友達は多いほうだと思う ①
今日はよく晴れている。
「ねむ・・・おはよう」
「おはよう。目が死んでるわよ」
仕方ないのよ愛ちゃん。私は朝が苦手だから。
休み明けの月曜はこの上なくダルいだろ。
遅くもない早くもない時間に登校すれば、教室にはほどほど人がいた。
私は席に荷物を置いて、隣りにいる愛ちゃんを見た。
愛ちゃんは数学の教科書を開き、熱心にノートに何かを書き込んでいた。
「あれ、それって」
私はそれを見て、何かを忘れていることに気づく。
思い出そうとしていると、ノートから顔を上げて愛ちゃんが言った。
「数学の教科書、32ページの問題を解く。これ宿題よ」
そう言うと、ノートに目を戻した。
「・・・・」
って、おい。おいおいおいおい
「まずい!」
私は急いで鞄から教科書とノートを取り出す。
シャーペンを手にした時、隣りから「終わった」と言ってる声がした。
「・・・・」
マズイ!
数学は1時間目
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放課後
「じゃあね」
「また明日」
愛ちゃんは彼氏さんとデートらしい。
私は帰宅部なので図書室に寄ることにした。
青高の図書室は本校舎とは別に位置し、一度外に出なければならない。なので正確には『図書館』と呼ばれている。生徒玄関を出て、左手に行くとある、平屋造りの古い建物。
だからなのか、置いてある書籍も豊富だ。
夏休みでも開館しているため、私はよく入り浸る。
本棚に隠れるように置いてある、隅の席が私の特等席だ。
源氏物語を手に取り、その席に座る。
「・・・・」
昼ドラ並、それ以上にドロドロなストーリーだな。
“ブ、ブッブブ”
アイフォンが震えた。鞄から取り出す。
メールだった。メールボックスを開くと、「阿川夫三男」と表示されていた。
「阿川くん?」
なんだろ。めずらしいな
阿川くんは、ゼンヤと直也くん達の友達。不良が多くいる黒高の生徒だ。
送られてきた内容を見る。
『明日の放課後、空けといて』
「なんだ・・・」
主語がないわよ、主語が。
ここで一旦切る