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魔族登場
「心結!」
鬱蒼と茂る茂みを掻き抜けると目の前には心結の姿はあったがそこには二人組の人のようで人ではないものがいた。
「ん? なんだぁ?」
「また人間が来たのかなぁ?」
二人組の容姿はどちらも二メートルを超え、盛り上がる筋肉は岩よりも硬そうだ。だが何より人間離れしているところは緑色の肌に歪んだ顔、口元から見える長い二本の牙。
「ショウ!」
何が入った袋を抱き抱えたまま座り込む心結はかなりの恐怖を味わったのか怯えていた。
「ヒヒヒ、この人間の女も良さそうだがあっちの人間の女の方が良さそうだよなぁ?」
「あぁおらもそう思ってたところだよぉ」
二人組の話を聞く限り、ミカの事を言ってるのだろう。ミカもそれを察してか僕の後ろに隠れている。
「ショウ、あれって・・・・・・」
「あぁあれは魔族だ!」