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扉の前で
「いよいよだな」
「そうだね」
城へと移動し王様との謁見を得れた俺とミエは今、大きな扉の前で立ち尽くしている。
この扉の先にはこの国を納める王様がいる。そう思うと緊張のあまり手から汗が滲む。
「準備の方はいいか?」
「もちろん。私は昨日から準備はできてるわ」
こんなときでも強気な発言が俺の心を落ち着かせてくれる。
「その調子で本番も頼むぞ」
「ええ、サポートは私の得意分野だからね」
お互いに準備万端だと確認し終えると二人で扉に手をかける。
「じゃあ王様のご対面といきますか」
扉に力を入れるとギィ~とゆっくり開いていき、俺らは王様のいる謁見の間へと足を踏み入れた。。