平和のために
アルナールとの激闘から早くも一週間が経っていた。予定通りカールが皇帝陛下になりカールの指揮のもと町の復興作業が進んでいた。
ウンディーネの活躍により怪我人はでたものの死亡者はおらずほとんどの建物がすこし焼けた程度だった。
そして今、翔天達は謁見の間でカールと今後について話していた。
「うーんさすがに封印の扉は僕も知らないですね」
「そうですか」
あの謎の女性が言った封印の扉が気になっている龍太はここ最近その扉について調べていたが何一つわかったことがなかった。
「まぁ龍太もその話は後で、今はこれからどうするか話し合うんだから」
この状態の龍太は恐らくこの話し合いにはあまり喋らないだろう。
「それでカール陛下、これからこの国は何をしていくのですか」
この話し合いはとても重要なものでカールの考え方によっては翔天達と争うことになる。
「僕はこの国を世界平和のための第一歩としてまずこの大陸での争いを止めさせようと思っているんだ」
平和のためにはそれが一番いいのはわかるが問題はそれが簡単には出来ないことだ。
「カール陛下、口で言うには簡単ですが実際どれほど大変なものなのかは理解できていますか」
側近なのに相変わらず容赦のない佳子だがカールがそこを理解できているかどうかが重要だ。
「わかっているよ。禁じてもそれを無視して攻撃してくる者がいることはを」
そうなれば遠くないうちにまた何者かのにより帝都バーネリアが襲われるか分かったもんじゃない。
「えっじゃあもうお手上げってことなの?」
「いえ、私に二つほど提案があります。」
えっそうなのみたいな感じに佳子の方を向いたカールに笑いを隠しきれなかった。
「ねぇそれって何なの?」
完全にカール皇帝陛下を無視して話を進めてく二人になんとも言えない感じがした。
「まず一つは貴方達四人をこの国の英雄となって襲撃者の抑止力になってもらうこと」
悪くない考えだったがこんなことで英雄を名のっていいのかがわからない。
「それで二つ目なんですが・・・・・・」
「どうしたんだ何か言いにくいことなのか?」
モゴモゴする佳子に五人の視線が集まる。
「言う前に確認したいことがあるんですが・・・・・・貴方達は本当にこの世界を救うつもりなのですか?」
「当たり前だ。フレデリカ師匠とも約束したし僕達はこの世界を救う!」
四人の強固な意思を感じた佳子は意を決したように話した。
「二つ目はこの世界の覇権を持つ中央大陸の王都ギルガリアンの国王に会うことです」
「会うことで何か変わるの?」
「たぶんですがギルガリアンの国王は平和のために常に戦い続けていると聞いています」
なんとなくだが佳子が何を言いたいのかが分かった気がした。
「つまり僕達と国王で協力して争いをなくせってこと?」
「まぁ簡単に言えばそう言うことですね」
だがこれだけのことに佳子が言うのを躊躇っていたのかがわからなかった。
「ですが、国王はかなり厳格な人らしいので会って協力してくれるかどうかが問題なのですが」
こればかりはここで考えても仕方のないことだがこれでやることが決まった。
「つまり僕達がこの国の英雄になり、ギルガリアンの国王に争いを止めるための協力を担うということでいいんだね」
カールもそれでいいと言わんばかりに頷いており彩姫達もそれでいいと言ってくれた。
「じゃあ話も決まったことだし明日のパレードの準備をするよ」
「「「「えっ!?」」」」
初めて明日、パレードをやることを知った僕達は何のパレードか知らずに準備を手伝わされた。