暫しの別れ
「話もまとまったことだし、俺らは出ることにしよう」
「そうだね。七体の精霊と契約するんだから早く行動しないとね」
二人は話が終わるや立ち上がり、外に出ようとする。
「もう行くの? 剣のメンテとかしなくてもいいの?」
思ったより早いアルナールの退場に心結は少し悲しそうに見えた。
「悪いな俺も急いでいるからな。剣の方はまだ大丈夫だから次来たときにまた頼むよ」
「・・・・・・そう。なら今度は剣が痛む前にメンテに来てよね」
「あぁ分かった。それじゃあショウの剣を頼んだぞ」
座る心結の所まで移動したアルナールはポンと心結の頭に手を置き数回撫でる。
「うん・・・・・・アルナールも頑張ってね」
頬を紅く染め、照れる心結を見るとまるで二人が付き合っているように見える。
「それじゃあまたな」
「ショウ、ミカ、お互いしばらくは別行動だけどこの世界のためにも頑張ろうね」
「もちろん。彩姫も道を間違えて変な時間を使うなよ」
「怪我のないよう体に気を付けて」
玄関の近くで互いに別れの挨拶を簡単に済ませるとアルナールと彩姫は家を出ていってしまった。
「・・・・・・」
「どうしたんだ心結?」
ポケ~とドアを見つめる心結を心配して声をかけたが、心結は心を切り替えるためなのか数秒ぐらい目を瞑った。
「・・・・・・さてと早速ショウの剣を直す準備をしなくちゃね」
そう言うと心結は工房の方へ行ってしまい僕らも工房に向かった。