助けを求めて
暗い夜道を無差別に照らすライトを避けながら少女は走っていた。
「おいどこに行った!」
「あっちに足跡があるぞ!」
後ろから声が聞こえこちらに近づいてくるのが分かる。
「逃げなきゃ」
上手く木々を使い追っ手を払いながら少女はたくさんの灯りがつく街を目指す。
「ワンッ! ワンッ!」
「あそこにいるぞ!」
追っ手の連れた犬が少女の匂いに気付きどんどん近づく。
「いけない。早く逃げなきゃ」
必死に走っていたらあちこちこら犬の声が聞こえこちらに近づいてくるのが分かる。
「いたぞ! こっちだ!」
ついに見つかってしまい遠くにいた追っ手もこちらに集まってきた。
「よくも逃げたしたな。全員、こいつを捕らえろ!」
囲まれて逃げ道もない絶体絶命のピンチ。
「こうなったら・・・・・・」
急に少女から謎の突風が追っ手を襲う。
「なんだこれは!?」
「うわぁぁぁあ!」
次々と吹き飛ばされる追っ手は木や地面に体をぶつけ気を失っていた。
「今のうちに」
倒れる追っ手を跨ぎ、少女はまた街を目指して走っていく。
「待っててねみんな、お姉ちゃん。私が必ず助けを呼んでくるから」
自分を逃がしてくれたみんなのためにも少女は走り続ける。遠く離れる街を目指し、そこに自分達を助けてくれる人がいると信じて。
何時しか少女は暗い夜道へと姿を消していた。