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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

転生したら世界の敵になりました

作者: 雪月花VS花鳥風月

新作を投稿します。

転生者が世界の敵になる物語です。


「な、何が起きたんだ」

航空機を激しい衝撃が襲った。

「エンジンが爆発した」

「機体が燃えている」

「墜落している」

航空機のエンジンが大爆発して、機体が激しく燃えて、やがて墜落を始めた。

「初めての海外旅行なのに航空機事故で死ぬなんて嫌だ~」

俺の人生は最悪だった。

幼児の時に孤児院前に捨てられた。

孤児院では虐待された。

学校では孤児だとイジメられた。

ブラック企業に就職してしまった。

次々と不幸な思い出が走馬灯のように浮かんできた。

初めての海外旅行で航空機事故に遭ってしまい、俺は不幸な人生を終えた。


「あれ、確か航空機事故で死んだ筈だ」

それなのに何故か見知らぬ場所に居る。

「雲野月太さん、神界にようこそ」

そして若い女性に声を掛けられた。

「お前は誰だ。此処は何処だ」

「私は女神マリア。此処は私の神殿です」

若い女性は女神マリア様で、此処は女神様の神殿だった。

「し、失礼しました。女神マリア様」

「そんなに緊張しなくで下さい。貴方の運の無さに呆れ哀れに思って、特別に貴方を異世界転生させる事にしました」

呆れたと言い欠けたのに気付いたが、取り敢えずスルーしよう。

「はぁ、異世界転生ですか」

女神様に異世界転生させると告げられた。

「しかもチートスキルが与えられるというオマケ付きです」

「どんなチートスキルですか」

「それは秘密です。判明するまでのお楽しみです」

「・・・・」

この女神、良い性格してやがる。

「転生に承諾しますよね」

「もちろん承諾します」

承諾するか問われたので、もちろん承諾すると即答した。

「それでは転生させます」

こうして俺は第二の人生を歩む事になった。


「ご子息は全ての属性魔法が使えません」

この世界には地・水・火・風・光・闇・無・雷の属性魔法が存在する。

しかし鑑定の結果、俺は全ての属性魔法が使えないと判明した。

「全ての属性魔法が使えないだと。そんな役立たずは我がストロング騎士爵家には必要無い。出入りの商家にでも養子に出してしまえ」

俺は騎士爵家に生まれたが、この家で属性魔法が使えない者は価値が無いらしく、出入りの商家の養子に出されてしまった。

〖ふざけるな〗

異世界でも捨てられてしまった。

一体何の為に転生したんだよ。

あの駄女神、とんでもない家に転生させてくれたな。

覚えていろよ。


幼児を虐待するな。

俺は養子先で家族や使用人達から虐待を受けていた。

これでは前世の繰り返しじゃないか。

〖髪の毛を引っ張るな。痛いだろうが。死ね〗

死ねと念じた直後に侍女が崩れるように倒れて、即死してしまった。

「メアリー、眼を開けてちょうだい」

「メアリー、起きてくれ」

乳母と料理人が必死で娘の侍女に声を掛けているが、侍女は二度と目覚めなかった。


〖腐ったスープやカビの生えたパンを食べさせるな。中毒にさせるつもりかよ〗

俺を中毒にさせようとした乳母も即死させた。

「マーサ、死なないでくれ」

料理人が懇願したが、今度も乳母は目覚めなかった。


〖こんなに少ない量で足りるかよ。お前は俺を餓死させる気か。空腹を満たすのに必要な量の食事を持って来い〗

俺を餓死させようとした料理人も即死させた。


俺を虐待しようとした三人の使用人が連続して即死した。

どうやら俺は死ねと念じた相手と俺に対して害意や殺意を抱いた相手を即死させるチートスキルを与えられたみたいだ。

更に即死させた者の生命力、体力、魔力、スキルを吸収出来るみたいで、寿命、身体能力値、魔力値、スキルの数が増えた。

侍女からは家事のスキル、乳母からは育児のスキル、料理人からは料理のスキルを吸収した。


「あの幼児は呪われている」

「まるで死神だ」

「貴女が世話をしなさいよ」

「それは貴女の仕事じゃないのよ」

「誰でも良いから、早くしろ」

使用人達が仕事を押し付け合っている。

即死事件以降虐待はされなくなったが、完全に忌み嫌われてしまった。


〖毒殺なんかするな。死ね〗

毒殺しようとした医師も即死させた。

医師からは治療、解毒、造血、再生のスキルを吸収した。


〖暗殺されてたまるか。死ね〗

遂に暗殺者を差し向けられたが、幼児だと侮ってくれたのが幸いして、あっさりと返り討ちにしてやった。

暗殺者からは千里眼、探知、狙撃、鑑定、隠密、結界のスキルを吸収した。

千里眼と探知と狙撃を得たので、即死の効果範囲が飛躍的に拡大した。


このような生活が続き、俺は十二歳になった。

「今までお世話になりました」

そして商家を出て行く事にした。

〖お前達は用済みだ。全員死ね〗

積年の怨みを込めて、家族や使用人達を即死させた。

奴等は安堵の表情を浮かべた状態で絶命した。


商家を出た俺は名前を変えて、暗殺ギルドに就職した。

ブラック企業だが他には就職出来なかったからだ。


暗殺者になってから、三年の年月が過ぎた。

既に三百人以上の者を暗殺してしまい、寿命は一万歳を超え、体力と魔力は測定不可能で、スキルの数は三百を超えていた。


元実家から暗殺の依頼があったので、取り敢えず引き受けた。

標的はハルカ・リンドウ騎士爵だ。

「悪いけど、私には即死のスキルは効かないわよ」

今まで失敗した事は無かったのに、何故か即死のスキルが効かなかった。

「ぎゃあああああ」

雷属性を付加された拳を何度も喰らわされてしまったが、スキルを駆使して何とか逃げ延びた。

やはり元実家の依頼なんか引き受けるんじゃなかった。

〖悪いけど、死んでくれ〗

暗殺失敗を隠匿する為に元実家の全員を即死させた。


「はぁ、指名手配中のテロリストの暗殺ですか」

詳しい話を聞いてみると、冒険者ギルド総本部を破壊して、指名手配された狂暴なテロリストを暗殺しろという依頼だった。

メンバーはサキュバスのキョウカ、七色スライムのレインボー、変身魔獣のチェンジ、獣人のベルトーチカの四人。

メンバー全員が強者らしく、多くの暗殺者を全て返り討ちにしているらしい。

キョウカはリンドウ辺境伯領でネオギルドという新たな冒険者ギルドのギルマスをしているらしい。

以前に俺が暗殺し損ねた女が辺境伯をしている領地だった。

俺はこの女に出会うまでは人族最強だと信じていたが、上には上が居るという事を思い知らされた。

その女が治めている領地になんか行ってられるか。

「依頼を拒否するだと」

「拒否なんか認められるか」

依頼を拒否したのだが、認められなかった。

〖仕方ない。全員死ね〗

俺は暗殺者の引退を決意して、暗殺ギルドの全員を即死させた。

「冒険者にでも転職するか」

冒険者ギルドに登録して、F級ランクの冒険者に転職した。


冒険者になってから、五年の年月が過ぎた。

既に三千人以上の者を即死させてしまい、寿命は十万歳を超え、体力と魔力は相変わらず測定不可能で、スキルの数は八百を超え、まさに規格外の化け物になってしまっていた。


「ガーネットの町に死神という二つ名で呼ばれているリーパーという冒険者が居るという噂を聞きました」

「死神ですか。一応勧誘してみますか」

ハルカはリーパーを勧誘する為にガーネットの町に向かった。


「俺に殺意を向けない方が良いですよ」

「うるせえ」

「死ね」

盗賊達が忠告を無視して、俺に殺意を向けた瞬間に無言で崩れるように倒れた。

「だから俺に殺意を向けるなと忠告したのに」

生きて捕縛するつもりだったのに、またしても殺意を向けた盗賊達を即死させてしまった。

盗賊の死体を冒険者ギルドに持ち込めば、報償金が貰えるので、亜空間倉庫に収納した。


「確かに指名手配中の盗賊達ですね。報償金の金貨十枚です。お受け取り下さい」

受付嬢から報償金を受け取り、冒険者ギルドを退出しようとした。

「死神の奴、また盗賊達を即死させたみたいだぜ」

「アイツの話はやめておけ」

「お前も殺されるぞ」

俺は冒険者達の間で死神という二つ名で呼ばれていて、皆から忌み嫌われているが、危害を加えたり、殺意を抱くという愚行を犯す者は一人も居ない。


「私はハルカ・リンドウ辺境伯です。貴方が死神という二つ名で呼ばれているリーパーさんですね。貴方を辺境伯領のネオギルドに勧誘したいのですが、考えては頂けませんか」

辺境伯と名乗る女に俺を勧誘したいと声を掛けられた。

俺が暗殺者を引退するきっかけになった女だった。

しかも闘気が以前より遥かに強くなっているみたいだった。

「質の悪い冗談はやめて下さい。辺境伯様が俺を勧誘するなんて、とても信じられません。それにネオギルドなんて初めて聞きました。詐欺ではありませんか」

俺は詐欺ではないかと言って、断ろうとした。

「ネオギルドは既存の冒険者ギルドから完全に独立した冒険者ギルドです。どうやら詐欺ではないかとお疑いのようなので、一度辺境伯領に来て下さい。旅費として金貨五枚を差し上げます」

彼女は金貨五枚を俺に渡して、冒険者ギルドから立ち去った。

幸運にも暗殺者だったのはバレなかったみたいだ。

「仕方ない。他国で再出発するか」

他国で再出発する決心をして、取り敢えず隣国に向かった。


新しいダンジョンが発見されたという噂を聞いたので、隣国での最初の冒険はダンジョン探索にした。

ダンジョンの中は洞窟タイプのダンジョンだった。

「何なんだ、この空間は」

ダンジョンの変化に俺は驚愕した。

洞窟が機械的な空間に変わっていたからだ。


更に進んで行くと、突然警報が鳴り響いて、ゴーレムタイプの魔物達が押し寄せて来た。

戦闘態勢を整えたが、しかし何故か魔物達が平伏した。


そして俺を最奥の部屋に案内してくれた。

部屋の中では大型の魔物が平伏していた。

「マスター、我々は方舟を管理するガーディアンです。貴方の奴隷です。下僕です。思う存分にこき使って下さい。我等一同マスターの御帰還を一日千秋の思いで、待ちわびておりました。本当に感無量です。大いに感動しております」

このガーディアン、まるで人族みたいだ。

「お前、随分人族っぽいガーディアンだな」

「前マスターにそういう風に調教いや教育されたのです」

「今調教と言い欠けただろう」

「言い欠けていません。マスターの勘違いです」

「誤魔化すのはやめろ。確かに言い欠けた」

「絶対に勘違いです」

このポンコツガーディアン、あの駄女神と同じく良い性格してやがる。


ガーディアンから詳しい説明を聞いたら、このダンジョンは方舟という名前の飛行船らしい。

創造主である古代人は行方不明で、魔物達は古代人の帰還を待っていたらしい。

押し寄せて来たのも戦う為ではなく、出迎えだったらしい。

古代人と同じ波動を感知したので、俺をマスターと認識したらしい。

もしかして古代人というのは地球からの転生者もしくは転移者なのかもしれない。

「この宝玉に触れて指示を念じれば。方舟は指示通りに動きます」

『地上に浮上しろ』

試しに宝玉に地上に浮上しろと指示を念じたら、地割れを引き起こし、方舟が地中から空中に浮上した。

まる宇宙○艦ヤ○トの浮上シーンみたいだ。

冒険者ギルドの規定では拾得物の所有権は発見者にある。

つまり方舟は俺の物だ。

方舟なら他の大陸への渡航も可能だ。

方舟を手に入れて、俺は上機嫌になった。


「な、何だ。あの巨大な魔物は」

「空を飛行している」

「きっとドラゴンだ」

方舟の報告をする為に王都まで飛行したら、王都中がパニックになってしまった。


「私は国王陛下の使者です。方舟を献上しなさい」

「断る」

国王の使者と名乗る胡散臭い男が方舟を献上しろと言ったが、俺はもちろん断った。

「これは国王陛下の命令です。拒否するならば、不敬罪か反逆罪に問われますよ」

「やかましい」

麻痺毒で男を痺れさせて、窓から放り投げてやった。


「反逆者め、大人しく捕縛されろ」

「抵抗するなら、貴様を斬り捨てる」

騎士達が俺を捕縛しようと、大勢で押し寄せて来たが、方舟で楽々と国外まで逃げ延びた。

しかし他国でも指名手配されていた。

どうやら大陸全土に指名手配されているみたいだった。


「私はエルダーショッカーという影の組織の者です。貴方を勧誘に来ました。もちろん大幹部としてです」

仕方なく他の大陸に渡航する決心をしたが、エルダーショッカーという組織の者から勧誘された。

「・・・・分かりました。勧誘を受け入れます」

詳しい話を聞いたら、かなり優遇するとの内容だったので、取り敢えず勧誘を受け入れた。


「そなたが死神か」

「私は貴方様に永遠の忠誠を誓います」

首領と面会した途端に身体中に衝撃が走った。

あの女より強い闘気を感知したからだ。

この人物は決して敵に回してはならない。

心の奥に刻み込んで、首領に永遠の忠誠を誓った。


エルダーショッカー総本部に全ての大幹部が緊急召集されて、デス博士、ヘル大使、ゲー医師長、ファング男爵、ウィング大僧正、アーマー元帥、エルダーショッカーの大幹部が会議室に集まり、会議の開始を待っている。


「今回は新たなる大幹部リーパーを紹介する為に集合してもらった。リーパー、全員に自己紹介せよ」

「私はリーパーです。皆様、宜しくお願い致します」

「右からデス博士、ヘル大使、ゲー医師長、ファング男爵、ウィング大僧正、アーマー元帥だ」

「デスだ」

「ヘルだ」

「ゲーだ」

「ファングだ」

「ウィングだ」

「アーマーだ」

大幹部達が次々と不機嫌そうに名乗った。

「次にリーパーが所有している方舟を見せよう」

全員が裏庭に移動した。


「リーパー、方舟を飛行させよ」

「畏まりました」

リーパーは方舟に乗船して、飛行させた。

「「「「「「・・・・」」」」」」

大幹部達が飛行する方舟を見て、驚愕してしまった。

何故リーパーが大幹部に抜擢されたのか、大幹部全員が理解した。


俺はこうして世界の敵になった。


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