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第5話「犬としつけ」(スノウ)

 私がアドルフィーネ様に施された拘束は絶対だった。


「犬が人間の言葉をしゃべるなんておかしいわね」

「わん!」


 まず言葉を奪われた。


「犬は二本足で立ったりしないわ」

「くぅん」


 次に四つん這いになることを強制させられた。


「犬は服を着ないわ」

「きゅうん、きゅうん」


 更に服を奪われた。

 せめてもの情けか、シュミーズとショーツだけは許されたけれど。

 いつもはスカートの下に隠していた狼のしっぽが露出して、


「あら、そんなにしっぽを振っちゃって。スノウったら、ご主人様にかまってもらえるのがそんなに嬉しいの?」

「わん、わん!」


 私は四つん這いでご主人様を上目遣いに見上げながら、一生懸命しっぽを振っていた。

 そんな、身体の自由まで……?


「あらあら」


 そして私は気づいたら、アドルフィーネ様のスカートの中に頭を突っ込んで、シルクの下着に包まれたその股間に顔を埋めてしまっていた。


「ふふ、くすぐったい」


 私など飼い犬。

 匂いを確かめたいならどうぞとでも言いたげに、堂々としているアドルフィーネ様よりも、こんな真似をしている自分の方がおかしい気になってくる。


(だ、だめ……)


 息をする度に、獣人の血を引くゆえに敏感な鼻一杯に吸い込まれる甘酸っぱい匂い。

 アドルフィーネ様の少女特有の身体の匂いで肺が一杯になり、肺から酸素と共に全身に吸収されて行くような気がする。


(お、溺れちゃう…… 変になっちゃうぅ……)


 そして、


「従うべき主の匂いを、ちゃんと覚えられた?」

「きゅうん、きゅうん」

「なら、見せるべき態度があるでしょう?」


 アドルフィーネ様が笑顔で促してくれる。

 私は……


「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」


 犬のようにあおむけに横たわり、おなかをさらして絶対服従のポーズを取っていた。


「そう、いい子ね」

(だっ、だめっ、おなかを撫でないでっ!)


 アドルフィーネ様が、私のおなかを撫で始めたのだ。


(うああああっ!)


 動物の腹は、骨が守って居ない弱点だ。

 だから、腹を晒すのは、非常に危険なこと。

 時折犬が腹を見せる行為をするのは、相手に服従する事を示すと言う意味がある。

 そんな弱点を好きに撫でられることに、雪狼の血を引くゆえの本能と身体の方が反応してしまっていた。

 でも身をよじる私にも気にせず、アドルフィーネ様は思う存分、私のおなかを撫でまわした。


「ふふ、こんなに息を乱して、気持ちいい?」


 アドルフィーネ様は、私の反応に、喜んでいると勘違いをしている様子だった。


(……これ以上は、これ以上は変になっちゃうぅぅぅっ!!)


 思わず身をよじって逃げようとするのだけれど、アドルフィーネ様は、


「いけない子ね」


 と言って、私の腹を一層激しくわしゃわしゃと指を立てて揉みくしゃにしたのだ。


「キャウン!」


 たまらず、びくん、びくん、と腰を震わせる私。

 けど、無防備で未成熟な私の身体には、終わりと言う物が無かった。

 果てる事の無い、無限の責めを受けることとなる。


(あああああああっー!)


 おなかにアドルフィーネ様の滑らかな指を感じながら、全身の筋肉を引き攣らせ続ける私。

 視界がチカチカと明滅している。

 限界だった。


(も、だめ……)


 前後不覚の状況に追い込まれ、身体を痙攣させながら失神の中に逃げ込むしかない。

 けど、アドルフィーネ様はそれすら許さなかった。


「えい」


 敏感な、しっぽのつけねを優しく、でも強く握られた。


「キャウン!!」


 腰が、ひときわ強く跳ねて。


(あああ、見ないで見ないでぇ……)


 股間から生暖かいものが流れ、伝って行く。


「ふぅ、かわいがられて嬉しさのあまり、気を遣りながらお漏らしをしてしまうなんて…… これはしつけが必要ですね」


 アドルフィーネ様は妖艶に微笑んだ。

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