好き?
アンナが離れてくれない。
いつもの吸血を終えたのに、執拗に首の穴を舐めている。
吸血後は体が痺れているため、私は動くことが出来ない。
アンナに抵抗することも出来ずにされるがままの状態である。
「うぁっ…ちょっ、とぉ…あん、な…!」
「シトラス…シトラス…!」
舌で首の穴をほじくられて、体が飛び跳ねた。
まって、このままだと…!
「はな、して…!なんか、きちゃう、からぁ!」
「はむ…れろ」
「ダメだって!アンナ、なんか、変だよぉ…んあっ!」
顔は見せてくれないが、明らかに様子がおかしい。
それはそれとして、そろそろ、限界が…!
「まって、だめ!だめだめだめっ!!」
「ちゅっ、ちゅ…んぅ…れろっ」
「う、ああぁっ!んんんんっ!!」
あ、頭の中が真っ白…
力が抜けて、目の前がぼわーっとぼやけている。
「はあっ、はあっ…シトラス…もっと、気持ちよくして、あげるわ…!」
そう言って私を押し倒したアンナの顔は真っ赤だ。
「ま、さか、酔ってる…?」
「酔ってないっ!」
先程までお酒飲んでたから、血液にまでその影響が出たのだろうか。
アンナは身体を左右にフラフラさせながら私の服を剥いだ。
ブラを外され、火照った身体が冷たい空気に触れる。
「じっとしてなさい…私が気持ちよくしてあげる、から…」
「ひ、あっ、待って…!」
にじりにじり、と顔を上気させたアンナが私の胸に口をつけ…
「ぱひゅぅ…」
「…あれっ?」
「すぴー…」
「えぇ…?」
………
えぇ…?
***
ざー…
「ふぅ…」
手足の痺れが無くなった私は、アンナをベッドに寝かせ、シャワーを浴びた。
来ていた服はちょっと色々とアレなので、現在着ているのはバスローブ1枚だけだ。
それにしても、アンナ…凄かった…
いつか私から襲ってやろう、とか思ってたのに、まさかこんなふうに私が攻められるだなんて…
そういえば、アンナは私に対してそういう事をしたい、とか思っていたのだろうか?
そうであれば嬉しいのだが…
「しとらす…」
並べられたベッドの片方で眠っているアンナが私を呼んでいる。
…いいこと思いついた。
「よい、しょ…んふふ、あったかい」
「んぅ…」
横になったアンナの目の前に寝転がった。
目を覚ましたらきっと驚くだろう。
「ふわぁあ…」
そろそろ私も眠くなってきた。
こちらにもぞもぞと近づいてきたアンナを抱きしめ、目を瞑った。
「…しとらす…すき、よ…」
「すぴー…」
***
あたたかい…
いい匂いがする…これは、シトラスの匂い?
それに柔らかい…柔らかい?
目を開けた。
「すぴー…」
「ちょ、ちょっと!女の子がなんて格好で寝てんのよ!」
シトラスの胸に顔を埋めていた私は飛び起きた。
着ているバスローブの紐が解け、ほぼ全裸に近い格好で眠っているシトラスが目の前にいる。
…っていうか私、昨日…!!!
ああああああああ!!
何してんのよ私!?
お酒飲んだ人の血なんて飲んだらそうなるに決まってるでしょ!
しかも酔ったままシトラスを…!!
あああああああああ!!!!
「ん、んんっ…」
シトラスが寒そうに身を捩っている。
ああもうっ。
とりあえずバスローブの紐を結んで…
「くしゅんっ」
ぷるんっ
………
あぁああああ違う!違うの!
なんで私はシトラスの胸に釘付けになってんのよ!
こ、これは目に毒よ、早いところバスローブの紐を結んで隠さなきゃ…
紐を掴み、ぎゅっ、と結び…
「…♪︎」
にやにやしているシトラスと目が合った。
「あ、あ…」
「うんうん、昨日の続きがしたいなら起こしてくれたらいいのに〜♡」
「ち、ちがーう!!あんたがほぼ裸みたいな格好で寝てたから、か、風邪をひくと思って紐を結ぼうとしてたのよ!」
なんだー…と残念そうにしているシトラスの横っ面にビンタしてやりたかったが、グッと抑え、ベッドに座った。
「ねえアンナ。昨日のこと、聞いてもいい?」
「う…」
「アンナって、私の事好き?」
「…わかんないわ。昨日のあれだってキスされたことへの仕返しだった気もするし、ただそうしたかったからした気もするし…」
「じゃあ…」
「んんっ!?」
急接近したシトラスが唐突にキスをした。
舌が侵入してきて、口の中を蠢く。
私の舌と絡み、にゅるにゅると動き回った後、ゆっくりと唇が離れていった。
「ちょ、ちょっと!いきなり何すんのよ!」
「どう?私の事、好き?」
「ーーッ!あぁもうっ!好きよ!多分!」
「多分?」
「多分よ!」
にひひ、と笑って着替え出したシトラス。
ああもうっ!なんなのよこいつ!
もうちょっと具体的な描写ができるようになったらノクターンとかにも投稿したいね…