星華の過去~昼食~
リアお姉ちゃんに連れられ森の奥にどんどん進んでいく。
奥に進むにつれ、太陽の光が当たらなくなっていき先程よりも鬱蒼としていた。
「もうすぐ私の家に着くからもう少しだけの辛抱だよ」
ちょくちょく私の様子を見ながら歩いてくれるお陰で私はそれほど疲れずにするでいる。
しばらく歩いていくと木々が大きくなっていきいわゆる大木というやつばかりが生えていた。空を見上げても枝に生える葉っぱ達が大量に重なりあい完全に空を覆い隠していた。
「見て見て星華。あそこが私の家だよ」
リアお姉ちゃんの指す方を見ると周りの大木よりもはるかに大きい木の根元に一軒のシンプルだが立派なログハウスが建っていた。
「さっ、早く家に入ってご飯にしましょ」
「うん」
家の中も外見にそぐわないぐらいとてもシンプルだったが、どことなく懐かしい面影のある感じがした。
「あっ、別に靴は脱がなくていいよ」
私は脱ごうとした靴を履き直しリアお姉ちゃんに付いていく。
玄関からまっすぐ進んだ突き当たりの部屋を開けるとそこはダイニングとリビングが一緒になっているリビングダイニングという場所だった。
「ここで座って待っててね。すぐに用意するから」
そう言われ私は机かけられている椅子に座り部屋の中を見渡す。
リビングに位置する床に敷かれている何かの獣の毛皮があったり、リビングとダイニングの中心には暖炉が置かれてあったり、後ろを見れば窓から外の景色が見えたりとかなり居心地のよさそうな部屋だった。
「お待たせー。はいどうぞ」
リアお姉ちゃんが持ってきたのはバスケット一杯に入ったパンにダブル目玉焼きと適当な何かの野菜のサラダが乗った皿を二つ持ってきた。
バスケットを机の中心に置き、私の席と目の前の席に皿と箸を置きそのままリアンユも椅子に座る。
「どうぞ召し上がれ」
とりあえずバスケットに入るパンを取り一口サイズに千切り口にいれる。
「どう? そのパン今日の朝に焼いたものなんたけど」
味事態は私が今まで食べてきたパンと変わらなかったが何でだろうとても美味しく感じる。
夢中に食べ続ける私に安心したのかリアお姉ちゃんも嬉しそうな顔をして食べ始めた。