爆撃の後
「いてて、一体何が・・・・・・」
目を覚ました龍太は何が起こったのか必死に記憶を辿る。
「そうだ、確か魔族が襲撃してそれで・・・・・・」
ようやく自分の身に何か起こったのか思いだし、自分の体を見ると掠り傷はあるもののどこも大きな怪我などはしていなかった。
「結構な爆発だったから大怪我してるかと思ったらそうでもないな」
自分の確認も終え、辺りを見渡すと何処もかしこも燃え尽き焦げた跡があり、あちこちで人が倒れているが死んでいる人は誰もいないようで微かに動いていた。
「みんな無事とは。案外魔族ってのは弱いのかもな」
などと鼻で笑いチラリと魔族が攻撃してきた場所を見るとそこには一人立っているミエの姿があった。
「良かった、ミエも無事のようだな」
だがミエはピクリとも動こうとはしていなかった。
「ん? ミエ、どうしたんだ?」
立ち上がり声を掛けようとしたときぐらりと体を揺らすとミエは地面に倒れてしまった。
「・・・・・・ッ! ミエ!」
急いで倒れたミエの元まで行き、抱き抱える。
「ミエ! ミエ! しっかりしろ!」
何回か体を揺らすがミエが目を覚ますことは無かったが幸いまだ弱くも生きがあるため少し安心する。
「良かった、ミエが生きてて。でもなんでミエだけ他の奴等に比べてこんなにも弱ってるんだ」
あの時、魔族の攻撃の時、ミエは俺の後ろにいたはずだからこんなに弱るはずがないのだがと思い、ミエの体を見ると他に比べて両腕が異様にボロボロで服の袖も焦げた跡が痛々しく残っていた。
「もしかしてミエ、お前・・・・・・」
ようやくミエだけがボロボロで俺やガイラル、他の兵士達が無事なのかを。
思えば魔族に攻撃されたとき、誰よりも早くにミエは気づいていた。
つまりミエの怪我は。
「防御魔法で俺達を庇ってくれたのか」