心結のインスピレーション
「大丈夫か心結?」
座り込む心結の所に駆け寄ると心結はポカーンと虚ろな表情をしていた。
「どうしたんだ心結?」
もしやさっきの魔族に何かされたのではと心配になり軽く肩を揺すってみる。
「おい、心結大丈夫か?」
「どうしたのショウ?」
遠くにいたミカも様子がおかしいと思ったのか顔を覗き込むようにこちらを見てくる。
「いや、心結の様子がおかしいくてさ」
「心結の様子が?」
ミカは心結の方を見て心結の目の前で何回か手のひらをひらひらさせるとハッとしたように心結は立ち上がった。
「助けてくれてありがとう。それじゃ」
それだけ言うと心結は駆け足で家に戻ろうとする。
「えっ、ちょっと心結」
「ごめんショウ。あいつらに襲われそしてそれを倒すショウを見て、今なんか凄いインスピレーションがきてるの。だから早く家に戻ってそれを形にしないといけないの」
早口でそれだけ告げると心結は一目散に家に帰っていった。
「あの~ショウこれは・・・・・・」
心結の行動にポカンとするミカに俺は苦笑いで答えた。
「何かを造る人は決まってああいうもんなんだよ」
「そう、なんですか・・・・・・」
「まぁ何はともあれ心結も無事だったし僕らも戻るか」
「はい」
だがいざ帰ろうとしたとき僕らはとんでも無いことに気づいてしまった。
「そういえばここは・・・・・・何処だ?」
「・・・・・・さぁ~何処でしょうか?」