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日常でモテない!

「おお、我が後ろの恋人よ!」


 昼食時の食堂で後方から高貴だが変態チックな声が聞こえ。


「…俺の後ろに立つな前に行け…」

「う、うむ」


 俺の静かで殺意の籠った声を感じとったのかこの国の王子様はしずしずとテーブルの先に行く。一国の王子が一介の一般人の俺にこんな命令されて只々従う現状を俺にも理解してきていた。女神がくれた能力のせいなのはもう疑いようがなかった。あの時選択肢が二つあったのは男女と分かれていたのだといまさらながに思う、そして、俺は男の方のボタンを押してしまったのだ。


「ベル、王族としての嗜みがなってないわよ」


 悲観している俺の肩を揉みながらラブ・ベッドが弟を嗜める。もう背中を指先でなぞるのに飽きたらしく俺の肩を揉むことに決めたらしい。一介の一般人の肩を揉む王族の嗜みとは?


「そうですわよ、ベル王子様、わたくしの貴族としての嗜みをご覧になってくださいな」


 そう話すのは俺の右横に座り白いストッキングに包まれた脚を俺の右太腿に乗せている貴族の令嬢だ。もう立って俺の足を踏むのに疲れたらしい、そして、わたくしの脚がパンパンなのは貴方のせいですわよと、俺の右太腿に乗せてきてマッサージを強要された。俺はしぶしぶ令嬢の白いストッキングに包まれた綺麗な脚を揉んでいる。一介の一般人に脚を揉ませる貴族の嗜みとは?あと俺の足に貴族の義務とやらの令嬢が脱いだ靴が乗せられている。空っぽの靴で貴族の義務が果たせるのか?


「…ん」


 そんな事を思っていると、リータがスプーンで掬ったシチューを俺の口元に持ってくる。そのシチューを口に入れ、リータに美味かったと告げる。リータは微笑むと俺が口に含んだあとのスプーンをじっと見つめる。少し見つめたあとなにか意を決っした様に自分の口にスプーンを差し入れた。嬉しそうな笑みがリータから溢れる。この国のなにかの儀式か?俺は訝しながら思ったが周りにいる三人を見て考えるのを止めた。


「ちと、僕へのあたりが強くないかい?親友の後ろの恋人よ」


 親友にも恋人にもなったつもりはねえよ!


「そんなことはないぞ?お前には助けられているしな、感謝している」


 俺の言葉に王子は満足したみたいだ。実際助けられてはいた。俺の能力は見境なしに男を魅了するもので、食堂に居る半数が俺の後ろの恋人になりたくて王子の後ろで列をなして待っている、前に王子が居るから手を出せずにいるだけだ。そして、もう半数の人達は王子と男達を奪った憎き俺に殺意を向けていた。…俺はなにしにこの異世界に転生してきたのだろう?


「…モテない事が…日常化してるな…」


 リータにシチューを食べさせてもらい、令嬢の脚を揉み、自分の肩を王女に揉まれながら俺はそんな事を呟く。


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