覚醒・地
「馬鹿な……私の……私の洗脳術を打ち破るなんて……そんな馬鹿な……!?」
攻撃の手を止めたアストロギアは信じられないと後ずさる。
「見たかアストロギア! これが僕らの絆だ! お前ごときでは到底絶ち切ることのできない物だ!」
抱き締めていた手を離すと、真っ直ぐ剣をアストロギアに向ける。
「ここでお前を倒す! そして星華を魔族から完全に解放してやる!」
「私も自分の手でこの因縁を絶ち切ってみせる!」
二人の威圧にアストロギアはついに冷静な表情を止め、焦りと怒りを滲ませていた。
「人間風情が調子に乗るな!」
背中から数十本の闇の触手を生み出し、アストロギアの横腹目掛けて火の玉が迫っていた。
「なにぃ!」
ギリギリで避けるが微かに当たったのか服が焦げていた。
「私も……私も協力する!」
「ミカ……!」
「ミカちゃん……」
そうだ。別に一人で戦おうとしなくていい。二人最強で三人なら無敵。そう信じればどんな敵も怖くはない。
"それが答えか。なら我も力を貸そう。その意志を具現化した強硬の力を"
聞こえた、またあの声が。だが僕は返答することはしなかった。ただありがとうと思っただけで。
「いくぞ星華、ミカ。ここで決着をつけるぞ」
「うん。もちろんだよ」
「はい。精一杯サポートします」
力強く頷く二人に安心感を抱き、僕と星華は叫んだ――。
「属性解放……地神!」
「属性解放・氷神!」