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異世界で始まる英雄伝説  作者: 松原太陽
魔女の爪痕
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再開、悪魔の男アルナール

 「身体調査はこれで終わりだ。次のをやるぞ」

 あのあと研究員の奴らに別の部屋に連れていかれた龍太は身体調査をされていた。

 「案外普通だったな。で次は何をするんだ」

 「お前がどのような魔法を使えるか調べるんだ」

 そう言われ渡されたのはたくさんのケーブルがついてるヘルメットを渡された。

 「これは?」

 「いいから被れ。それを使ってお前からどのような属性と魔法があるのか調べるからさっさと被ってその椅子に座れ」

 「はいはい」

 近くにある椅子に座りケーブル付きヘルメットを被る。

 「おーい被ったぞー」

 「言われなくてもわかってる。ったくなんなんだこいつは馬鹿にするような態度ばっか取りやがって」

 良い感じにイライラしている研究員を見て龍太は良いぞと思っていた。それはみんなで話し合った結果、研究員を可能な限りイラつかせ口を滑りやすくして情報を得るという作戦だ。

 「なぁそんなの調べて何か意味があるのか?」

 「んぁ? 上からの命令なんだからこの作業に何の意味があるかなんて俺が知る分けねーだろ」

 「よくそんなんで研究員をやってるな」

 「うるせー! 俺は植物専門なんだから仕方ねーだろ!」

 この研究員は思ったよりも口が軽く次から次へと新しい情報が出てくる。

 「その上からの命令ってここの所長かそれとも国王とかか」

 「うるさいなー。こんなこと国王が知るわけないだろ。こんなことバレたらかなりの問題だからな」

 良い情報を入手してしまったようだ。

 今ので国王が関係してる可能性は低く推測だが国王もこの研究所のことを解呪のためにあるものだと把握しているに違いない。

 「それじゃあ始めるから大人しくしてろよ」

 「はいはい分かりましたよ」

 これ以上聞けることも無さそうなのでこな情報をみんなに伝えたいためさっさと終わらせることにした。





 「今日はこれで終わりだ。おいこいつをとっとと収容所に戻しとけ」

 だが兵士は来ず研究員はまたイライラしていた。

 「近くにいねーのか?」

 ケーブル付きヘルメットを外し少し立ちくらみはしたが何とか立ち上がることはできた。

 「まさか電流がくるとは思わなかったよ」

 「それはすまなかったな」

 「そらよりも今ので俺の属性が分かったのか? できれば教えてほしいんだが」

 少し怪しくこちらを見る研究員に深入りしすぎたかと焦ったが軽いため息をつくとモニターを見て属性を教えてくれた。

 「お前の属性は雷で使える魔法は全属性の攻撃魔法だな」

 属性だけでなく魔法の種類も教えてくれたことにわりかし悪い人ではないかも知れないと思ってしまう。

 「なるほど俺は雷か。教えてくれてありがとな」

 「別に教えたところで何か変わるわけでもないからな」

 その通りだが属性さえ分かれば自分が属性解放術を使える可能性がある。

 「新しく入った奴の調査はどうだ?」

 「一体誰だこいつの迎えの兵士か」

 「確かにこいつの迎えに来たが俺は兵士じゃないぞ」

 「じゃあ一体何なんだよ」

 影に隠れているせいか研究員と話している人の顔を見れないが声には聞き覚えがあった。

 「俺はここの所長の側近みたいなものだよ。ほら証拠に所長のサインのかかれた紙だ」

 「ほ、ホントだ。これは間違いなく所長の字だ。所長の関係者とは知らずとはいえ大変失礼しました」

 「あぁ次からは気を付けろよ」

 「は、はいっ」

 所長の関係者はこちらに近づいてき影に隠れた顔が露になった。

 「お、お前は!」

 「ほう。中々の数値だなさすがは帝都バーネリアの英雄の一人だ」

 通りで聞き覚えのある声だ。今目の前に立つ男は帝都バーネリアを争いの場にし翔天の大切な師匠であるフレデリカの命を奪った悪魔の男アルナールだった。

 「アルナールっ! なんでお前がこんなところにいるんだよ」

 「それはこっちの台詞なんだけどな、取り合えずお前を収容所に連れていかなきゃいけないからな」

 「あっおい!」

 無理矢理引っ張られたため龍太は転けそうになったがなんとかバランスを保つことができた。

 「それでなんでこんなとこにいるんだよ」

 「なんでそんなことをお前に言わなきゃいけねーんだよ」

 「ここに封印の扉が有るかもしれないからか」

 揺さぶりのため前にアルナールを連れていった謎の女が言った単語を言ってみた。

 「・・・・・・なるほどあの四人の中では頭の切れる方だ。まさかそうくるとはな」

 「つまり俺の言ったことは正解ということか」

 「正確には半分正解で半分は不正解といったところかな」

 曖昧な返答をしてきてイラッとしたがこいつは元々自分等の敵であるため返してくれただけでもありがたい方だ。

 「俺も一つ聞くがお前がここにいるということは翔天がこの国にいるということだよな」

 「そんなことを聞いて・・・・・・まさかまたショウに何かするつもりか」

 前みたいに翔天が怒りで我を忘れることはないと思っているが万が一のことがあるためあまり接触してほしくない。

 「その様子だとこの国にはいるようだな。安心しなアイツと少し話をしたいだけだ」

 「話って」

 「お前には関係ねーよ」

 気づけば収容所の前まで来ていた。

 「ほらとっとと入れ」

 押されるように収容所に入るとき耳元でアルナールが囁いてきた。

 「この国をどうかしたいならそこのピンク髪の女と一緒に今すぐここを出ろ」

 「っ!? それってどうい・・・・・・」

 聞き返す間もなくドアを閉められアルナールはそのまま収容所から離れていった。

 「あいつは一体何を考えてるんだ」

 「どうしたの龍太?」

 後ろから心配そうにこちらを見るミエの姿があった。

 「あっあぁ、別になんでもないよ」

 「なら良いけど困ったらちゃんと相談してね。私達は仲間なんだから」

 「わかってるよ」

 何故ミエだけを連れて逃げなければいけないか分からなかったがアルナールは決して嘘をついてる訳ではなかった。

 もしかしたらあいつの言う通りにした方がよかったのかもしれないが今はみんなでやることがある。それが終わってからみんなで逃げだしても遅くはないだろう。

 「さっ、龍太早く話し合いを始めましょうか」

 「あぁ」

 話し合いをし終わった龍太達は兵士達が持ってきたご飯を食べそのまま寝ることにした。

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