二度目の旅立ち
「こんな感じかな。どう?」
ニャルトと話終えた僕らは中央大陸に行くため港へ向かいよる途中で真っ白くて味気ないままのミエの服を変えるためミカの時にも寄った店で新しい服を買っている。
「あぁ似合ってるぞ」
「そお? まぁミカと色違いのお揃いだしね」
ミカと同様メイド服みたいな格好だがミエの着ているのは青をメインとした色合いをした服で落ち着いた印象に見える。
髪もミカと反対側の左側の前髪を三つ編みし青紫色の花の髪飾りをつけている。
「でもホントに良かったのか危険な目に会うかもしれないんだぞ」
「今更何言ってるのよ。私もミカも覚悟を決めた上で言ったんだから。ねっ」
「はい、私もショウの役に立ちたいからここにいるの」
そうあの話し合いの後、ミカとミエが急に一緒に付いていくと言い出したのだ。
最初は他のレイスの人達と一緒に城に居るべきだと言ったがどうしても付いていくと聞かなかった。決定打として『回復術が使える人がいないでしょ』と。それを言われてはもうどうしようもなく結果今に至るわけだ。
「おい、終わったならさっさと行くぞ。もう既に親書を預かっている使者が港に着いているかもしれないしな」
「そうだね。じゃあみんな行こうか」
アルナールがあの時ニャルトに書いてもらった親書の内容は魔族の王の復活が近づいているため二か国で僕らに協力することを申請する内容となっている。
それを了承したニャルトは書き終わり次第、使者に港まで持っていくという約束になっている。
「アルナール。ホントに星華について知っているのか」
「あぁ今回のことで確信したよ」
「そうなんだ」
具体的な作戦内容や星華についての話は船の中で話すと言われ僕らは未だに何も知らない。
「彩姫・・・・・・」
先頭を歩くアルナールと僕と後方を歩く龍太、ミカ、ミエの真ん中を歩く彩姫はずっと暗い顔をしたままだ。
「翔天、今は何も話さない方がいい」
「・・・・・・うん・・・・・・そうみたいだね」
何故あのような状況になってしまったかは聞いている。彩姫が自分を責める癖があるのは知っているが今回ばかりは僕らもフォローの言葉が思い付かない。
「翔天、お前があいつを大切にしているのは分かっている。だけど今は星華を助けることだけ考えてろ」
「・・・・・・」
僕らの中で様々な感情が蠢く中、僕らは港に向かって歩き続けた。
港に着いた僕らは使者から親書を受け取り今にも出そうな船に乗る。
短いようで長かったこの国だが僕らはそこでいろんな世界の過去を知り辛い思いをした。
そして各々が様々な思いを胸に次の大陸に向かう。