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あらすじ

ーーー物心ついた時から、すでに剣を握っていた。


子供がよく遊びとかで使う木で作られたものではなく、丁寧に整備され鋭い切れ味の剣。少年の背丈ほどある長さのそれを、俺は軽々しく降り上げていた。


ーーーお前は、この世界の希望になるかもしれない。それが父の口癖だった。


いつか自分がこの世を去った時、いつか「奴」が現れた時、全てはお前にかかっていると言われて育ってきた。


だから稽古も厳しかったのだろう。まだ幼かった俺にはあまりにも酷すぎたものもあった。しかしそれに挫け泣いている俺に向かって父親は、「そんなんじゃ、この世界は守れない」と言った。


あの頃は、そんな難しい話は理解できなかった。世界は平和だし、少し歩けば大きな町だってある。自分が戦わなくてもいいんじゃないか、と。


だが、今なら少し分かる気がする。現に今、父親が言ったこと全てが現実となったからだ。人々の悲鳴、あちこちで崩れる家々。そして、火に囲まれながら進行を続ける魔物たち。


「…………さて、そろそろ行くか」


まだ火の手が届いていない、高い塔の屋根の上。そこに座りながらブツブツと何かを呟いていた青年が、突然立ち上がった。背中に携えていた大剣は光を浴びて輝き、鎧は古びていながらも強固な壁を思わせる。


…………トンッ


たった一度の足跡。それだけで青年は跳躍し、魔物の首を数個空に浮かばせた。近くで見ていたはずなのに、何が起こったのかは分からないほどの速さだ。


「…………こいよ、魔物共。俺が一掃してやる」


なおも止まらない魔物たちに怯むこともなく、青年はただ、手を強く握りながら、叫んだ。


「…………勇者の名にかけて!!」


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