私を守るもの
テスト一週間前。
内容暗いです。
私の友だちは、あまり学校に来ない。理由は、いじめとかそういうのではないらしい。よく分からないけど、私に頼ってくれるのが嬉しかったので、私は彼女を支えようと思った。
そう、思っていたのに――――。
教室の席が、合唱コンクールで優勝したご褒美として自由になった。男女の場所は決められていたけど、好きな子と同じ席になれるということが私は嬉しかった。
でも、その日彼女は来なかった。私には、他にも友だちがいたけど、その子も私の他に大事な友だちがいた。私よりも、いつも一緒にいるその子を選ぶことは分かり切っていた。
知ってる。私は彼女のために我慢しないといけないんだって。だって、私が仮に彼女を裏切って他の子のところに行ったら、彼女が学校に来た時に困るでしょう。でも、それは彼女が学校に来た時の話。来るかどうかも分からないことのために私が我慢して気を遣わなくちゃいけないなんて、もうそんなの疲れてしまった。
どうして私がいつも我慢しなくちゃいけないの?
つらいのは彼女の方。かわいそうなのは彼女の方。私はそんな彼女を支える役割。なんで?
私だって辛いし、悲しいし、寂しい。彼女は私が助けるけれど、じゃあ私は誰に助けてもらうの?
守ってもらえるのは、心配してもらえるのはいつも彼女の方で、私は我慢しなくちゃいけない。私は誰にも助けてもらえない。
「あの子、どうする?」
そんな声が聞こえてきた。
どうだっていいよ。分かったよ、私は一人でいればいいんでしょう。彼女がくることを祈って、一人で待っていればいいんでしょう。
私だって他の友だちと組みたいよ。どうしていつも彼女に縛られなくちゃいけないの。誰も気付いてくれない、私にとって彼女が重荷だってことなんて。
ほんとは、彼女と一緒にいるのがしんどい。来てくれたらいいけど、来なかったら私は一人じゃない。ずっと来なかったら私は新しい友だちを作ってその子と一緒にいられるけど、彼女はたまにだけ学校に来るわ。
そしたら、私は彼女のところに行ってあげなきゃいけないじゃない。
他の友だちのところに行ったら、いつもは来ないのに友だちが来ないときだけ来るなんて都合の良い子だ、なんて思われる。全部彼女の生なのに、どうして私がそんなこと思われなくちゃいけないの。どうして私が泣かなくちゃいけないの。どうして私がこんなに悩まないといけないの。
私が悪いの? 私が彼女を支え続けなければいけないの?
分かってる。彼女のことは好きだけど。でも、どうして? 他の友だちを作る権利が、私には与えられないの?
彼女を支えるのは私。じゃあ私を支えてくれる人は?
彼女が私を支えてくれるわけがない。学校に来たって、途中で帰ってしまったり、来てすぐに保健室に行ってしまう。結局それだったら意味がない。
保健室についていってあげたり、早退を見送ってあげたり、毎日毎日。どうして。なんで。
なんで私がこんなことしなくちゃいけないの?
分かってるよ。彼女は悪くない。しんどくなっちゃうのも、早退するのも、学校を休むのも。私が文句を言うような事じゃないってことは、分かっているよ。
でも、私はつらいじゃない。今もこうやって、悩んでいるのに。
逃げた方は、それでいいよ。でも、私は? 残された方はどうなるの?
ねえ、あなたはほんとに私のこと友だちだって思ってる? ただの都合の良い子じゃないの?
ノートを見せて、勉強教えて、気を遣って。でもね。
私ももう疲れたんだよ。あなたに気を遣っていられるほどの余裕はないんだよ。
でも、彼女はそんなこと知らない。知るはずがない。他人事みたいに、スルーするんだから。
仕方ない? なにが。仕方ないじゃないでしょう。体が弱い? 知らないよ、そんなこと。ごめんね? 謝ったら済むとでも思ってるの?
――――他にも友だち、作ればいいじゃない。彼女はそう言った。
出来ないに決まってるでしょう。あなたがいるんだから。他の友だちにも、友だちがいるの。うちのクラスの女子は偶数なんだから、あなたが休めば私が余るのよ。
英語でパートナーを見つけて話すときだって、私は一人ぽつんと席に座ったまま。だって、誰も私の相手なんてしてくれないんだから。
みんな、私には彼女がいると思ってる。でも、彼女は学校に来ないのよ。彼女がいるから大丈夫なんて、こんな状態で言えるわけないじゃない。
みんなは、知らない。私がつらいと思ってること。みんなは、知らない。私が苦しんでいること。
みんなは、知らない。私のこんな醜い気持ち。みんなは、知らない。何も知らない。
私を守ってくれるものなんてない。毎日を適当に過ごして、好きな人とペアを組んでくださいなんて嫌味な命令にため息をついて。
黙って耐えて、クラス替えを願う日々。でもね。
私たち、一緒になるんだよね、クラス。だって、あなたの友だちは私だから。だから私は逃れられない。いつまで経っても、あなたと一緒。
今年も、去年と同じ。ペアの子、どうしようかなあ。
なんで私は書きながら泣いているんでしょーか。
ぼろぼろ。あーキーボードが濡れちゃうよー。




