アルナールと特訓
次の日の朝、龍太は城の近くの森でアルナールに属性解放についてのレクチャーを受けていた。
「さすがだなそこまで出来りゃあ大丈夫だろ」
「ありがとな。朝五時から三時間も付き合ってくれて」
「ホントだぜ。こんな朝早くから付き合わさせるこっちの見にもなってみろよ」
そう言いうや欠伸をするアルナールを見るとまだ疲れが残っているのだろうかちょっとした罪悪感が襲ってくる。
「ホントにありがとな。このお礼はいつかするよ」
「あぁ? 別にいいよそんなの。あいつをぶっ飛ばしてくれるなら俺はそれでいいんだから。それにずっと一人で特訓しているお前に言いたいこともあったしな」
「見ていたのか」
収容所にいた龍太は初日に自分の属性を知ってから翔天や彩姫、アルナールの属性解放をする姿ややり方などをイメージしながら属性解放の特訓をしていた。
「でもまぁ今日はホントありがとな一人では絶対に出来なかったからな」
仕組みは分かっても中々出来るものではなかったためこうして属性解放術に詳しいアルナールに教えてもらえたのでなんとか属性解放術を身に付けることができた。
「後は神の細胞を使った属性解放術を身に付けれればいいんだけどな」
指を擦ると簡単に火花が出せるレベルまで属性を使えこなせるようになっていたがまだ翔天とアルナールの使った属性解放術の上位版がまだ出来ない。
「焦るなよ。あれは教えて出来るようなものじゃないからな。まぁこれだけの短時間で属性解放術をマスターしたお前なら近いうちに出来るかもな」
「近いうちにか・・・・・・そうだな今は属性解放術を使えるようになっただけでもましか」
「そう言うことだ。俺はまだねみーから部屋に戻るわ」
また欠伸をするアルナールは城に戻ろうとするのを龍太は止めた。
「なんだよまだ何かあんのか」
「あぁ一つだけお前に聞きたいことがあるんだ」
これを聞いていいのか分からなかったがあいつの幼馴染である以上どうしても聞かなければいけないそんな気がした。
「アルナール、お前は星華が何を隠しているのか知っているのか?」
なんだかアルナールは気まずそうな顔をしている。
「・・・・・・俺も詳しくは知らねーよ。けど知っていた所で教えるつもりはない」
「なんでだよ」
「人ってのは他人に知られたくない秘密があるだろ」
そう言われると返す言葉がない。
「あいつが隠していることはお前らが思っているよりもかなり重いものだ」
「俺達が思っているより・・・・・・」
星華が何を隠しているのかは全く検討がつかない。けどそれなら俺らは俺があいつに出来ることは。
「そうだよな。アルナールの言うとおりだよな。悪いな呼び止めてしまって」
「そうかなら今度こそ俺は部屋に戻って寝るからな」
やっと解放されたと言わんばかりに背筋を伸ばすとアルナールは城の中に入っていった。
「あいつが抱えているものがどれだけ重かろうと俺達が傍で支えてやればいいよな」
そう決意した龍太はもう少し属性解放術の特訓をしようとそのまま森の中に居ることにした。