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異世界で始まる英雄伝説  作者: 松原太陽
四人の英雄
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二人の幼馴染

 「遅れてすみませんでした!!」

 翔天は勢いよく部屋に入りそう言うと辺りを見渡しリーダーが居るか確認したが居たのは二人の幼馴染だけだった。

 「ふぅ~、よかったまだいないみたいだな」

 リーダーが居ないので助かったと安心していたが二人が哀れむような表情でこっちを見ており、なんでそんな顔で見てるのか分からなかったがそのわけがすぐわかった。

 「遅れておいてその態度はなんだ翔天」

 突然、そんな声が聞こえ、恐る恐る後ろを振り向くとそこには、革命軍リーダーのフレデリカ・コートネイが立っていた。

 身長は自分より数センチ低いがそれでも女性のなかでは高いほうでいつものように全身に鎧を着けているがそれでも彼女の体が細いことがわかる。凛とした顔立ちは今は険しい表情をしていた。

 フレデリカは長いミルクココアみたいな色をした髪を払いながらこちらを睨んできた。

 「お、おはようございますフレデリカ師匠・・・・・・そ、それで・・・その一体いつから後ろに?」

 「お前が部屋に入ったときだ! まったく、今日は大事な話があるから時間通りに来るように言ったのにまさか寝坊するとは思わなかったよ」

 少し呆れたようにフレデリカは喋っていたがまだ怒っているようだった。

 「すいませんでしたフレデリカ師匠、次からは気をつけるのでどうか今回だけは」

 頭を下げて謝る翔天に対しフレデリカは未だに怒ったままだった。

 「まぁ、昨日ショウは遅くまでがんばってたんだからそのへんにしといたらどうだ?」

 「そうだよ。だからフレデリカももう許してあげようよ。ショウもちゃんと反省してるみたいだし」

 二人の幼馴染、重光龍太(しげみつりょうた)山城星華(やましろほのか)のフォローのおかげでフレデリカも少しは機嫌を直してくれた。

 「たしかに昨日はがんばってくれたし今日のとろは許してやる。だが次はないからな」

 そう最後に念押しフレデリカは部屋の中の自分の席に向かっていった。

 「朝から大変だったな」

 龍太は皮肉めいた感じにそう言い肩に手を置いた。

 「うるさいなぁ。同じ部屋なんだからお前が起こしてくれればよかっただろ」

 「忘れたのか?俺が毎日、朝五時から魔法の練習してるのを」

 たしかにそうだった龍太が朝から魔法の練習をしてるのを翔天は今、思い出した。

 「別に起こしてもよかったけど、お前は絶対にあんな早くには起きれないと思うぜ」

 その言葉に翔天は返す言葉もなかった。


 ーー昔から龍太は、口が強くていけないや。


 龍太は僕と同じく七年前に道に迷ったところをフレデリカに助けてもらいこの革命軍で戦っている。

 龍太も転生はしたがあまり容姿は変わっておらず、あの人を食ったような顔は変わらず眼鏡のせいでよけいそう見えてしょうがない。変わったといえば右手の甲に不思議な痣があるのと髪が青みがかった天然パーマになったぐらいだ。

 彼は基本的に頭が良く魔法の術式もすぐに理解したためこうやって毎朝、魔法の練習をしているわけだ。

 「ショウ、落ち込むのはまだ早いよ。今からでも充分挽回するチャンスはあるから」

 星華は、明るく僕を励ましてくれた。


 ーー星華の周りを元気付けようと明るく振る舞う癖は、昔から変わらないな。


 星華とは三年前、龍太と一緒に任務へ行った帰りの途中、森の中にある川のほとりで野宿していたところに偶然出会った。

 最初見たときは誰だかは分からなかった。なぜなら風になびく銀色の髪はとても美しくその天真爛漫な笑顔は、まるで女神のようだった。

 その姿に見とれている僕らに気づいた彼女は、こちらに駆け寄り顔を確認して僕らの名前を当てたときは驚いたなぁ。

 一瞬なんで名前がわかったのかは疑問だったが彼女の言動から僕らは、星華だと気づいた。

 星華はいままで他の村で暮らしてたらしいが戦争に巻き込まれ、唯一の生き残りだった彼女はここまで逃げてきたらしい。

 その後僕らは、星華を連れて帰りフレデリカに紹介した。

 フレデリカと星華は割と話が合うらしくかなり長い間、何かを語り合っていた。

 結果、星華は戦争を止める手伝いがしたいということで今、革命軍にいる。

 ただ謎なのが右目から見える赤い目はとても綺麗なのに対し彼女は左目を前髪で隠していることだ。隠している訳を聞いたが話を逸らされてしまい分からずじまいだが、きっと秘密にしたい理由があるのだろう今はそんなに気にしていない。


 ーーこんな風にまた二人と話せるなんて夢みたいだな。


 しみじみそう思っていると、

 「なぁフレデリカ、そろそろ話を始めてくれないか」

 龍太がそう言い僕も星華もフレデリカの方を見た。

 「ん?あぁそうだな」

 フレデリカは一呼吸置いて話始めた。

 四人目の神器を扱う者が見つかったことを。


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