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異世界で始まる英雄伝説  作者: 松原太陽
魔女の爪痕
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アルナールの真実

 「おっ来た来た」

 ニャルトに案内してもらった部屋はかなり広い部屋で大きなテーブルを複数の椅子が囲っている。

 この部屋に着いて八分ぐらいして星華を連れたアルナールが入ってきた。

 「遅かったな」

 「悪いな少し迷ってな」

 そう言いながら星華をリードするアルナールはそのまま部屋にある椅子の所まで行き星華を座らせた。

 「ありがとうアルナール」

 笑顔にお礼を言う星華に少し照れている。

 「ねぇショウ」

 「どうしたの彩姫」

 「アルナールってあんなキャラだっけ?」

 彩姫の言いたいことは分かる。目の前にいるアルナールはやはり地球人を全滅させたアルナールとは思えない。

 「アルナール先になんで僕達を殺したのか教えてほしいんだ」

 「・・・・・・」

 これに関しては絶対に聞かなければいけない。

 少し考え込んだアルナールは適当な椅子に座りそれに倣うように僕らも座るとアルナールが話し出した。

 「まず言わなければならないのは俺は長い間ある奴に洗脳され操られていたんだ」

 「えっそれって」

 「あぁ俺がどうしても勝てないあいつ・・・・・・アストロギアにな」

 龍太は先に聞いていたのだろう冷静に話を聞いていたが星華は少し険しい表情をしている。

 「じゃあアルナールはそのアストロギアって奴に操られて私達を殺したっていうこと?」

 「あぁそうだ」

 つまりあの時のアルナールは操られて僕ら全人類を殺したのか。

 「でも何でアストロギニャはそんな命令をしたのニャ?」

 聞こうと思っていたことを何故かニャルトが先に聞いてくれた。

 「・・・・・・気分転換だ」

 「きぶんてんかん?」

 まさかそんな理由だけで全人類を殺させたのか。

 「あいつはある目的のためにワケわからん実験をしてなそれで実験に詰まると俺に別の星に行かせそこの人達を殺させるんだ」

 「そんなことって・・・・・・」

 イカれてる。そう考えるとアルナールが言った台詞はアストロギアが言ったと同じような気がしてきた。

 「あいつは人の悲鳴を聞いて喜ぶような変態なんだよ」

 アストロギア、たったこれだけの内容でとんでもないイカれた奴だというのが分かる。

 「つまりアルナールは自分の意思で殺ったってことじゃないんだよな」

 「そう言うことだ」

 「ならどうやってその洗脳を解いたんだ」

 たぶんこのことも龍太は聞いているのだろうただじっと黙っている。

 「翔天のおかげだよ」

 「えっ」

 「翔天との戦いが、言葉が、優しさが俺に抵抗するだけの力をくれたんだ」

 だからあの時、優しい顔をしていたのかと納得する。

 「アルナールに何があったか大体分かったから・・・・・・今度はアストロギアが何をしようとしてるか教えてくれないか」

 「後、封印の扉についてもだ」

 ついに口を開いた龍太だがまだ封印の扉を気にしていたとは思わなかった。

 「それを話すにはお前たちには千年前に何があったか教えなきゃいけないんだ」

 「千年前ってことは先代の英雄と魔族が戦ったときのこと?」

 「その通りだ」

 星華の読みは当たっておりこれからアルナールは千年前の争いのことを話そうとするが。

 「俺一人では無理な所もあるから彩姫、ウンディーネを呼んでくれないか」

 「う、うんわかった」

 いきなりウンディーネの召喚を頼まれた彩姫はボソボソと何かを呟いていた。

 きっとウンディーネに大丈夫か聞いているのだろう。 

 「来たわよ彩姫」

 彩姫の横で光が弾けるように現れたウンディーネにニャルトはテンションをあげていた。

 「すごいニャすごいニャ! 本物の精霊に会うのは初めてニャ!」

 「まさか召喚士だったとは思いませんでした」

 セバスも感心している中ウンディーネはアルナールをじっと見ている。

 「千年前の争いを話すつもりなのね」

 「あぁそうだ。お前が何で話してないか知らないがこれからのことを考えると話すべきことなんでな」

 「そう」

 どうやらウンディーネも千年前の争いについて何か知っているらしい。

 「ウンディーネも千年前のことを知ってたの」

 「当たり前だ。そこにいる精霊は千年前に英雄の一人と契約していたからな」

 どよめきが走る。ウンディーネの言う先代の召喚士が千年前の英雄の一人だとは思いもしなかった。

 「そうなのウンディーネ」

 「黙っていてごめんなさい。時が来れば話すつもりでいたから」

 「ううん。別に責めていないから謝らなくてもいいよ」

 彩姫が謝るウンディーネの頭を撫でながら慰めている間少し疑問に思ったことがある。

 「アルナールやけに千年前のことに詳しいけど何でなんだ」

 「あっそれ私も思っていた」

 どうやら龍太や彩姫、セバスも同じことを聞こうとしていたらしい。

 「それは俺が魔族だからだ」

 こればっかりは考えもしなかった。

 アルナールが同じ人間ではないと言ったのはこういうことだったのか。

 「正確に言えば魔族と人間の間に生まれたハーフだけどな」

 さらに驚きが走る。魔族だけでも驚きなのにさらにハーフだと言われだいぶ頭がパニック状態で既にニャルトが混乱している。

 「いろいろ言いたいことがあるかもしれないが質問は千年前の争いを話してからだ」

 そう言うとウンディーネが彩姫の横からアルナールの頭上まで移動し漂っている。

 アルナールがゆっくりとみんなの顔を見渡しウンディーネとアイコンタクトをとると昔起こった争いを語りだした。

 

 


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