102/142
交信を試みるが
ーーねぇ、いるなら返事をしてくれ。僕は君と話がしたいんだ
目を閉じ語り掛けるが返事は返ってこない。
ーー君はヴェルズムっていう名前なのか
だが何も返ってこない。
ーーせめて声だけでも聞かせてくれよ
いくら語り掛けても何一つ返ってくることはなかった。
「・・・・・・やっぱ駄目か・・・・・・」
今までこの声と話したときはどれも向こうから先に語り掛けてきており、更には僕が何かの選択を迫られたときとかに語り掛けているので薄々だが話すのは無理な気がしていた。
「・・・・・・もうしばらくやってみるか」
諦めずに何度かやればきっと話せると信じて数十分粘ってみたが話せる気がしなくなってくるだけだったので今日のところは止め、暗くなるまでの約一時間、ひたすら剣技の修練をつんだ。