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リトライ;リバース;リサイクル  作者: 四十九院紙縞
第3話 約束

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24/63

(1)――俺はいつも、こいつとなにをしていたんだっけ?

【語り部:陜ィ�ィ雎趣ソス陜ィ�ィ陷�スヲ】


 本当はこんなこと、お前が知る必要はないんだ。

 不必要な情報が入って、お前がお前でなくなってしまうんじゃないかと、それだけが心配で仕方がない。



【語り部:五味空気】


「ああ、もうすぐだ。もうすぐ会える。会えるんだ」

 イヒヒ、と笑う男の声に、俺は覚醒を果たした。

 意識が、視界が、混濁する。

 うっすらと差し込む日の光が見えて、今が昼間であることを知る。屋内であるらしいが、外と同じくらいに寒く、時折冷たい風が身体を撫でた。ここは、古い倉庫かなにかだろうか。カチャカチャという金属音が、いやに反響して聞こえる。拳銃の整備をしているようだ。

「暴れ回った甲斐もあったってもんだ。やっと〝K〟班も投入される! いろいろあったけど、こうなればこっちのもんだっ! ああ、もうすぐ会えるなんて夢みたいだ……!」

 感極まってその声も手も震えているのがわかって、俺は大丈夫かと尋ねる。するとそいつは、起きちゃったのか、と笑った。

「せっかく休んでたのに、起こしちまって悪いな。ちょっと興奮し過ぎた。ああでも、それも仕方ないよな。だっておれ、ひとつの目標の為にこんなに頑張って生きるのって、たぶん初めてなんだ。ああ、努力して生きるってこんなに素晴らしいことだったんだな。馬鹿じゃねえのって思ってた自分が恥ずかしい。なにより、これまでテキトーに垂れ流してた人生がもったいないって、そう思う」

 それは良いことだ。目標のある人生ってのは、それだけで張り合いが出る。

「ここまで来れたのも、一重にお前のおかげだよ――五味空気。お前が居たからこそ、おれはここに在る。お前ほど頑張ってくれた奴は他にいないぜ。お前は本当にすごい奴だよ」

 いつになく優しい口ぶりに、俺は思わず動揺する。

 俺の存在を認められたことが、こんなに嬉しいことだったとは。

 それは他の誰に言われるよりも心に響く言葉だった。

「だから今日も、よろしく頼むぜ。いつも通りだ、良いな?」

 ああ、わかっている。

 そう答えたものの、そいつの言う「いつも通り」がなにを指すのか、いまいちピンとこない。俺はいつも、こいつとなにをしていたんだっけ?

「お前はそれで良いんだ。全部おれに任せとけ。お前にはもっと大事な役割があるんだから、今はゆっくりしとけよ」

 だから眠れ。

 そいつにそう言われると、いつかと同じように、俺の意識は闇に溶けていく。

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