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ディストピア・パンデミック  作者: ぜろしき
序章
6/35

欲しい力

 そろそろ自分の部屋に戻って練習するか。

 そんな事を考えていると、


 「13番ちょっとこっちきて!」


 玄関で、3番が手を挙げながら言っている。

 次は3番か。


 「はーい。今行くよ」


 何か問題でもあったのだろうか。


 「どうしたんだよ。そんなに手を挙げて」


 「いや、呼んだだけだけど」


 「なら呼ぶな!!」


 用事が無いのになぜ人を呼ぶのか。

 3番はたまにこういうところがあるからな。


 「すまなかった13番。3番は構って欲しかったんだ」


 「ち、違うって10番。適当なこと言わないでよー」


 3番は10番に本当のことを言われて顔を赤くしている。

 そうだ、10番もっと言ってくれ。


 「べ、別に。13番が私のところに全然来てくれなかったから拗ねてるわけじゃないんだからね。それよりも10番、13番一緒に聖堂にいきましょう!!」


 おい、いきなりツンデレみたいに言うな。


 「分かったよ。10番もそれでいいのか?」


 「もちろん大丈夫だ」


 10番は何も不満は無いらしい。

 3人で聖堂へ向かった。

 聖堂はオルタネイトに感謝する場所だ。

 よくここでお祈りをする。

 聖堂に入ると3人がいた。


 「あれー。4番に、5番に、7番じゃん。どうしたの?」


 「別に。ここにくると落ち着くから」


 「ここだと集中できるしね」


 「・・・」


 5番と7番は答えたが、4番は答えない。


 「そうなんだ。4番はどうして答えてくれないの?」


 「な・・・」


 3番は4番の様子を見て驚いている。

 3番に何かあったのだろうか。


 「どうしたんだ3番!」


 10番は慌てて3番に駆け寄った。


 「10番! よ、4番がーーーー!」


 本当に何かあったのか。

 俺も急いで駆け寄った。

 すると、


 「4番が聖堂で寝てる!! 聖堂でだよ!! この神聖な場所で寝てるなんて!!」


 「お、驚かせるなよ!!!!!」


 俺と10番は口を揃えて言った。


 「3番本当に紛らわしいからその反応やめて」


 10番は3番に呆れ顔で言った。


 「ご、ごめん・・・」


 「で、何か話したいことでもあるのか3番」


 「そうねー。13番は楔何にするか決めた」


 「俺はまだ分からないな」


 そういえば今までは他人の楔の話ばかりだったが、自分の楔について考えていなかった。

 でも、今欲しい力はないな。


 「3番はどうなんだよ」


 「私は、適応能力が欲しいな」


 「適応能力? なぜだ?」


 「適応能力があれば誰とでも仲良くなれる。相手の能力とも上手く対応できるし」


 「確かにそれはすごい能力だな」


 適応能力があれば、相手の能力に適応ができて良い関係が築けそうだ。

 それがあれば楔と楔の合体も出来そうな気がする。

 そうすればものすごいエネルギーを生産できるかもしれない。


 「10番はどうなんだ?」


 「私は嘘を見抜く目が欲しい。そうすれば3番に騙されないからな」


 「私の対策なのーーーー!!」


 10番らしい。

 楔を仲間のことに使うとは。


 「馬鹿じゃ無いのか。楔なんだぞ。もっと真剣に考えろ」


 「はあ? ならアンタのは何なのよ5番!」


 「秘密だ。お前らに言う必要はない」


 5番は10番の怒りを簡単に避けた。


 「ひ、秘密って。ふざけてるのは5番じゃん」


 「勝手に言ってろ」


 5番は他人には教えたくないのか。

 逆に気になる。


 「7番は何にするの」


 「僕は身体強化だよ3番」


 「やっぱりそうするのか7番」


 「ああ13番。これが僕にはしっくりくる」


 「何5人で盛り上がってんのよ」


 4番が急に起きて話し始めた。

 びっくりするわ。


 「4番は楔は何にするんだ?」


 「私は自分の体を浮遊させるのよ。そうしてもう歩かなくていいでしょ」


 これはすごい。

 だるそうにしている人間の極みだな。


 「それじゃあみんなで話したことだし解散ってことで。来週に向けて練習しましょ!」


 「そうだな」


 3番はいつもまとめるのが上手いなそう言うところが羨ましい。

 みんなは僕には持っていない羨ましい力ばかり持っている。

 楔を使いこなせるようになる。

 そう誓いながら6人は個人で練習を始めた。


 

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