心結との話し合い
「そう、そんなことがあったんだ」
僕達は心結に進められるまま家に入ったあと、客間みたいな場所に案内され出されたお茶を飲みながらこの世界で起こった出来事を全て話した。
「話は大体分かったよ。私で良ければ剣の修理をしてあげるわ」
「本当か! それは助かるよ」
「でも大丈夫なの? その折れた剣、一応神器なのだけど」
そうだ彩姫の言う通りだ。いくら直してくれると言ってもこの剣は神器だ。そう簡単には直らないはずだ。
「大丈夫だよ。こう見えても私、かなり腕前のある鍛冶師なんだから」
そう言うと心結は部屋を出ていき、数分後一本の剣を持って戻ってきた。
「これ昨日打ったやつでかなりの出来なの」
僕は心結からその剣を借り、鞘から引き抜くとキィィンと甲高い音とともに磨き抜かれた銀色の刀身が姿を現した。
「おォォ~。凄い凄いよ心結!」
「確かに凄いな。心結前に会ったときよりもかなり腕を上げたな」
「エヘヘ、それほどでもないよ」
みんなから褒められ心結は頭を擦りながら照れていた。
「これならこの折れた剣も直せるな」
「うんそうだね。これなら大丈夫かも」
彩姫も素直に心結の腕前を認め納得した。
「じゃあ心結。こいつの剣の修理を頼むな」
「えぇもちろん任せてちょうだい!」
アルナールにそう頼まれると心結は満面の笑みで高らかに言った。