ミス
「おいセバス大丈夫か!」
「うっ・・・・・・あぁ少し頭が痛いがとりあえずは大丈夫だ」
みんなが戦っているなか俺はミエとミカを担ぎ瓦礫の下敷きになっている兵士達の救助をしている。
「翔天達の姿が見えないな。なぁお前の仲間はどうしたんだ?」
「ん? ショウ達ならほら」
後ろの方に視線をやりセバスがそちらを見ると驚愕の表情をしていた。
「い、一体何が起こっているんだ」
まぁ無理もないだろう。魔女の放つ魔法を次々と跳ね返し進む星華と隙ができた瞬間に魔女に攻撃をいれていく彩姫。そしてアストロギアとはウンディーネのサポートを受けながらショウとアルナールの反撃を与えない連続攻撃。セバスの目にはこれがかなりハイレベルな攻防に見えているかもしれないがそれは違う。
何故ならまともに当てた攻撃が星華の最初の不意討ちだけで他の攻撃がかするだけで決定打にはなっていない。
「セバス今すぐ兵をまとめて出口の方まで行ってくれないか」
「何を言っているんだ君は。この状況で我々だけが逃げるなんて・・・・・・」
「悪いがあんたらがいると足手まといなんだよ。出口の方は俺が開けといたから速くしろ」
だがセバスはすぐ動かずその場で何か考え事をしている。
「いいから速くしろって。今は自分達の身の安全の確保が先だろ!」
「・・・・・・分かった。龍太の言う通り私達は今すぐ撤退することにしよう」
「ありがとな。後ついでにこいつらを任せていいか」
俺は担ぐミエとミカをセバスに見せる。
「分かりました。彼女達は責任をもって私達が守ります」
ミエとミカをセバスに渡し俺は軽くなった右肩を回す。
「じゃ任したからな。あいつらはまだミエとミカを狙っているから油断はするなよ」
「あぁ。君も油断して足元を掬われないようにな」
「もちろんだ!」
そう言いながら振り返りショウ達の加勢に向かう。この時セバスがニヤッと笑ったことに俺は気づかなかった。