんだ。どれいを つれてこい。」


 命令された戦闘員幼女達は、奴隷の本田幸介さん(仮名)を連れて来た。


「止めてくれー。助けてくれー。」

「うるさい。これを のむのだ。」


 押さえ付けられ、無理矢理に喉に流し込まれる「牛乳の様な何か」。


「うわあああ。」


 哀れな犠牲者、本田幸介さん(仮名)は断末魔の声を上げた。

 ポンッと、音がして、本田幸介さん(仮名)だった物体は、三歳の幼女になっていた。


「ええーん。ここ、どこでちゅか?」


 泣き喚く本田幸介さん(仮名)。正に地獄絵図であった。


「せいこうだ。これで、いっせんまんとみん(一千万都民)を すべて ようじょに かえるのだ。」


 ああ、何て恐ろしい計画。都民は残らず幼女にされてしまうのか?


 幼女しか居ないなんて天国なんじゃないの? とか思った人は、速やかに最寄りの警察署に自首する事を、お勧めします。


 その時、正面の壁の天井近くにあった、幼女の顔に蛇が巻き付いているという、ちょっと想像し辛いレリーフの目が、赤く点滅を始めた。


「だいしゅりょう、おくさま(オク様)。」


 フルは急いで、レリーフに向かって敬礼した。


「ふる、ゆだん するな。『えふびーあいのいぬ』すばると ぷりむらちゃんが うごきだしている……。」


 レリーフから、ヨウジョッカー大首領、オクの声が流れ出した。

 大首領の言葉に、フルは少し動揺したが、すぐに不敵な笑いを浮かべた。


「ごあんしん ください、だいしゅりょう。かえりうちに して ごらんに いれましょう。」


 アジトの中に、フルの不気味な笑い声が響いた。




 牛乳消失事件の手掛かりを捜して、幼女用のバイクで疾走していたプリムラちゃんは、道端で泣いている幼女、晶を見付けた。


「あきらしゃん、どうちたの?」

「う、うええ〜ん。ぷりむらちゃん。おうちに ようじょっかーの せんとういんが きているのぉ。」


 晶の家は牛乳屋さんである。配る前に奪った方が効率が良い、と気付いたヨウジョッカーは、都内の牛乳屋さんを狙い始めたのだ。


「おのれぇ。ようじょっかーめ なの。」


 プリムラちゃんは、すぐに、晶の家に駆け付けた。


「まてい なの、ようじょっかー。ゆるさないの。」

「ききい〜!」


 現れたプリムラちゃんに、即座に襲いかかって行く戦闘員達。だが、所詮、プリムラちゃんの敵ではなく、千切っては投げ、千切っては投げ、と散々にやっつけられた。


「どうだ なの。もう、おしまいか? なの。」

「ちょうしに のるんじゃ ない。」


 プリムラちゃんの叫びに答えて、晶の店の中から、白い全身タイツに烏賊の被り物を被った幼女が出て来た。


「おまえは ようじょっかーの かいようじょ(怪幼女)か?!」

「そうだ。わたしの なは あくますくいっど(悪魔スクイッド)!」


 恐るべきヨウジョッカーの怪幼女、悪魔スクイッド。怪幼女とは……、つまり、その、怪人の幼女版みたいなものである。


 ヨウジョッカーは、全ての人類を幼女にし、その幼女を怪幼女が支配するという、恐怖の世界を作ろうとしているのだ。

 幼女に支配されるなんて御褒美なんじゃないの? と思ってしまった人は、今すぐ病院に行って下さい。


「こっちも へんしんなの!」


 神王院符璃叢は、ベルトの風車を指でクルクル回す事によって、改造幼女プリムラちゃんに変身するのだ。


「いきなり、とどめの きっく なの!」


 プリムラちゃんは、変身するなり、必殺プリムラキックを放った。

 ダメだ、プリムラちゃん。番組中盤に出す必殺技は破られるフラグが立ちまくりなのだ。


 案の定、悪魔スクイッドの、烏賊の様に柔らかい身体に、キックは弾き返された。


「うわあ。しまったの。」

「とどめだ。ぷりむらちゃん!」


 倒れたプリムラちゃんに迫る悪魔スクイッド。ピンチ! プリムラちゃん。


 其処に、姿を見失って、泣きながらプリムラちゃんを捜していた「FBIの犬」昴が、女児用バイクで突っ込んで来た。


「うええ〜ん、プリ様ぁぁぁ。やっと見付けましたぁ。」


 彼女の目には、プリムラちゃんしか、映っていない。当然、その前に立っている悪魔スクイッドは、女児用バイクでふっ飛ばされた。


「くそぉ。もうちょっと だったのに。おのれ『えふびーあいのいぬ』すばるめ……。」


 悪魔スクイッドは、負け惜しみを言いながら、退却していった。




 此処は、とある造成地。包帯で腕を吊った、痛々しい姿のプリムラちゃんが、姿を見せた。


『あくますくいっどに かつための とっくんだ、なの。』


 プリムラちゃんは、健気にも、包帯を取って、投げ捨てた。


「おおーい、神王院。手伝うぞ。」


 そこに、絵島のおやっさんが、先っぽに大きな丸い蒟蒻を付けたクレーン車に乗って、やって来た。


「そうなの。この こんにゃくを きっくで われれば、あくますくいっどに かてるの。」

「その通りだ。さあ、いくぞ。」

「はい。おねがいしますなの。おやっさん。」


 プリムラちゃんの、血の滲む様な特訓が始まった。


「何やってんだ。蒟蒻から逃げるな。」

「わかったの!」

「もっとこう、捻りを効かせるんだ。」

「こうですか? なの。」


 最初は弾き飛ばされるばかりだったが、徐々に有効打が撃てるようになって来た。


『でも、だめなの。なにかが たりないの……。』


 プリムラちゃんは決心した。


「おやっさん! さいだいしゅつりょく(最大出力)で こんにゃくを うちだして ほしいの。」

「何だって? ダメだ。ダメだ。危険過ぎる。」

「たのむの、おやっさん。」

「…………。わかった。」


 プリムラちゃんの真摯な姿勢に打たれた、おやっさんは、思っ切り蒟蒻を、プリムラちゃんに向けて、打ち出した。


「ぷりむらー、でんげききっーく!!」


 ドリルの如く全身を回転させながら、蒟蒻に向かってキックをした。巨大な蒟蒻は粉々になって、辺りに四散した。


「よくやった、神王院。」

「おやっさん、ありがとなの。」


 ようし、けっせんなの、あくますくいっど。

 プリムラちゃんは、勇んで、幼女用バイクに跨った。




 プリムラちゃんが特訓をしていた、ちょうどその頃「FBIの犬」昴は、牛乳屋さんから出て行く、怪しい幼女をつけていた。

 FBIの情報網が、大量の空き瓶を牛乳屋さんに持ち込んで、換金して貰っている一団がいる事実をキャッチしたのだ。


 幼女は、用心深く、辺りを見回しながら、怪しげな洋館の中に入って行った。

「FBIの犬」昴が、門の所まで行くと「ヨウジョッカー練馬支部アジト」という看板が掲げられていた。


「やっぱりヨウジョッカーですぅ。盗んだ牛乳を飲み干して、空き瓶を換金して貰うなんて、なんて図々しいのかしら。」


「FBIの犬」昴は、早速忍び込もうとしたが、全身に震えが来て、その場に座り込んでしまった。


「き、禁断症状ですぅ。」


 焦って、スカートのポケットから、小型のプリムラちゃんヌイグルミを取り出すと、焚き込めてあった、プリムラちゃんの匂いを嗅ぎだした。どうやら、定期的にプリムラちゃんと触れ合ってないと、禁断症状が出るらしい。

 難儀な身体であった。


「こ、これで三十分は保ちますぅ。」


「FBIの犬」昴は、ソッーと、邸内に潜入して行った。




「わははは。よく きたな。『えふびーあいのいぬ』すばる!」


「FBIの犬」昴が、地下にあった広間に入り込むと、其処には、大幹部フルが、大勢の幼女戦闘員を従えて、待ち構えていた。


 ええっと、歓迎してくれているのかな?

「FBIの犬」昴は、状況が飲み込めずに、キョトンとしていた。その表情を見たフルは『ああ、わかってねえな。こいつ。』と、ピンと来た。


「わなだよ。わな。おまえは わなに かかったの。」

「ええっ、そうなんですかぁ?!」

「そうだよ。もう、ぜったいぜつめい なんだよ。」

「そんなの嫌ですぅ。助けてぇ、プリ様ぁ。」


「FBIの犬」昴の泣き声を聞いて、大幹部フルは哄笑した。


「うわっははは。ぷりむらちゃんは しんだ。たすけに など くるものか。」


 地獄のアジトに、悪の笑いが木霊した。

 が、その時!


「あっーははは、なの。」


 何者かの笑いに、フルの馬鹿笑いは掻き消された。


「なにやつ。まさか……。」

「いえーす! ぷりむらちゃん なの。」


 ポーズを取って変身した改造幼女プリムラちゃんは、一直線にヨウジョッカー軍団に向かって行った。そして、千切っては投げ、千切っては投げ……。


「わーい。プリ様だあ。」


 ヒシッと抱き付く「FBIの犬」昴。


「はなすの。うごきにくいの。」

「だあ〜て、だって。やっと、プリ様に会えたんですもん。」


 戦闘員と戦っているプリムラちゃんに、引き摺られながらも、頬擦りや、愛撫を繰り返した。


てぃぴーおー(TPO)を かんがえるのー。」


 怒鳴れて、渋々、プリムラちゃんから離れた。


 と、その時。アジトの彼方此方で、爆発が始まった。


「なにぃ。どうゆうことだ?」

「ぷりの しかけた ばくだん なの。」


 フルの疑問に、プリムラちゃんが答えた。


「くそぉ。なんて ひどい ことを。」


 プリムラちゃんと「FBIの犬」昴、そして、大幹部フルは、外の原っぱに逃れた。


「もう、おしまいなの。かんねん するの、ふる。」

「おのれぇぇぇ。ぷりむらちゃん……。」


 怒りの形相凄まじく、グルリとフルが一回転すると、そこには悪魔スクイッドの姿が……。


「なにぃ? ふるの しょうたいは あくますくいっど……。」

「そうだ。かいようじょを しきする、われわれ だいかんぶも、また、かいようじょ なのだ。」


 悪魔スクイッドと化したフルは、その十本の腕で、猛攻を始めた。強力な力で薙ぎ倒され、もんどりうって転がるプリムラちゃん。頑張れ、僕等の改造幼女、プリムラちゃん。


「あわわわわわ。プ、プリ様あ〜。しっかり〜。プリ様あ。」

「『えふびーあいのいぬ』すばる。きが ぬけるから だまってて ほしいの。」


「FBIの犬」昴に文句を言いながらも、チョップで、十本の腕をことごとく切り裂いていくプリムラちゃん。


「だが、おまえの『ぷりむらきっく』は、わたしには きかんぞ。」


 余裕をぶっこく悪魔スクイッドに「そうかな なの……。」と、不敵に微笑むプリムラちゃん。


「とう!」


 掛け声と共に、中天高く舞い上がった。


「ぷりむらー、でんげききっく!」

「うぎゃあああ。」


 プリムラ電撃キックを喰らった悪魔スクイッドは、派手に吹き飛ばされた。


「くうう。わたしの まけだ。ぷりむらちゃん。」


 ヨロヨロと立ち上がりながら、悪魔スクイッドは言った。


「だが、おぼえておけ。だいしゅりょう おくさまが いるかぎり、ようじょっかーは ふめつだ!!」


 ズドーン!!!

 最後の台詞を言い終わった悪魔スクイッドは爆発した。


 そして、モウモウとした煙が治まると、そこには普通の幼女となったフルが「ええーん。ここ、どこでちゅか?」と泣いていた。




 こうして、悪の「東京牛乳枯渇作戦」は、プリムラちゃんの活躍によって滅びた。

 しかし、油断は出来ない。ヨウジョッカーは次なる作戦で、日本を狙って来るからだ。そして「FBIの犬」昴も、虎視眈々とプリムラちゃんに抱き付くチャンスを伺っているのだ。


 頑張れ、プリムラちゃん! 負けるな、プリムラちゃん!

 プリムラちゃんの孤独な戦いは、これからも続いていくのであった。

小人閑居して不善をなす、と言いますが、夏休みだから、という言い訳が効かないほど、突き抜けて馬鹿な小説を書いてしまったなあ、と自負しております。

ていうか、私、幼女好き過ぎですね。うん。

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