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異世界で始まる英雄伝説  作者: 松原太陽
魔女の爪痕
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油断

 おかしい。何かがおかしい。

 アストロギアもそうだが魔女の様子もおかしい。

 こちらの攻撃を交わすばかりで反撃してこようてしていない。一体何を狙っているんだ。

 「であぁぁあ!」

 「愚かですね~。その程度の攻撃が私に当たるとでも」

 ふざけたやつだ。避けてばかりで一切攻撃を仕掛けない。しかも僕とアルナールの攻撃を何も使わずに避けている時点で僕ら二人とアストロギアにはかなりの実力差があるということだ。

 「はああぁぁぁあっ!」

 隣を見ると彩姫の右左のコンビネーションで辛うじて相手を捉えているがギリギリのところで受け流されている。

 「もうさっきから何なのよ!」

 「落ち着いてアヤちゃん。きっと何か方法があるはずだから」

 彩姫にもだいぶ焦りが見えてきた。もしかしてこいつらは僕らを焦らして何かをするつもりかと思ったがその場合あいつらに何のメリットがあるのかわからない。

 チラッと後ろを見ると兵士達がこの部屋から出ていく姿が見える。

 「龍太が無理矢理抉じ開けたのか・・・・・・なあアルナール」

 「あん? 何だよこんなときに」

 「このままじゃ切りがないから後ろの兵士達が全員脱出したら・・・・・・」

 「この部屋を焼き尽くすほどの属性解放をしろ、だろ」

 まさかアルナールも同じこと考えていたとは思わなかった。

 「お前の考えてることなんてお見通しなんだよ」

 「アルナール・・・・・・よし、なら僕が合図したら頼む」

 「あぁ分かった。しっかりとトドメをさせよ」

 「任せて」

 今のアルナールとなら絶対に上手くいくはずだと思っていた。

 「イッヒッヒッヒ作戦会議は終わりましたか~」

 「あぁ終わったさ」

 「さてさてどのような手で来るのかな~?」

 余裕そうな態度を見ていると無性にイライラが止まらない。

 「五秒後に行くぞ」

 「おう」

 アルナールの炎の渦で閉じ込めれば必ず勝てる。そんな気しかしてこない。 

 きっとこの時僕は油断していたのかもしれない。何故なら僕は背後でセバスがミカとミエを魔女に引き渡していたことに気付けなかったから。

 

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