最強の剣
「はい、これがショウの新しい剣だよ」
外に出てから三十分も経たないうちに剣を完成させた心結は布でぐるぐるに巻かれた剣を渡してきた。
何故、わざわざすぐに渡す剣をぐるぐるに巻く意味が分からなかったがそこは鍛冶師の何かがあるのだろう。
「開けてみていいか」
「もちろんいいわよ」
紐をほどき、布を剥ぐと赤い鞘に納まれた一本の剣があった。
「ちなみに鞘の色はショウのイメージカラーに合わせてみました」
ちょっと嬉しい心遣いに感謝しながら柄を握り、ゆっくりと抜いていく。
徐々に露になってくる銀色に光る刀身。手にずっしりとくる懐かしい重量感。試しに一振りするとブゥゥゥン! と空も裂くような唸りを上げ何か斬らなくても凄まじい切れ味があるのは分かる。
「これなら戦える」
確信を持って言える。今なら誰にも負ける気がしないと。
剣を鞘に戻し、腰に付けるとショウは心結にお礼を言い星華の所に向かおうとする。
「私が出来るのはこれだけだけど必ずホノちゃんを助けてこれるようここで応援してるからね」
そんな心結に「おう」と頷くとショウとミカはアストロギアと星華のいるこの大陸の北東の山に全速力で向かった。