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私の家族~思春期~
バンッ!!
麗奈の部屋の壁に穴が空いた。
小学生4~5年生の頃だったと思う。一人部屋が与えられた。嬉しい半面、寂しかった。
麗奈は小さい頃から「あなたは大丈夫」そう言われ続けていた。だから弱音をはけなかった。自分の気持ちを素直に伝えることができなかった。
姉とケンカをすると、怒られるのは私。
妹とケンカしても、怒られるのは私。
ケンカをすると、私は自分の部屋に逃げるようになった。泣きながら思いっきりドアを閉めて出ていった。自分の部屋に入ると、悔しくて悲しくて、気持ちをうまくコントロール出来ずに壁を殴っていた。
気付くと穴が空いていた。
意外と簡単に穴が空いてしまった。
「あーまた怒られる」
そんなことを思いながら、窓の外を眺めて気持ちを落ち着かせるのが精一杯だった。