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異世界で始まる英雄伝説  作者: 松原太陽
四人の英雄
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彩姫

 「みんなずいぶん大人ぽっくなったね。特にホノちゃんは綺麗になったね」

 「えー、アヤちゃんの方が私より綺麗だって」

 七年ぶりの再会に星華と彩姫は楽しそうに話している。

 「はぁー、まさか四人目の神器使いが彩姫だったとはな」

 頭を掻きながら拍子抜けした顔で龍太は言っていたが少し嬉しそうに見えた。

 もちろん僕も嬉しくないわけがない、あの時守りたかった人が今こうして目の前にいるのだから。

 気がつくともうすぐ太陽が沈んでしまいそうだった。

 「なぁ彩姫、急で悪いんだが僕らと一緒に革命軍の拠点に来てくれないか」

 突然の申し出に彩姫はしばらく悩んでいたが「いいよ。」と言ってくれた。

 そして僕と龍太は落とした神器を回収して、ピッーーと指笛を鳴らし待機していた馬三頭をこちらに呼び、僕らは馬に乗った。彩姫は馬がないので僕の後ろに乗せることにした。

 「暗くなる前には森を抜けたいから急いでいくぞ」

 「あぁ。」「わかった。」と二人から返事が来たので馬を走らせた。

 「わぁー、私初めて馬に乗ったよ。それに三人共馬に乗れるなんて凄いね」

 初めて馬に乗った彩姫はとても楽しそうで無邪気な子供に思えた。

 そんな彩姫を後ろの二人がクスクスと笑っていた。

 しばらく森の中を走っていたら、彩姫が何か疑問に思ったらしく話しかけてきた。

 「ねぇ、何でわざわざこんな迷いやすい森の中を通る必要があるの。革命軍の拠点の場所を聞いたけど通る必要ないよね」

 彩姫の発言に僕らは、嫌な予感がした。

 「なぁ彩姫、もしかしてこの森で迷った?」

 どうやら図星だったようで顔を赤らめながら叩いてきた。

 「ちょ、痛い痛い。叩くの止めろ馬から落ちたらどうするんだよ」

 彩姫は昔から方向音痴で油断するとすぐ迷子になるからよく三人で注意したものだ。

 「うるさいなぁー!! いいから教えてよ!!」

 叩くのは止めたくれたが、まだ怒っているようでぶつぶつと何か文句を言っていた。

 「わかったちゃんと教えるから機嫌を直してくれ」

 まだ不機嫌そうだったが大人しくはしてくれたようだった。

 「こうやってわざわざ森の中を走るのは、革命軍の拠点がこの森の中のどこかにあると敵に思わせるためなんだ」

 彩姫はまだ少し理解しきれていないようだったので龍太が詳しく説明してくれた。

 「革命軍は、敵の拠点に行った時とか敵に遭遇した時は、こうやって森の中に入って移動するんだ。全員がこうすることで森の中に革命軍の拠点があると敵に思わせることができるんだ」

 龍太の説明に彩姫も納得したがいずれバレるのではないかと聞いてきたので、その事は、星華が答えた。

 「革命軍の拠点は村の近くにあって何回かバレそうな時もあったけど拠点の見た目が宿屋にしか見えないし地下に作戦室があるからここが革命軍の拠点だとは気づかないの」

 その説明にも納得したが心配性の彩姫は村に危険がおよぶ恐れがあるのではないかきになるらしい。

 「その点も大丈夫だと思うよ。あの村は一応敵国の領土だから下手な真似はしないと思うし、それに革命軍は周辺にある村の住人達で結成されてるから多分問題ないと思う」

 やっと彩姫も納得してくれたようで「ありがとう。」と言い静かになった。

 「もうすぐしたら森を抜けるからみんな念のため周りを確認しといてくれ」

 周りを確認しながら森を抜けるともう辺りはすっかり暗くなっていた。

 

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