表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

まぶたの母

 とある病院。

 ベッドに横たわっているのはミホちゃんのお父さん(そう言えば名前はまだない)だ


 若い医師が説教している


 「もう、お酒はおやめになることですね。命に関わりますよ、本当に!」

 「そのう、いわゆる急性アルコール中毒ということですか?」

 「いや、専門的にはちょっと違うんですがね。人間の身体はアルカリ性に多少傾いている方が好ましいのですがね。酸性とアルカリ性はご存じでしょう?」

 「まあ、常識程度には」

 「で、アルコール摂取すると、人体は酸性に傾く性質があるのです。アルコール摂取しただけで」

 「はあ、そうなんですか」

 「そして、あまりに急激に酸性に傾くと、人間はそれだけで死んじゃうんですよ!あまり知られてないと思いますけどね」

 「そうなんですか」


 まあ、素人にそんな説明されても相づちの打ちようもないだろうな

 とか思っていると


 検査結果なのか?医師が何か見て


 「そうですね、もう一本点滴打てば大丈夫でしょう。もうすぐお身内の方も見えると思いますよ」

 「娘…ですか?」

 「直接連絡取ったのはスタッフなのでボクは分からないですけど。無断で失礼でしたけど、手帳拝見して連絡したようです」

 「ああ、競馬手帳ですね。いつも持ってるから」


 苦笑いするお父さん

 医師も微苦笑して去っていった


 場所が変わって待合室だ


 ただの飲み過ぎ、飲み過ぎて道端に倒れただけ


 という病院の説明を聞いて我々はちょっとホッとしていたのだが


 「お父さん、こういうのしょっちゅうなんですよ。警察にもしょっちゅう保護されるし。心配かけてごめんなさい」


 ミホちゃんがあやまる筋合いないけどなあ


 「お父さん、お金あると、あるだけ飲んじゃうから。ふだんはお金ないから家飲みなんですけど。たぶんミホノソヨカゼでもうかっちゃったのかなあ。ソヨカゼ、もっと負ければよかったのかなあ」


。それはないだろう

 ミホちゃんしょんぼりするなよ

 ソヨカゼがかわいそうだよ


 「ん?」


 一同の耳に誰かが階段を駆け上がって来る足音

 ひとりではないようだが?


 駆け上がったところで息を切らしているが


 「お母さん!?」


 ミホちゃんが長椅子から跳び上がった


 お母さん??


 我々も跳び上がった


 お母さん?らしき女性はバツの悪そうな顔で息を切らしているのだが


 その横に立っているのは


 私と女神様は顔を見合わせた


 横に立っているのは


 あの


 例の


 空き缶おじさんではないか??


 しかも?


 小さな女の子を連れている??


 続く!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ