星華の過去~逃げ続けて六十六年~
森の外を出てから一ヶ月、私は何とかまだ捕まらずにいた。
私は転々と森を出てから新たな森に入って身を隠しを繰り返している。
お姉ちゃんと一緒に森の中で暮らしていたお陰か食糧が無くなっても森にある植物や動物、を採ることによって何とかいや普通に逃走生活を成し遂げれていた。
そして一年が過ぎた頃、私はこのまま同じ大陸で逃げ続けるのが厳しくなっていると感じ、一か八かこっそりと他の国に行く船に忍び込み密入したのだ。
無事、他の国に逃げ込めた私は今度は森だけでなく街の中にまで入り込み逃げようとした。
だがそのためにはまず自分がエルフだとバレたらいけない。それともう一つこの左目だ。
この左目がある以上、私は他のエルフに助けを求めることも出来ない。
だから私はその二つを解決するために街中では常に家から持ってきた防寒用の茶色いフードを被り、左目は伸ばし続けた長い前髪を使い、左目だけ常に前髪が掛かるようにした。
お陰で街中でも怪しまれずに行動することができ、簡単な稼ぎ口を探しちょこちょこお金も貯めたり、何時ものように森の中で生活したりとわりと何事もなく逃走生活を送れている。
そんな生活を続けて約六十年の年月があっというまに過ぎようとしていた。
逃げ続けるなか私は世界中の街という街を知り、この世界についていろいろ詳しくなっていた。
でも、私はこんな追われ続ける人生にだいぶ嫌気が射してきていた。
もう死ねば楽になるのかなとさえ思えてきたその時だった。街のとあるカフェで休憩しているとき近くに居た人達の話を偶然聞いてしまったのだ。
その内容は地球という星から次々とこちらの世界に転生しているという内容だ。
私はそれを聞いて、もしかしたらショウ達もこの世界に来てるかもしれないと思い、私は新たな生きる希望と目的を見つけた。
その目的はショウ達を探すということだ。
若干無理な感じもするが私は永い時を生きるエルフ、探す時間はまだまだあると考え、逃げ続けながらショウ達を探し続けた。
そんな生活を始めて六年。ここ最近では世界中のあちこちで争いが起こり物騒な世界に変わった今、私は絶賛戦争中の東の大陸の森の中で暮らしていた。
そこで私は六十六年ぶりの再会を果たしたのだ。