表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅人と吸血鬼  作者: うらにうむ
7/18

お酒と蜜

前回から約1週間後のとある夜の話です。


「う…苦しい、わ…シトラス…」


「んー…もう少しだけぇ…」


シトラスが離れてくれない。

とても他の人には見せられないであろう顔をしている私の従者。

たまにはいいよね。と、宿屋に入ってからお酒を飲み、一瞬で酔いつぶれてしまっていた。

吸血鬼は酒に弱いので1度も飲んだことないが、そんな私でもびっくりするぐらい一瞬だった。


「アンナ…いい匂い…柔らかい…」


「ひゃああっ!?どこ触ってんのよ!」


「んー、おっぱい…」


むにむにといやらしい手つきで胸をまさぐるシトラスを押しのけようと力を入れるが…


「力強っ…!」


「ふっふーん…これでも元冒険者だからねーん♡」


「もーっ!はーなーれーろー!」


滅多にお酒を飲まないらしいが、こんな風になるなら飲まないのは正解だろう。

正直、鬱陶しい…!


「ねーぇ、アンナぁ…こっち向いてぇ」


「なによ!…んっ!?」


ちゅっ


「あはは、あまーい」


「な、な、なななななにしてんのよおおお!!」


「ふべっ」


ぺちーん、と頬を叩く軽快な音が部屋に鳴り響いた。


〜〜1時間後〜〜


「ご、ごめんね?酔ってたとはいえ、まさかファーストキスだなんて…ねー、機嫌直してよー…」


「ううううう…ケダモノっ…!」


酔いが覚めたらしいシトラスが、布団を被った私の近くに座った。

別に機嫌が悪い訳では無い。

ファーストキスを奪われたことを怒っているわけでもない。

ただ、なぜこんな気持ちになっているのか…なぜこんなにもドキドキしているのかが理解出来なくて、真っ赤な顔を見せたくないだけだ。

同性に胸をまさぐられ、キスをされたというだけで…

そういうのもアリかな…って少し思ってしまったことに対して困惑しているのかもしれない。

私はシトラスのことが好きだったのだろうか?

…分からない。

そもそも女の子のことを恋愛対象として好きだなんて、思ったことは無い…

ああっ!もう!モヤモヤする!


バサッ!


「わわっ!ど、どうしたの?」


「お腹すいたわ。血、飲ませなさい」


「いい、けど…」


シトラスの白い首があらわになった。

私はシトラスの肩を掴み、首を舐める。

今までの吸血係の子達にはこんなことしたこと無かったのに、シトラスは別だ。

なぜか、こうやっていじめたくなる。

私の歯が開けた穴の付近を舐めると、びくり、とシトラスの体が飛び跳ねる。

そして、小さな嬌声が聞こえる。

この反応が面白くて、可愛くて…

やっぱり私、シトラスのことが好きなのかな…?


「ん、ぅっ…」


牙を侵入させ、血管を突き破る。

穴の奥から蜜のように甘ったるい血液が流れてきた。

…いつもよりも熱く感じる。

喉が焼けるように熱い。

もっと…もっと、シトラスの熱を感じたい…

シトラスは…私のモノ…


今日も気分でもう1話更新してます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] シトラスの過去を知ると、アンナがシトラスの痛みを癒してくれるように、さらに応援したくなる気がします
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ