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『 食べる食べられる 』

作者: 熊亀

「丸焼きにして」


口の辺りがギトギトテカテカ。

そいつは悪びれもせず、食べた、と続けた。

悪びれもせず、妻の骨をしゃぶり続けた。


「ええと、とっても美味しかったです」


その言葉を聞き、自然と涙が溢れてくる。

悲しいからか、嬉しいからなのか。


「ごちそうさま、でした」


彼は『食べる』為に創られた存在。

何もかもが死に絶えた世界で、我々が創った存在。


我々は『食べられる』為に創られた存在。

昔々、平和だった世界で神様が創った存在。

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