四人目の神器使い
「そ、それは、本当なんですかフレデリカ師匠」
「あぁ、おそらくな」
フレデリカの言ったことが未だに信じられなかった。だって僕や龍太、星華と同じ神器使いがこんな簡単に現れるとは思っていなかったからだ。
「かなり曖昧だな。本当にいたのか?」
フレデリカの言い方に対し龍太も不思議に思ったらしくあまり信じていなかった。
「ねぇ、四人目の神器使いはどこで見つかったの?」
星華は首をかしげながら問いかけると、フレデリカは机の上に置いてある報告書を手に取った。
「そうだな、まずお前らここ最近敵の数が減っているのは知っているな」
僕らは頷くと、フレデリカは報告書の内容を話し出した。
「三日前、敵の拠点に偵察に行った者の報告によると、たった一人で拠点にいる敵部隊を全て壊滅させたらしい」
僕らは驚きを隠せなかった。
なぜなら敵は少なくとも一部隊五十人近くいるからだ。
「さらにそいつは両手にナックルの武器をつけており甲の部分には黄色い宝玉らしきものもありその威力は凄まじいものだったと報告がきている」
フレデリカは報告書を読み終え机の上に置き、ふぅーっと息を吐き視線を僕らの方へ向けた。
「そいつが使ってる武器に宝玉がついているということは、その武器が神器の可能性は充分、有り得るな」
報告書の内容を聞き僕は、龍太と同じ意見だった。神器はどこかに宝玉がついているらしく、僕ら三人の神器にも宝玉がついているのがなによりの証拠だ。
そこで星華が今日呼ばれた理由に気づき、
「てことは私たちを呼んだのってもしかしてこの人を探すってこと?」
「話が早くて助かるよ星華。今日お前達の任務はこの神器使いを見つけだしてここに連れてきてほしいんだ」
どうやら星華の勘は当たったようだ。
「わかりましたフレデリカ師匠。でも一体そいつがどこにいるかわかるんですか?」
しかし、フレデリカは首を横にふった。
「おいおいおいおいおい、どこにいるかわからない奴を俺達に探せってそれは無理な話だぜ」
たしかに当てもなく探し回るのは僕も嫌だ、けど星華は、そんなことも気にしていないようで今すぐにでも探しに行きたそうだった。
「なんで星華はそんなにやる気なんだよ、ここら辺を探し回るのにどれだけ時間がかかると思ってるんだよ」
「え?だって私達と同じ神器使いがいるんだよ、会って友達になろうと思うでしょ普通」
さすが星華は相変わらずすごいポジティブな考え方をしているなー、などと思っているうちに、
「おいお前ら少し落ち着け、たしかにどこにいるかはわからないが心当たりが無いわけでもない」
騒ぐ僕らを落ち着かせ彼女は、ここから北東の方に敵の拠点があるらしくもしかしたらそこに現れるかもしれないと言い、僕らは闇雲に探すよりましだったのでその拠点に行くことにした。